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おっさんと人外を中心によろずっぽく。凄くフリーダム。
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シルバーウィークなことだしツクシ×ヤナギです。
この二人はマツヤナよりも明るく健康的なカップル。でもやっぱりなんかヤナギが暗い。
マツバはヤナギに敬語だけど、ツクシはタメ口だったら萌える。

設定はいろいろポケスペから取ってます。けどポケスペ読んでなくて大丈夫だと思います。

 

 

 

 扉を開けると冷気が頬を撫で、僕は震えながらコートの前をかき合わせた。室外よりも室内の方が凍えるほど寒いというのは、なんだか変な感じだ。しかしもう慣れた。それくらい、僕はここに頻繁に通っている。
 すでに顔見知りとなってしまったトレーナー達に挨拶をしながら、僕は建物の奥へ奥へと進んだ。そのたびに、カン、カン、となにか叩くような高い音が近づいてくる。だんだんと明瞭に聞こえてくるその音に、僕は頬が自然と緩みそうになるのをこらえながら最後の扉を開けた。
 真先に目に入ったのは、立派なラプラスだった。といっても、本物ではない。氷彫って作った氷像だ。どこか愛嬌のある顔をしたラプラスは、ヤナギさんが丹精込めて彫り上げたものだ。
「相変わらず凄いね、ヤナギさん」
 氷に覆われたこの部屋では、声が凄く反響する。僕の声に氷を彫っていたヤナギさんはこちらを見て、やっと僕の存在に気が付いたという顔をした。
「ツクシか。きみも相変わらず、なんの連絡もなしに来るのだな。電話の一つでもよこせば、なにかもてなしの用意ができたものを」
「ごめんね。急に会いたくなったから、来ちゃった」
 本当は、わざと連絡をしないで来るんだけど。いきなり押しかけても僕を追い返さないで、相手をしてくれるのが嬉しいから。
 僕はヤナギさんに近づく。彼の傍らにいたジュゴンが、僕に挨拶をするように一つ鳴いた。それに応えてから、僕はラプラスをマジマジと見る。それはとても精巧にできた氷像だった。目の前で本物のように動き出しても、きっと僕は驚かないだろう。
「かっこいいね。生きてるみたいだ」
「……本当に生きていればよかったのだが」
「え?」
 よく聞き取れなくて、僕は聞き返した。しかし彼はなんでもない、とゆるく首を振ってしまう。なんだろう、と思いながらも、僕はそれ以上は尋ねなかった。それよりも、この氷像に心を奪われる。
「これは誰かに依頼されて作ったものなの?」
「いや、私個人で作ったものだ。この間大きな仕事が終わったばかりでね。息抜きに作っていた」
 ヤナギさんはこういった氷像を売って生計を立てている。ジョウトだけではなく、全国に彼の作る氷像のファンがいるらしい。かくいう僕もその一人で、家には彼に作ってもらった作品が幾つかある。彼はあまり外には出ないので、他の人が受注したり配達をしたりしていた。
 僕達はしばらく無言でそのラプラスを眺めた。僕はただただ感心しながら、ヤナギさんはなにかを考えるような顔をしながら。するとその変化のなさに飽きたのか、ジュゴンが氷の上を滑って遊びはじめた。とても気持ち良さそうだ。流石氷ポケモン。僕のポケモンをこんなところで出したら、寒さで冬眠してしまうんじゃないかと思う。
「室内にこんな氷の部屋を作っちゃうなんて凄いよね。ここは一年中冬だ」
 彼はラプラスから視線を外して僕を見た。心外そうな顔をしている。
「そう言うきみのところのジムは森だろう。室内に土を敷いて、木を植えて、室温を保って……どちらが外かわかりはしない」
「ヤナギさんのとこもそうだって」
 彼の言葉に、僕は思わず笑ってしまった。
 僕もヤナギさんも、ポケモン達が戦いやすいように、過ごしやすいように、ジムを丸ごと自然の状態に近くしている。おかげで僕の虫ポケモン達は元気いっぱいだ。ポケモンが元気に動き回る姿というのは、見ていてとても気持ちがいい。もちろん、ジムの維持費は大変なことになっているが。そこはまぁ、ポケモン協会に援助してもらったり、僕なら遺跡調査の仕事をしたり、ヤナギさんなら氷像を売ったりでなんとかなっている。
「やっぱり環境がいいと、ポケモンも元気だよね」
「そうだな」
 相槌を打つものの、彼の表情がわずかに曇った。どこか悲しそうにも見える。彼は時々、こんな顔をする。どうにかしたくてもどうにもならなくて、でも諦めきれないような顔だ。
 どうしたのかと、僕は彼の服の裾を引いた。
「……こうやって偽りの自然を維持するために、本当の自然を破壊しているのだと、思ったことはないか」
 その言葉の意味がわからず、僕はわずかに首をかしげる。
「どういうこと?」
「科学が進歩して、こんな室内に氷を置けるようになった。しかしそれを維持するために、自然界にある氷が融けはじめている」
 同様に、僕のジム内の森を維持するために、本当の森が破壊されている、と彼は言った。それは今世間が耳にタコができるくらい言っている、地球温暖化という奴だ。
「この地球のもっとも北にある、永が融けはじめている。そのため、そこに住む多くのポケモンが住処を追われ、死んでいるんだ……」
「…………」
「森も同じだ。人間が増え、人間が住むために森を開き元々住んでいたポケモンを追い払っている。そうしなくとも、地球が暖かくなりすぎて水が干上がり、木々や草花が枯れている」
 ヤナギさんは一旦言葉を区切り、ジュゴンを呼んだ。彼は寄ってきたジュゴンの頭を愛しげに撫でる。
「おかしい話だとは思わないか、ツクシ。自分と、自分のポケモンのために、多くの野生のポケモンを迫害しているんだ。彼らにも住処があり、生活があったのに、我々の勝手で無きものにしている……」
 この場に相応しい言葉が思いつかず、僕は沈黙を返した。
 きっと彼の言葉は、誰もがわかってる。わかってるけど、考えないようにしていることだ。見て見ぬ振りをすることができるのは、人間の一番の利点であり、そして愚かなところだ。これではいけないとやっと問題と向き合った所で、いつも遅すぎる。人間の勝手でこれまでに絶滅してきたポケモンが、どれほどいることだろう。
 ヤナギさんはジュゴンの頭を撫でたまま、再び氷像を見た。その視線を追って、僕も氷像を見る。立派な、でも愛嬌のあるラプラス。まるで本当に生きているかのような……。
「このラプラスは、元々は私のポケモンだった」
 その言葉に、考えが読まれた気がして僕はドキッとした。
「それってどういう……」
「まだ私が若い頃、可愛がっていたラプラスを氷原で遊ばせていた。そこは絶対に氷が融けることがないと言われていた。だが地球の温度が上がってきていたために、氷りは脆くなっていた」
「まさか……」
 僕の脳裏に氷の上を悠々と滑るラプラスの姿が浮かぶ。だがその先には、氷が脆くなった場所が……
「私のラプラスのいる真下の氷が割れて、そのままラプラスは氷海に飲み込まれていったよ……。私は、なにもしてやることができなかった……」
 ヤナギさんは目を伏せ、眉間に皺を寄せる。その時の光景を思い出して、苦しんでいるようだった。きっと彼は、なにもできなかった自分を悔いて、責めている。彼が悪いわけじゃないのだ。だが同時に、この地球に住む誰もが悪い。地球の全てを消費し、奪い、破壊していく僕達人間が。
 彼は眉間の皺を伸ばすように指で押してから、僕を見た。朝一番に見る降り積もった雪のように、まっさらで澄んだ目をしている。きっとその瞳は触れれば冷たい。なぜか僕はそう思った。
「私達はあとどれくらい、ポケモンと触れ合えるのだろうな」
 暗に、彼は将来ポケモンが絶滅するだろうと言っていた。僕には否定ができない。実際、年々ポケモンの数が減ってきているのは事実だった。この広い地球に、個体数が残り1000匹にも満たないという種族がざらにいるという現実。人間は何十億といるというのに。
 だから彼は、ポケモンの氷像を彫るのだろう。全てがいなくなっても、せめて形だけでも残すために。
 散々僕達によってボロボロにされた地球は、あと何年保つのか。僕達はポケモンの減少を食い止めることができるのか。それはきっと、近い将来わかるだろう。
「私は自分が年寄りでよかったと思っているよ。少なくとも私が生きているうちは、お前達が滅んでいくのを見なくてすむからな……」
 ジュゴンを見ながら彼は言った。クーン、とジュゴンが主人を見上げて悲しそうに鳴く。
 僕が彼くらいの歳になった時、この地球は、そしてポケモンはどうなっているだろうか。まだ草原や森は残っているだろうか。虫ポケモン達は、今のように元気に飛び回っているだろうか。
 悪い予感しかしない先のことを考えるのは憂鬱で、僕は一旦思考するのをやめた。あぁ、またこれも人間の悪いところだ。自分の都合の悪いものからは、目を逸らす。
「いっそのこと、ポケモン達がみな手を組んで、人間を滅ぼしにこないかと思っているよ。そうすれば、彼らは絶滅しないですむかもしれないからな」
 本当にそう望んでいるのだろう。彼の言葉には、熱がこもっていた。
 彼は人間ではなく、ポケモン達の味方なのだ。ポケモンのためなら、簡単に人間を切り捨てられるだろう。でもそれをしないのは、そんなことをしても無駄だとわかっているからだ。もう地球の崩壊は止められない。
 ポケモンを愛しながら、その姿を彫り、人工的に作られた氷に囲まれてひっそりと生きる彼。彼はポケモンの味方だが、ポケモンにはなにもしてやれない。そんな彼が僕は好きだ。彼がポケモンの味方なら、僕は彼の味方だ。そして彼と同様に、僕はヤナギさんになにもしてあげられない。それが酷く歯痒い。
 僕は奥歯を噛みしめてから、ヤナギさんの手を握った。急に僕が強く手を握るものだから、彼は驚いたような顔をしてこちらを見る。
「ヤナギさん、外に出よう」
「突然なんだ……」
「ウバメの森に行こう。そこはまだ、ほとんど人間の手が加えられていない本物の自然だ。それを見に行こうよ」
 まだ僕達が生きているうちに。まだポケモン達が生きているうちに。まだウバメの森がそこにあるうちに。
 こんな人工物に囲まれていないで、自分の目で本物を見に行こう。きっと近い将来、見たくても見れなくなるのだから。だから今しかできないことをしなければ。
 僕の勢いに、ヤナギさんは少したじろいだ。
「今からか?」
「今だからだよ。さぁ、早く外に出て。デリバードに運んでもらうんだ」
 僕はここに来た時同様、ストライクに運んでもらう。
 僕が手を引いても、彼は外に出るのをためらっているようだった。それは人間社会を拒絶しているようにも見えた。しかし外に出なくては、自然が見れない。
 無理に引っ張ろうかと思ったら、急にヤナギさんの体が動いた。不思議に思って見ると、ジュゴンが後ろから彼の体を押していた。僕の意図を察したのか、それともあまり外へ出ない主人を気遣ったのかはわからない。しかしジュゴンもヤナギさんが外に出ることを望んでいる。彼のために、だ。
「ほら、ジュゴンも森に行きたいってさ」
「……しょうがないな」
 そう言いつつも、嫌がってはいない声色だった。それが嬉しくて、僕は笑った。ジュゴンも嬉しそうに鳴いた。
 ポケモンは人間が悲しんでいる時は一緒に悲しんでくれるし、喜んでいるときは一緒に喜んでくれる。そんな生き物を、どうして人間は簡単に滅ぼせるのだろうと、この時僕は不思議に思った。
 この後僕達は、すぐにウバメの森に行って二人で森を散策した。いつも氷りに囲まれている時とは違い、血色のいい彼を見るのは新鮮だった。なにより楽しそうにしている彼を見れたのがよかった。
 僕は彼と楽しく過ごしたこの森が、いや、彼の愛した地球とポケモンがいつまでも残っていればいいと、心の底から思うのだ。


