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うしとらの威吹とイズナと一鬼で短い話。
GW中に地理の先生が遠野に行ってきたと言っていたので。私も行ってみたいです。

この三人は純粋に仲が良かったらいいと思います。ツンデレ二人をイズナがよくまとめてくれているんです。
妖怪はあんまり仲が良い、って感覚が無さそうだから、誰かに仲が良いね、なんて言われたら威吹と一鬼は否定するんだけど、内心でちょっと喜んでれば可愛い。

 

 

 月が綺麗な夜だった。淡い月明かりに照らされながら、古い屋敷の縁側で三人の妖怪が酒盛りをしている。一人はとても楽しそうに終始にこにことしていたが、他の二人は無表情だった。いや、額に角のようなものがある妖怪にいたっては、不機嫌そうな表情さえしている。
「なんで俺がお前に付き合わなきゃいけねぇんだよ」
「同感だな」
 一気に杯をあおってから、一鬼はやはり不機嫌そうな声色で言った。豪快に飲んでいる彼とは違い、ちびちびと舐めるようにして酒を飲んでいた威吹も、一鬼の言葉にうなづく。
「いいじゃんか。一人で飲むよりも大勢で飲んだ方が旨いだろ?せっかく長がくれたんだから飲まなきゃ」
 ふわふわと浮遊しながら、イズナは一鬼の杯に酒を注ぎ足してやる。なんだかんだで先ほどから一番飲んでいるのは彼だった。
「自分は一人で飲んでも大勢で飲んでも変わらないが」
「俺は一人の方が好きだぜ」
「ひねくれてんなー、お前ら」
 はぁ、とイズナはため息を付く。ひねくれているというよりも、素直ではない、というのが正しいのかもしれない。なんだってそんな、かたくなに仲間は要らないみたいな態度をとるのだろうか。妖怪だから、という根本的なものもあるのかもしれないが、イズナに言わせればそんな考え方は古臭い。長く生きれば時代も多く移り変わる。妖怪同士が仲良くやるという風潮が当たり前になればいいのに、とイズナはもう何十年も前から思っていた。
「俺はさ、威吹も一鬼も好きだから、こうやって一緒に酒盛りしたりするの楽しいぜ」
 好きだなんて恥ずかしげもなく言われ、一鬼はイズナをきつく睨む。しかしそれは彼の照れ隠しだと知っていたため、イズナは気が付かないふりをした。
「お前らだけじゃなくて、うしおもとらも、長も雷信もかがりもこの遠野も、俺の身の回りにあるものみんな大好きなんだ。だから守りたいし、白面なんかにこの日本を壊させたくない」
 お前らはどうよ、とイズナは二人を見た。威吹は顔をそらさないまま何度か瞬きをし、一鬼はあからさまに顔を逸らす。やはりそれは照れ隠しだと、イズナは知っていた。
「イズナのことは嫌いじゃないから、こうやって一緒に居るのも悪くはない。それに自分は長についていくだけだ。長が日本を守るために他の妖怪と仲良くしろと言うのなら、それに従う」
「俺だって別に嫌ってわけじゃねぇし、白面の野郎をぶっ潰してやりてぇから、他の妖怪どもと協力してやってもいい・・・」
 やはり、二人は素直じゃないと思う。でも、彼らの言葉を聞けてイズナは嬉しかった。先ほどよりもずっと極上の笑みをイズナは顔に浮かべる。協調性もあまりないし、素直ではないこの妖怪達が好きだと思う。だから白面の者の勝手で失いたくはない。昔から一緒に生きてきたように、これからもそうしていきたいのだ。
「これから頑張ろうぜ。みんなのためにも、俺達のためにも」
 そう言って、イズナは杯を掲げる。一鬼と威吹はその掲げられた杯に自分の杯をかちんと合わせた。


END

 


一鬼ととらのツンデレっぷりは美味。
威吹はお酒は弱くないけどあんまり飲まないイメージ。たぶんなにかあったらすぐに対応できるようにです。あと名前の出てる遠野組では(多分)最年少だから(私が萌えるってだけですね)
一鬼は豪快に飲んでるといいよ。たまに潰れてればいい。
イズナは潰れない程度にけっこう飲んでる。
でもそれ依然に妖怪は酔うのでしょうか・・・。

時々、うしとら関係のワードで検索してこのブログに辿り着いている方がいらっしゃるのですが、そういうのを見るともう何年も前に連載の終わった作品なのに愛されてるんだなぁ、と思って嬉しくなります。
うしとらはジョジョとはまたちがった熱さがあって面白いですよね。今誰かに一番勧めたい漫画です。
その前に早く28巻を見つけろという話なんですが。28巻、見つからないよ・・・。
今更コミック版で集め始めたのを後悔してます。買い始めたときは文庫版とワイド版が出てるって知らなかったんです。
もうちょっとでラストなのに読めないのが口惜しい。いっそのこと文庫版かワイド版買っちゃおうかな、とか思う今日この頃です。

藤田はもうサンデーで新しい連載を始めてるんですね。コミックが出たら買う。
スプリンガルドを読んで藤田漫画に外れはないと確信しました。話自体は短いのに面白すぎる。
個人的にはマザア・グウスの方が好みです。べ、別に良い歳のとり方をしたウォルターにドキドキしてるわけじゃないよ・・・!

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1月14日生まれの新潟県民。

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最近はfkmt作品に手を出してます。
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節操なしの浮気性です。
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