END

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我慢できなかったのでマツバ×ヤナギを。というかマツバの一方的な片思い。次はツクシたんで書きたい。

とりあえずうちのマツバはちょっと病み気味。なんかプレイしてると台詞の端々から電波というかヤンデル臭を感じました。でもポケスペだと普通に好青年だよね。
ヤナギはポケスペの影響でポケモン>人間。若干世捨て人。

 

 


 壁に押し付けられている背中が冷たく、背筋が震えた。そうでなくとも、目の前にいる青年によってコートを剥ぎ取られているのだ。いくら慣れているといっても、老体にこの寒さはこたえる。
 ガチガチと奥歯が鳴りそうになるのを堪えながら、ヤナギは白い息を吐き出した。
「きみはよく、こんな老体に欲情できるのだね」
 その言葉に、ヤナギの服の下に手を入れていたマツバは顔を上げた。なんでそんなことを言うのだ、と不思議そうな顔をしている。不思議なのはこちらの方だと言ってやりたかった。
 彼は普通の人間と感覚が違っている。感性も、通常なら見えないものが見える目も。だからヤナギは彼の言うことがほとんど理解できない。
 彼はヤナギを愛しているのだと言う。
「そりゃあ、好きな人相手ですから」
 わけのわからないことを言って、彼は人の良さそうな顔で笑った。まともに会話ができない、とヤナギは思う。ため息をついて軽く目を伏せた。
 ヤナギにはこの若く、熱い体躯は押しのけられない。それがわかっているから、最初から抵抗はしなかった。ただ、こんな氷に囲まれた死の世界でなんて馬鹿げたことをするのだ、と思う。下手をすれば死んでしまうではないか。いや、死ぬからこそ、人間は欲情するのか。生き物は死ぬ直前、種を残すため性欲が高まると聞いたことがある。
 そんなことをつらつらと考えながら意識をマツバに向けないようにしていると、拗ねたように彼が首筋に噛み付いてきた。ヤナギは小さく喉を震わせてから、青年を睨む。
「私はきみが好きではないよ。こんなことをされても迷惑だ」
「知ってますよ」
 首筋を舐めながら、マツバはやけにはっきりとした声で言った。
「知ってますよ」
 そして顔を上げて、もう一度同じ台詞を言う。その顔はやはり笑っていた。しかしどこか調子の外れた、見る者を不安にさせる笑みだった。
「あなたは、ポケモン以外が嫌いなんでしょう?だから僕だけじゃなく、全ての人間が嫌いなんだ」
 あぁ……、とヤナギは内心でもらした。この台詞でようやく、理解できない彼のほんの一部を理解した。この青年は、そう思い込むことで自分を誤魔化しているのだ。ヤナギは人間ではなくポケモンを愛しているから、自分が愛されなくてもしょうがない、と。
 馬鹿な、と思った。これだから、彼と話すのは嫌なのだ。こちらの真意が伝わらないし、理解しようとしない。だからヤナギには彼が理解できない。
 確かに人間よりもポケモンの方が大事だ。なぜならヤナギにとって、ポケモンは無条件で愛すべき存在だから。しかし、別に人間が嫌いというわけではないのだ。この青年に比べれば、ヒワダの虫使いの少年の方が余程好意を持てる。
「可哀想に……」
 吐息のような、ほんのかすかな声で呟いた。言ったヤナギですら、ほとんど聞き取れないような声量だ。しかしそれが聞こえたのか、マツバはわずかに肩を揺らした。だが結局はなにも言わず、ヤナギの体に触れてくる。
 自分を誤魔化しながら、こんな老い先短い自分を求めてくる彼が哀れで仕方がなかった。若いうちは、他にすることも、できることもたくさんあるだろうに。そしてそんな貴重な若い頃の時間を捨ててまで自分を求めてくるから、ヤナギはマツバが嫌いなのだ。せめてちゃんと、自分を誤魔化さずに全てを受け入れて、ヤナギの真意を知った上でマツバが求めてくるのならば、まだ救いようがあったのに。
 ヤナギは哀れな青年の頭をかじかむ手で優しく撫でる。しかしその瞳は、氷のように冷たかった。


END


某43の人のイラストを見てムラムラしたので、ハク+ミニ×ダイルを。
ほんとに短いしお決まりな感じです。






 爬虫類というは、自分で体温調節ができない生き物だ。だから体温が上がりすぎたら冷やし、下がりすぎたら温めるなどしていかないと、動けなくなってしまう。
 オーダイルもまた、例外ではなかった。
「放せぇー!」
 青と白の鰐が、川から陸に上がろうともがいている。その体に巻き付き、再び川の中に引き戻そうとしている子龍が二匹。
「オーダイルさん、もっと私達と遊ぼうよ」
「そうそう。遊んでくれなきゃ、陸に上げてあげないよ」
 オーダイルの爪が必死に地面をかくが、無駄に土を掘るだけで終わった。子供といえど、龍二匹の力は強い。
「陸に上がったら遊んでやるから、だから今は放せ!体が冷える!」
 長いこと水中にいて、ずいぶんと体が冷えてしまった。だから日光浴をしなければ動けなくなってしまう。
「なに、寒いの?」
「だったら僕達が温めてあげるよ」
 にこにこと機嫌良さそうに言いながら、ハクリューとミニリュウは更に力を込めて巻き付いてくる。
「苦しい……」
 振り向きながら、本当に苦しげにオーダイルが言う。しかし相変わらず兄弟は機嫌が良さそうだ。
「私達の体温で温めてあげるよ」
「だから心配しないでね、オーダイル」
 そんなことを言われると、逆に心配になってしまう。貞操的な意味で。
 もちろん、ハクリューとミニリュウはオーダイルが変温動物なのをわかっている。だからこそ、弱っている彼を見逃すはずはない。
「それじゃあ水中に行こうか」
「邪魔な花女が来る前に、ね」
「ロゼ!ロゼリア、助けてくれ……!」
 抵抗と叫びも虚しく、オーダイルの体がゆっくりと水中に引きずりこまれていく。軽くホラーだ。
 しばらく水の跳ねる音や、オーダイルが助けを求める声が響いていたが、やがてそれはすべて水の中に消えて行った。


END








このあとオーダイルは騒ぎを聞きつけてきたカイリューとロゼリアに救出されます。しびれごな?いいえ、どくどくで。
技使って抵抗しないあたり、オーダイルおじちゃんは甘いです。そこに付け込む子供達。

鰐は変温動物のくせに水中にいるという苦行っぷりが好きです。

そんなわけでロゼカイ出会い話。
ロゼリアは私と書いてわたくしと読む。
詳しい設定は過去のポケポケという記事から。

オーダイル達は友情出演。







 カイリュー達がこの辺りに移住してから少し経ったが、平穏に暮らせていた。もともと住んでいたポケモン達は友好的だし、オーダイルがよく面倒を見てくれる。弟達もよく彼に懐いているし、なにより人間の手が加わっていない自然の環境がいい。
 ここにやって来て本当によかったと思いながら、カイリューは森を散歩していた。弟達は水辺でオーダイルにじゃれついているので、今はいない。最近はこんなふうに一人でいることが多いので、少し寂しく感じる。いつもならハクリュー達はカイリューにべったりだった。
「いい加減、弟離れをしないとね……」
 誰にでもなく呟く。歳の離れた弟だから、ついつい世話を焼いたり甘やかしてしまうのだ。
 不意に柔らかな甘い香りがして、カイリューは足を止めた。眠たくなってくるほど体の力が抜けるような、リラックスする香りだ。辺りを見渡して香りの元を探す。やがて一本の木の根元に、赤と青の薔薇が咲いているのを見つけた。
「こんな森の中に薔薇が?」
 しかも不自然に二輪だけ。不思議に思って、カイリューは薔薇を手に取って目の前に持ってくる。香りはこの薔薇からするようだった。
「花泥棒に罪はないと言いますけど、私それはどうかと思いますの」
 薔薇が、喋った。
「わっ……!」
「あ、落とさないでくださいね」
 驚いて落としてしまいそうになったが、言われてなんとかそれを回避する。
 カイリューの手の上でそれは目を開き、自ら立ち上がった。
「そんなに驚かないでくださいませ。私は花ではなく、ロゼリアというポケモンですわ」
 礼儀ただしく彼女がお辞儀をしてくるので、カイリューもつられてお辞儀をする。
「僕はカイリューです。最近、この辺りにやってきた……」
「噂は聞いてますわ。三兄弟の、一番上のお兄様ですね」
 いったいどんな噂になっているのだろう、とカイリューは思った。
「私、みなからはロゼと呼ばれてますの。だからカイもそう呼んでくださいな」
 ふわりと花がほころぶように微笑みかけながら言われ、カイリューは照れながら首を上下させる。そんな彼の反応に、ロゼリアはふふ、と笑った。すると甘い香りがいっそう強くなる。どうやら機嫌が良くなるとそうなるらしい。
 その香りにカイリューは一瞬ぼんやりしてしまったが、すぐにハッとして頭を軽く振った。そして申し訳なさそうな顔をする。
「先ほどはすみません」
「なんのことでしょうか?」
 突然謝罪をしてくるカイリューに、ロゼリアは小首を傾げながら相手を見上げる。
「僕は別に、ロゼをどこかに誘拐しようとしていたわけではないんです」
 最初にロゼリアの言った花泥棒云々のことを言っているらしい。彼女にしてみればあれはただの冗談だったため、本気で謝ってくるカイリューにおかしくなってしまう。
「いいんです、そんなこと。美しいものを手に取って見たいというのは、自然な欲求ですもの」
 さりげなく自分で自分を美しいと言いながら、それに、と小さく続ける。
「あなたになら、攫われてもかまいませんわ」
 それは囁くような声だったので、カイリューには届かなかった。ロゼリアも今はまだ、聞かせるつもりはない。
「私、謝られたのはてっきりお昼寝の邪魔をしたことにだと思いましたわ」
 ロゼリアは木に寄り添って眠っていた。それをカイリューが薔薇と勘違いをして手に取ったというわけだ。
 それを聞いて、カイリューは慌ててしまう。
「ご、ごめんなさいっ……!」
 カイリューの一挙一動を見ながら、ロゼリアはひっそりと笑う。しっかりしてそうなのに、どこか抜けていて見ていて飽きない。ここで別れてしまうのは惜しいと思った。
「そのお詫び、というわけではありませんが、よかったら私を水辺まで運んでくださいませんか?」
「水辺まで?」
「えぇ。カイは立派な体をお持ちですが、私のように小さな者には、少しの距離もたいへん遠く感じるのです」
 なるほど、とカイリューは水辺に向かって歩き出す。ロゼリアはカイリューの手の上に座ると、辺りの景色を眺めた。いつもと視線の高さが違うので、見慣れたはずの森がまったく知らない場所に見えて新鮮だった。
「体が大きいと移動が楽でいいですね」
「僕はロゼはそのくらいがいいと思いますよ」
 大きいのは大きいので苦労もある。
「どうして?」
「だって、その方がロゼは可愛いですから」
 無邪気に笑いながらカイリューが言う。まさかそう返されるとは思っていなくて、ロゼリアは驚いた。
「ロゼ?」
「あなたは、惜しげもなく女性にそのようなことを言うのですね」
「なにか変ですか?」
 カイリューが本当に不思議そうな顔をするものだら、ロゼリアは天然のタラシだわ、と思った。本人は下心とかなく、純粋に思ったことをそのまま口にしているだけだからタチが悪い。
「そんなことありませんわ。女性は褒められるのが大好きですもの」
 そんなことを言っているうちに、水辺に到着した。なにやら騒がしい。川の中でオーダイルが必死に体に巻き付いているカイリューの弟達を引き離そうとしていた。
「あら、ダイルったら両手に花ですわね」
 リアルに両手に花のロゼリアが笑い混じりに言う。どうやら二人は知り合いのようだ。
「どうやったらそう見えるんだよ。どっちも雄だぞ」
 疲れたように言って、オーダイルはハクリューとミニリュウはそのままに、陸に上がり近付いてきた。引き離すのは諦めたようだ。
「カイリューとロゼは知り合いだったのか」
「さっき森で会ったんです。最初は花だと思って……」
「まぁロゼじゃあそう思ってもしょうがないな」
 そう言ってオーダイルは笑った。つられてカイリューも笑う。辺りの空気が凍り付いていることに二人は気が付いていない。
 ハクリューとミニリュウが、なに馴れ馴れしく兄に乗っているのだ、とロゼリアを睨んでいる。兄は弟離れができていないが、弟達はそれ以上に兄離れができていなかった。そんなブラコンっぷりを一瞬で見抜いたロゼリアも、二人を睨む。
「カイリュー兄さん、その女、誰?」
 聞いたことのないような低い声で問うハクリューに、空気が読めていないオーダイルとカイリューはギョッとする。
「誰って、ロゼだけど……」
「ごめん、質問が悪かったね。なんでそれは兄さんに乗ってるの?」
 それ、と言われ、ロゼリアはぴくりと反応する。
「それとは失礼ですわね。ダイル、先ほど私は両手に花と言いましたけど、訂正します」
 いつまでも兄にべったりな、とんだ寄生虫ですこと。
 とは、流石に声に出しては言わなかった。しかしなんとなく言わんとしていることがハクリューとミニリュウに伝わったようで、二人が殺気立つ。
 カイリューは他人に好かれやすい性格をしているから、以前住んでいたところでは(本人は自覚していなかったが)雌にも雄にもよく言い寄られていた。そのたびに、ハクリューとミニリュウがそのポケモン達を追い払ってきたのだ。今回も、例外はない。
 ロゼリアがフッと笑う。相手を哀れむような、それでいて小馬鹿にするような笑みだった。
「あなた達みたいな子龍が、私をどうにかできると思って?」
 手を口元に持ってくると、そこに息を吹きかける。その瞬間、ハクリューとミニリュウの体から力が抜け、動けなくなってしまった。
「うぉっ……?!」
 当然、二人の全体重はオーダイルにかかる。本来なら二人分なら大した重さではないのだが、不意打ちだったのでオーダイルは押しつぶされてしまった。無駄に長さがあるのも、支えきれなかった原因だろう。
「ハクリュー、ミニリュウ?!」
 いきなりの出来事にカイリューが弟達を呼ぶ。しかし返事はない。口さえも動かないらしかった。ロゼリアのたった一度の痺れ粉でこの威力なのだから恐ろしい。
「お前ら、どけ……!」
 オーダイルが下敷きにされながらもがいている。麻痺を治すには一日経つか、ロゼリアにアロマセラピーをしてもらうしかない。そしてもちろん、ロゼリアはそんなことをするつもりはない。
「カイ、向こうの方で水浴びをしましょう」
「で、でも二人が……」
 心配そうに弟達を見る。
「長く川の中にいていきなり上がってきたものだから、きっとめまいを起こしただけです。心配ありませんわ」
「そんなお風呂じゃあるまいし……」
「ね、行きましょう」
 ジッと見つめられ、カイリューは言葉に詰まる。ロゼリアにこんなふうに見つめられるとドキドキしてしまう。自分のできることなら、可能な限り言うことを聞いてあげたくなってしまう。こんな感情ははじめてだった。
 しばらく逡巡するようにカイリューは黙り、そして弟達を見る。
「ハクリュー達は本当に大丈夫なんですか?」
「もちろんですわ。明日にはピンピンしてます。それに、世話好きのダイルもいるとことですし」
 駄目押しだった。確かにオーダイルに任せておけば心配はない。そう思うと、カイリューは下敷きになっている彼を救出した。
「すみません、オーダイル。弟達を任せていいですか?」
「というかロゼがアロマセラピーを……」
「さぁ行きましょう、カイ」
 オーダイルの言葉を遮るようにロゼリアは催促をする。カイリューはなんの疑いもなく彼女に頷いた。
 離れていく二人を困ったようにオーダイルが見送る。そしてその横で、ぐったりとしているハクリューとミニリュウが忌々しそうな目をしていた。
 かくして、ブラコン二人とロゼリアのカイリューを巡る静かな戦いははじまった。


END






そしてカイリューは恋をする。
弟二人はオーダイルが好きだけど、家族愛的な意味でカイリューも好きなんです。
私の中でロゼリアは20センチくらい。公式より若干小さめ。
ロゼリアは気に入ったポケモンには自分を愛称で呼ばせ、そして相手を愛称でよびます。
前はロゼリアはカイリューと同い年か年上って言ったけど、やっぱり年下でもいい感じ。どちらにしても歳はあまり離れてません。

次はハクリュー+ミニリュウ×オーダイルを書きたいです。というかミニリュウにセリフを。

セレエンとミュウミュツで短い話を。










 ある日、セレビィはエンテイになにも言わずに手を差し出した。
「……?」
 彼女の意図が読めないエンテイは、それでも小首をかしげながら前足をセレビィの小さな手の上に乗せる。するとセレビィは今度はクイと顎を引いた。それを見てエンテイは前足を降ろし、もう一方の前足を乗せる。
 にこり、とセレビィは笑った。
「あぁもう、エンテイったら可愛いんだからぁ」
 甘えるような声で言うなり、セレビィはエンテイに頬ずりをする。それでは飽き足らなくなると、今度は何度もついばむようなキスをした。
「セレビィ?」
 声をかけるが、彼女には届いていない。ただ可愛い可愛いと繰り返している。エンテイはなんだかよくわからなかったが、セレビィの機嫌が良いのならそれでいいか、と思いいつまでも彼女の好きなようにさせた。
 良くできた忠犬が、ここに一匹。


 そんな話をセレビィからノロケたっぷりに聞かされたミュウは、ただ今ミュウツーと対峙中だった。やはりなにも言わす、しかし期待を込めた瞳で彼に手を差し出す。
「…………」
 そんなミュウをミュウツーは冷ややかな瞳で見返した。次に、自分に差し出されている小さな手を見る。
「あ……」
 パシ、とミュウツーの太く長い尾がミュウの手を払いのけた。忌々しい、とでも言いたげだ。
「なにをするのさ!」
 ミュウにしてみれば予想外のできごとに、思わず喚く。そんな彼をやはり冷ややかな目で見ながら、ミュウツーはフン、と鼻を鳴らした。
「不快なものを払ってなにが悪い」
 不快とまで言われてしまったミュウは、キッと大きな瞳をつり上げてミュウツーを睨んだ。
「なんで手を乗っけてくれないのさ!エンテイはなにも言わずに乗せてくれたって言ってたのに!」
「ならエンテイ達のところに行ってこい。そして二度と戻ってくるな」
「やだやだー!ミュウツーじゃないとやだー!」
「煩い」
 駄々をこねるミュウにミュウツーは眉間にシワを寄せる。マジうざい。
 宙に浮いたまま四肢をばたつかせている自称父親を見ながら、余計なことを吹き込むなとセレビィに言っておかなくてはいけない、と思った。


END






やっぱりエンテイって犬のイメージです。狛犬てきな。
猫科よりも犬科の生き物に見えます。
ミュウツーの最近のスれっぷりは以上。そろそろお仕置きが必要ですか。

二日遅れですが成瀬様に捧げます。
ミュウツーは私と成瀬様の嫁。

 

 

 

 コピーポケモンであるギャロップが卵を産み、それが無事に孵化をして元気な男のポニータが産まれた。かねてより母親に当たるギャロップと約束していたとおり、ミュウツーはポニータと会った。するとなぜか懐かれてしまい、たびたび彼の遊び相手になっていた。子供を相手にするというのは初めてで戸惑うことも多かったが、普段相手にしているポケモンを思えばはるかに楽しいことだった。ミュウ本人にそのことがばれるまでは。
「浮気だ・・・」
 悲しげな声で、ポツリとミュウが言う。ポニータの遊び相手をしていたミュウツーは、内心でしまった、と思った。この桃色のポケモンがなにをしでかすかわからないから、ポニータと会っていることを隠していたというのに。
 突然現れた知らないポケモンに目を丸くしているポニータをさり気無く自分の後ろに隠しながら、ミュウツーはミュウと対峙する。それが気に入らないのか、ミュウはキッと睨んできた。
「最近一人でこそこそどこかへ行っていると思ったら、そんな子供と浮気してたなんて・・・!」
 浮気もなにも自分達は付き合っていないし、このポニータともそういう関係ではないし。
 ミュウツーはその言葉を飲み込む。言ったら言ったで更に大変なことになりそうだったから。ただなにも言わずに、相手の出方をうかがう。
「そういえばきみが仲良くしていた人間も、幼い女の子だったね」
 アイのことを出され、わずかに緊張する。いったいなにを言うつもりだろうか。
「この幼児好き!ペド野郎!こんなに可愛い僕がいるのに酷いよっ・・・!」
「なっ・・・!?」
 的外れな罵倒に流石に言い返そうとしたが、その前にミュウがこちらに向かって破壊光線を放ってくる。ミュウツーは慌ててバリアーを張った。エネルギーの塊が見えない壁にぶつかり、大きな音を立てて空気を震わせる。びりびりと振動が伝わってきた。
 土煙があがり、それはしばらく視界をさえぎっていた。やがてそれが収まってくると、ミュウツーはバリアーを解除して辺りを見渡す。ポニータも恐る恐る辺りを見渡した。ミュウの姿がなくなっている。不貞腐れてどこかへ行ってしまったのだろう。そう思い、ミュウツーは深いため息をついた。本当に、面倒くさいポケモンだ。
「さ、さっきのなんだったの?いきなりきて、攻撃して、どこかへ行っちゃったけど、ミュウツーの知り合い?」
「気にするな。病気なんだ、あいつは」
「え、どこが?」
「頭のだ」
 ミュウツーは再びため息をつくと、ポニータに別れを告げた。気は進まないが、どこかに行ってしまったミュウを探しにいかなければいけない。他のポケモンに八つ当たりでもしていたらいい迷惑だ。
 ミュウツーは空高く浮かぶと、ミュウの気配を探り始めた。


 一方その頃、当のミュウはセレビィとエンテイのいるウバメの森に来ていた。今はセレビィは時間のはざまに行っているのでこの森にはいない。時折時間のはざまに人間が紛れ込んでくるので、その対応をしなければいけない時があった。
「それでね、ミュウツーなんて酷いんだよ。僕という可愛いパパがいながら、他のポケモンとイチャイチャしてるんだから」
 セレビィがいないのをいいことに、ミュウはエンテイに延々と愚痴を言っていた。基本優しいエンテイは、これ以上ミュウが興奮しないように大人しく時折相槌を打ったり、慰めたりしながら付き合っている。だがしかし、先ほどから彼に首を絞められているような気がしてならない。
 ミュウはエンテイの太い首に腕と長い尾を回して抱きついていた。興奮しているからなのかは知らないが、腕と尾に力が入りすぎている。息苦しくてしょうがなかった。
 話の腰を折って少し力を緩めて欲しいと言っても大丈夫だろうか、とエンテイは思ってしまう。でも彼は本当に悲しんでいて、無意識に力を込めているのだったらここは我慢をするべきだ。そんな考えがぐるぐると頭の中を巡る。
「こんなことになるんだったらもっと厳しく躾ておくべきだった」
 低い声で言うと、一層絞めつける力が強くなる。躾、という言葉を聞いてエンテイは悪寒を覚えた。このポケモンに限って、普通の躾なんてするわけがない。ミュウツーのことを思って、エンテイは内心で合掌した。
 ミュウとセレビィは基本的に似ているとエンテイは思っている。ミュウツーもそう感じていることだろう。しかし決定的な違いがある。セレビィは自分が酷いことをしていると自覚して、それをプレイの一種として楽しんでエンテイを痛めつけるが、ミュウはその自覚がない。自覚がないからブレーキが利かないし、相手のことなど考えない。
 ミュウツーはセレビィが苦手だというが、エンテイはミュウが苦手だった。早くセレビィに帰ってきて欲しいと、内心で切実に願う。
 これ以上経つと本当に絞め殺されそうな気がしてきたため、エンテイはようやく口を開いた。
「ミュウ、一ついいだろうか」
「なに?僕の話を中断させるほど、それは重要な話?」
 大きな瞳がこちらを見据える。その瞳は、人が話してんのに邪魔をするんじゃねぇよ、と言っていた。それに気が付いて一瞬心が折れそうになるが、ここで口ごもっても彼は不機嫌になるだろうからエンテイはなんとか続きを口にする。
「その・・・苦しいから、少し力を緩めて欲しいのだが」
 エンテイの言葉にミュウは驚いたように目を丸くする。なにを言うんだ、とでも言いたげな表情だった。それを見て、やはり力を込めていたのは無意識だったのだろうか、と思ってしまう。ミュウの次の言葉を聞くまでは。
「だってきみ、痛いのや苦しいの好きでしょう?」
 なんという誤解だ、と思った。別に好きなわけではない。ただセレビィのそういうプレイに体が慣れただけだ。しかし言ったところで彼には通じないだろう。彼は人の話を聞くようなタイプではない。そして身の危険を感じずにはいられなかった。
 そろそろ本気で逃げるか、セレビィに助けを求めたくなった。このポケモンの相手は自分では無理だ、と思う。いつも相手をしているミュウツーを尊敬せざるを得ない。
 不意に、ミュウがなにかに気が付いたように耳を小さく動かした。何事かと思っていると、エンテイの大きな体がミュウのエスパーの力で浮き上がる。かと思うと、体が北側を向いた。目の前にソーラービームが迫ってきていた。ミュウが自分を盾にしようとしていることに気が付いた時にはもう遅く、太陽の力を宿したそれがエンテイに直撃した。
「ぐっ・・・!」
 呻き声があがる。エンテイの体はソーラービームの威力に負けて後方に吹っ飛んでしまった。何本もの木々にぶつかりながら、ようやく止まり地面に落ちる。そのまま気を失ってしまった。しっかりとエンテイをクッションにして受身を取り、無傷で生還したミュウはソーラービームが飛んできた方に向かって飛んだ。
「このガキィ!私がいない間になに人のものに手をだしてんのよ!」
 そこにいたのは時間のはざまから戻ってきたセレビィだった。目じりをつり上げ、可愛らしい顔を歪めている。
「しかもあの子をあんなにボロボロにして・・・許さないんだから!」
「いや、どう考えてもああなったのはあんたのせいだよね」
 ただ攻撃を受けたから盾にしただけなのだ。自分に非はないとミュウは主張する。しかしそんな言葉などセレビィの耳には入らなかった。再び攻撃態勢に入る。ミュウもまた、先ほどのことでいらついていたためセレビィの喧嘩を買った。
 こうして、伝説VS伝説の戦いが幕を開けた。


 戦っている小さな二匹のポケモンを見て、ミュウツーはやっぱりこなければ良かったと後悔した。ミュウを見つけたのはいいが、一足来るのが遅かったようだ。このままではウバメの森が消滅しかねないが、このまま帰っちゃおうかな、とか考えてしまう。
 きびすを返そうとした時、ふと視界の端に茶色い獣が映った。ぴくりとも動かないそれに慌てて近寄り、体を揺する。
「おい、大丈夫か?」
 エンテイはかなりダメージを受けているようだった。ミュウに八つ当たりをされたのだとミュウツーは考える。自分は悪くないはずなのだが、なんだかとても申し訳ないことをしてしまった気がした。
「うぅ・・・」
 小さく呻き声をあげ、エンテイが目を覚ます。最初にミュウツーを見て、その次に背後で戦っているミュウとセレビィを見てギョッとしたような表情になった。ふらつきながらも、なんとか体を起こす。
「すまない、あの馬鹿がこんなことをしてしまって」
 ミュウツーが謝罪を口にする。一瞬誰のことだ、と思い、エンテイはすぐに理解した。彼はどうやらミュウのせいで自分がこんなにボロボロになったと思っているらしい。
「いや、この傷は・・・」
「ミュウツー!」
「エンテイ!」
 言い終わる前に、こちらに気が付いた二匹が跳びついてきた。ミュウはミュウツーの首に抱きつくと、その頬に頬擦りやキスを繰り返す。
「僕のこと探してくれたんだね。やっぱりあんな子供より僕がいいよね」
 機嫌が回復しているミュウをスルーしながら、ミュウツーは表情を変えないままセレビィとエンテイに向き直る。どうやらミュウにこのようにベタベタされるのは慣れているらしい。
「坊や、本当にミュウを追ってきたの?」
 セレビィもセレビィでエンテイにベタベタしながら、胡散臭そうに尋ねた。
「ミュウはどうでもいいんだが、他のポケモンに迷惑をかけてると思うと放っておくわけにもいかないだろう」
 フン、とセレビィはつまらなそうに鼻を鳴らす。
「本当に迷惑だわ。エンテイもこの森もボロボロだし」
「すまない・・・」
 なぜ自分が謝らなければいけないのだと思いつつ、ミュウツーはセレビィに謝る。未だにミュウはミュウツーにへばりついていて、そろそろうざくなってきた。
 ミュウをなんとか引き剥がそうとしているミュウツーを面白くなさげに眺めていたセレビィは、やがて口端を引いて笑った。それに気が付いて、ミュウツーは動きを止める。それはミュウがよく見せる笑い方と似ていた。大抵この笑い方の時は、悪いことしか起きない。
「謝られたくらいじゃ、私の気は治まらないわね」
「・・・というと?」
「土下座をしてくれたら許してあげないこともないわ」
 どげざ、という言葉をミュウツーは頭の中で反芻する。土下座というのはあれか、とある島国で最大限の誠意を見せる時に行うポーズか。
「地に額を擦り付けて、哀れみを誘う声で許しを請いなさい」
「セレビィ、流石にそれは言いすぎじゃ・・・。というか、俺の傷はミュウは関係な・・・」
 最後まで言い終わる前に、エンテイの上顎と下顎がくっついて動かなくなってしまう。セレビィもまた、エスパーの力を持っていた。
 なんとか口を開こうとエンテイがもがいている横で、ミュウツーが渾身の力でミュウを自分から引き剥がしてから口を開く。
「どうして私がそこまでする必要がある!?土下座をするならミュウの方だろう!」
「僕が土下座なんてするわけないじゃない」
「そうよ。だから息子のあなたがしなきゃ」
「普通逆だろう!」
 本来ならば父親が息子の尻拭いをしなければいけないのではないのか。というか自分とミュウが親子だというのも面白くないというのに、なにが悲しくて彼のためにこの女王様に土下座をしなければいけないのか。
 ミュウツーはこの状況を楽しんでいるであろう二人を睨む。この場から去ろう、と思った。付き合っていられない。だがテレポートを使おうとした瞬間、ミュウと目が合った。するとこの場から去ろうにも、それができなくなる。やられた、と思った。黒い眼差しを使われてしまった。
「私は絶対に土下座なんてしないからな!」
「じゃあずーっとこの森で私と一緒に暮らしましょうねぇ」
 セレビィの言葉に、エンテイが反応する。鼻先で彼女の肩を突付き、なにかを訴えるようにセレビィを見た。彼の意図を察したセレビィは、喋れるように口を解放してやる。
「ミュウツーが嫌だというのなら、俺が土下座をしよう」
 この場にいる全員の頭にクエスチョンマークが浮かぶ。話の趣旨がずれてきてないかとか、どうして被害者であるエンテイがそんなことをするんだとか、やっぱMなんじゃないかとか、いろいろ考えてしまう。
 だがすぐにセレビィはエンテイの真意に気が付く。先ほど自分はミュウツーに一緒に森で暮らそうと言った。だからエンテイはあのようなことを言ったのだろう。
「エンテイは、私と二人っきりがいいのね」
 蕩けるような笑みでセレビィが言う。
「ミュウツーが土下座をするまで森から出さないと私が言ったから、代わりに自分がすると言ったのね」
 頷くエンテイをセレビィは抱きしめる。ふさふさな毛に顔をうずめた。
「もう、可愛いんだから」
 彼女はすっかりとご機嫌になっていた。それどころかもうすでにミュウとミュウツーの存在を忘れてしまっている。取り残された二匹は軽くデジャヴを感じていた。以前にも、こんなことがあったような気がする。
「おーい、僕達を無視しないでー」
 ミュウが声をかけると、セレビィは振り向いてこちらを見た。まだいたの、という顔をしていた。
「あぁ、もういいわ。一刻も速くこの森から出て行ってちょうだい」
 しっしと、手で動物を追い払うような仕草をする。それを見てミュウは額に青筋を立てた。このわがまま女め、と自分を棚に上げて思う。こういう時は、この鬱憤をミュウツーにぶつけるに限る。
 そう思いミュウはミュウツーを見た。同時に黒い眼差しを解除する。それに気が付いたミュウツーは急いでテレポートで逃げようとした。だが尻尾でがっちりと体をホールドされてしまう。
「帰るよ、ミュウツー。そして土下座もまともにできないきみのために、たっぷりと教えてあげよう」
「おかしい、その理屈はおかしい・・・!」
「煩い!元はといえばきみがポニータなんかと浮気してたせいじゃない」
「浮気もなにもあるか!」
 ミュウツーの言葉も虚しく、ミュウによってずるずると引きずられていく。そんな二匹をすでに意識の隅に追いやっていたセレビィとエンテイは、この後珍しく穏やかな時間を過ごした。


END

 

 


いくらダメージ半減でもエンテイは特防ないんだから手加減してあげて><

そんなわけで成瀬様に捧げます。
改めましてお誕生日おめでとうございました!


会話分主体。
ポケモンということ以外はほとんどオリジナル(映画とか知らないよ)
セレビィはエンテイを調教済み。
友情出演でミュウミュツ。
今は反省している。
そんな感じですが、よろしいですか?
マイ設定のおさらい。セレビィは10代半ばの女の子。ドS。ミュウとは悪友。女王様。エンテイ大好き、むしろ愛してる。それゆえに痛めつけたい。自分が酷いことをしているとわかった上で酷いことをしている。
エンテイは40代後半ぐらい。きっといい体。なので体は丈夫。セレビィにいろいろ酷いことをされるけど、愛情の裏返しだとわかっているから甘やかしちゃう。
基本原型です。年齢は精神年齢ってことで。
純粋にポケモンが好きな方は読まないほうがいいです。では冗談の通じる方はどうぞ。

 

 

 

 

 人間が踏み込めないほどの草木が生い茂る森の中。そのもっとも深い場所に、二匹のポケモンがいた。一匹は炎を操るエンテイ。もう一匹は、そのエンテイの頭の上に乗っている、草木に生命を与えるセレビィ。この生命力溢れる森は、セレビィがいるからに他ならない。
「セレビィ」
 エンテイが頭上にいるセレビィの名を呼んだ。どこかおずおずと言った感じの呼び方に、セレビィはふわりと浮かぶと真正面から相手を見る。
「なぁに、エンテイ。私に願い事?」
 彼の意図を察したセレビィはそう尋ねた。エンテイは滅多にセレビィに自分の願いは言わない。いつもいつも、セレビィの願い、もとい我ままに付き合ってくれている。だからこういうのは珍しい。いったい何事かと、彼の話を聞く気になったセレビィは言葉を促すように、なに、ともう一度尋ねた。
「少しばかり、一人になれる時間が欲しい」
 だがその発言は予想外だったため、セレビィはすっと目を細める。彼女を怒らせたと思って、エンテイはわずかに体を強張らせた。
「私から離れるの?」
「いや、そういうわけじゃない・・・。ただ、このままだとセレビィが危ないから」
「どういうこと?」
 自分の中で熱がたぎっていると、エンテイは言った。溢れるほどの熱量が体の中に溜まって苦しいと。今まではなんとか抑えていたが、そろそろ限界らしい。だから、一度自分の中にある熱を解放させたい。しかしこの森でそんなことをしてしまえば、大惨事は免れない。そんためにも一人で火山付近に行きたいのだという。
 エンテイの説明を聞いて、セレビィはなるほど、と思った。ようは欲求不満なわけだ。そういえば最近やたら彼の元から高い体温が更に上がったように感じていたし、どこか辛そうにしていた。確かにこのまま放っておけば、この森は炎に覆われ塵も残らないだろう。エンテイとは離れたくはないが、この森を消されるのは困る。セレビィの能力ならまたすぐに元の状態に戻せるだろうが、そうなると人間が目をつけるだろう。一瞬にして森が焼かれ、そしてその森が一晩で回復するのだから。人間が調査に来ないはずがない。できることなら、目立ちたくはなかった。
「しょうがないわねぇ」
 渋々、という感じでセレビィは呟いた。
「一週間よ」
 エンテイの頬に手を添えながら、セレビィは言い聞かせるように言った。
「一週間、あなたに時間をあげるから、その間になんとかしなさい。一日でも私に元に戻ってくるのが遅れたら・・・わかってるわね?」
「ありがとう、感謝する」
 言いながらエンテイがセレビィの頬にキスをする。セレビィも自分が手を添えていた場所にキスをした。
「いってらっしゃい」
「あぁ」
 言うが早いか、エンテイはたくましい四肢を動かして駆け出す。一瞬にして、その姿は見えなくなった。ただ太い咆哮が聞こえ、森の草木を震わせている。
 どうせなら咆哮ではなく呻き声が良いのに。
 セレビィは可愛い顔でそんなことを思いながら、エンテイの気配が消えるまでその場を動かなかった。


「と、いうわけで、今日で4日目なの」
 ため息を付きながら、セレビィは目の前にいる二匹のポケモンに言った。
「まさかそんなことを言うために、僕らのところに来たっていうんじゃないだろうね」
 ミュウは半ば呆れ、半ばイラっとしながら尋ねる。
「言うためだけじゃないわ。私の暇潰しの相手になりなさい」
「却下。なんで僕がお前の相手なんか」
「そこにいる坊やでもいいのよ」
「もっと駄目!」
 ミュウとセレビィが睨み合う。美人が怒った時ほど、怖いものはない。ミュウツーはそう思いながら、密かにため息を付いた。ミュウだけでも厄介なのに、更に厄介なポケモンが来た。
 セレビィとは何度か面識があるが、どうも彼女はミュウと性格が似ている気がする。なのでどうしても身構えてしまう。はっきり言ってしまえば苦手なのだ。それに坊やと呼ばれるのも、なんとなく納得がいかない。確かに彼女の方が長い年月を生きているのだろうが、なんというか、見た目的に。
「エンテイに触りたい。あの鬣に顔をうずめたい。大きな肉球をふにふにしてあげたい」
 なんか言っている。これだけ聞いていると変態みたいだ。
「泡を吹いて痙攣するまで毒々を浴びせてやりたい。気絶させるまでメガドレインで体力を奪ってやりたい。その後に悪夢と夢喰いのコンボをかましてあげたい」
 否。ただの変態ではなく、ドSだ。真性の。ミュウツーの背筋に冷たいものが走る。そしてエンテイに同情してしまった。ある意味ミュウツーも、エンテイと似たようなポジションにいるのだが。
 ミュウツーは顔を強張らせたが、ミュウはつまらなそうに話を聞いていた。それから小さく、気持ちの悪いサドだな、と呟く。残念ながら彼は人の振り見て我が振り治せという言葉を知らない。
「ねぇ、坊や」
 いきなり話をふられ、ミュウツーはびくんと体を揺らした。そんな反応を見て、セレビィは唇の端をつり上げて笑う。嫌な予感しかしない。
「・・・なんだ?」
「エンテイが戻ってくるまででいいから、私の玩具にならない?」
 やっぱりそう来たか、とミュウツーは思う。胃がキリキリしてきた。
「それは、はいそうですか、と簡単には言えないな。というか無理だ」
「どうして?体は丈夫そうだし、実際丈夫でしょう?」
「なにを根拠に」
「だって、いっつもミュウに折檻されてるんじゃないの?」
「なっ・・・?!」
 なぜそれを知っている、とは言葉にならなかった。ただ口をあくあくと開閉させながら、なんでもないような顔をしているセレビィを見る。どうして数回しか会ったことのないような彼女が、そんなことを知っているのか。ミュウが言いふらしているのか。しかし彼はそういうタイプではない。謎だ。もしくはただたんに、彼女がミュウの性格をよく理解しているだけだからなのかもしれない。
 セレビィの言葉を聞いたミュウは、嫌そうに少し顔をしかめた。
「人聞きの悪いことを言わないでよ」
「でも事実でしょう。だから坊やを私に貸してちょうだい」
「事実でもそれとこれとは話は別だよ。絶対に駄目だからね」
 否定はしないのか。ミュウツーは内心でツッコミを入れた。
「ねぇ坊や、3日と言わずずっと私のところにいるといいわ。ミュウなんかよりもずっと大事にしてあげるから」
 先ほどの話を聞いていると、そんな言葉は微塵も信じられない。
 セレビィはミュウツーへ手を伸ばした。その瞬間、ミュウがキッと彼女のを睨みつける。
「ミュウツーに触るな、このビッチ!」
「誰がビッチだ、ジャリガキ!」
 互いのシャドーボールが炸裂する。どちらも一切手加減していないのか、威力が半端ない。命の危険を感じたミュウツーは、とっさに光の壁で身を守った。
 力と力がぶつかった衝撃で大地が揺れている。そのおかげで砂埃が舞っていた。しばらくするとようやく視界がクリアになってくる。ミュウツーが目にしたのは、お互いにらみ合っている二匹のポケモンと、衝撃に耐え切れずに吹き飛んでいる木々だった。半径10メートルは先ほどと光景が変わっている。
 どうするんだ、この状況。
 ミュウツーが思っていると、次第に木々が蘇り始めた。見る間に、シャドーボールが炸裂する前の状態に戻っていく。性格はともかく、これがセレビィの力かとミュウツーは感心した。だが問題はまだ残っている。気が立っている二匹を、いったい誰が止めるというのだ。この二匹が本気で戦い始めれば、命が幾つあっても足りない。
 だがしかし、救世主は意外と早くに現れた。
「セレビィ」
 名前を呼ばれ、そちらを振り向く。そしてそこにいたポケモンに、セレビィは目を丸くした。
「エンテイ、どうして・・・?まだ4日目なのに」
 そこにはあと3日後に戻ってくるはずのエンテイがいた。いつもの森にいなかったので、セレビィの気配を探ってここに辿り着いたのだろう。強烈なシャドーボールがいい目印になったわけだ。
 セレビィの問いに、エンテイはどこか恥ずかしそうに小さくうつむく。
「その・・・早くセレビィに会いたかったから。駄目だったか?」
「ううん、全然駄目じゃないわ。おかえりなさい、エンテイ」
「ただいま、セレビィ」
 セレビィがエンテイに近づき、その首に腕を回しながら鬣に顔をうずめる。親密な空気が流れる中、置いてきぼりを喰らったミュウとミュウツーは遠巻きに見守っていた。主に早くどこかに行ってくれないかと思いながら。
「欲求不満は解消した?」
「おかげさまでな」
「なら、今度は私が欲求不満を晴らす番よね。・・・ねぇ、エンテイ?」
 耳元で囁くように、艶を含んだ声色で言う。それがどういう意味なのか痛いほどよくわかっているエンテイは、一度体を震わせた。だがなにも言わず、ただ小さく頷く。ニコリ、とセレビィが可愛らしい笑みを浮かべた。しかし遠巻きに眺めていたミュウツーは、それがどう見ても悪魔の微笑みにしか見えない。丁度ミュウがミュウツーを痛めつける時は、こんな笑みを浮かべていた。
「いい子ね、大好きよ」
 言ってから、セレビィはミュウ達と向き直る。散々惚気っぷりを見せられて、目に見えてミュウの機嫌が悪い。だがそんなことを気にするセレビィではなかった。
「邪魔したわね」
「本当に邪魔以外の何者でもなかったね」
 ミュウの嫌味をセレビィは笑って流す。彼とは裏腹に、これ以上ないほど彼女はご機嫌だった。
「じゃあねぇ、坊や。ミュウが嫌になったらいつでも私のところへいらっしゃい。エンテイと一緒に可愛がってあげるから」
「とっとと帰れっ!」
 ミュウがセレビィに向かって破壊光線を放つ。しかし彼女と、そのすぐ傍にいたエンテイに直撃する前に、二匹はふっと姿を消してしまった。的のなくなった破壊光線は地面にぶつかり、巨大なクレーターを作る。文字通り、セレビィは嵐のように来て嵐のように去っていった。
「もうほんと腹が立つ、あの女!人の目の前でイチャイチャして、その上人のものをとろうなんて・・・!」
 今にも舌打ちせんばかりの勢いで憎々しげにミュウが叫ぶ。
「ミュウツー!」
「・・・なんだ?」
 その場でミュウは両手を広げた。それをミュウツーは若干冷めた目で見やる。
「おいで」
 僕の胸に飛び込んでおいで、ということなのだろう。なんだかんだで、仲のよろしいセレビィとエンテイが羨ましいのだろう。それならば普段からの言動をなんとかしろ、とミュウツーは内心で思う。言っても相手が理解できないというのはわかっているので、わざわざ口には出さない。
「・・・なぜ私の周りにはこんなにも変なポケモンが多いんだ」
 そう嘆きながら、結局ミュウツーはミュウの傍に寄った。


END

 

 


なんだかんだでラブラブ。それがセレエン。
エンテイはMじゃないよ。でもセレビィが大好きだから頑張ってるだけだよ。
ミュウはミュウツーを壊すことがあっても、セレビィはエンテイを壊すことはないんだと思います。ミュウは手加減を知らないけど、セレビィは手加減を知ってるから。
たぶんそこがミュウとセレビィの一番の違いかと。


すみません拍手のお返事は明日で。


なんか電波を受信したような気がしたのでミュウミュツを。
たまには唯一人外の嫁も書かないと(←…)
今回はわりと報われている感じです(当社比で)

 

 

 


「僕は時々、きみの不完全さが羨ましくなる時がある」
 唐突に、ミュウは独り言のように、しかし確かにミュウツーに聞こえるように呟いた。今回は何事かと、ミュウツーは相手を見据える。その目には、若干の驚きが含まれていた。今まで散々、コピーだの出来損ないだのと言われ続けていたので、そんなふうに言われるのは以外だった。だがそうくると逆に、なにかされるのではないかと身構えてしまう。
「珍しいな、お前がそんなことを言うなんて」
 率直な感想だった。常に自分本位で他人の事になどほとんど目をくれないポケモンだというのに。しかも不完全なのが羨ましいときた。普通、誰もが完全を望むものだ。なにも欠けているものがない、それ以上でも以下でもない究極的なもの。そしてそれがミュウだ。
 なにも言わずに、ミュウはふわふわと浮遊しながらミュウツーに近づいてきた。長い尻尾を動かして、ミュウツーの体を撫でる。一瞬、ミュウツーは体を強張らせた。いつかされた、その尻尾で首を絞められた記憶が蘇る。しかしミュウにはそんなつもりはなかったようで、ただゆるゆると尻尾で体を撫で続けた。こんなふうに優しくされるのも稀なので、ミュウツーは逆に戸惑ってしまう。
「どうした」
「きみは、壊しがいがないんだ」
 抑揚のない口調でミュウが言った。
「きみは不完全なのに美しい。でもきっと、壊しても美しいままなんだ」
 なんのことだ、とミュウツーは思う。生み出されてこの方、自分が美しいと思ったことはなかった。どこか人工的な体の作り、決して自然のものではない。性格はともかくとして、その丸みを帯びたフォルムと柔らかい色をしたミュウの方が、ずっと美しく見える。
「私から見れば、お前の方が美しく見えるがな」
 言うと、ミュウは小さく微笑んだ。珍しく、邪気を孕んでいない笑みだ。本当に今日はどうしたのだろうかと、いつもと違いすぎて、そろそろミュウツーは心配になってくる。
「体の調子でも悪いのか?」
「ちょっと、それどういう意味?」
「いや・・・いつもと様子が違うから」
「いつもより優しいって言いたいの?」
 酷いなぁ、とミュウはくすくすと喉を鳴らして笑った。いつもの笑い方だった。しかしすぐに、その笑いも引っ込んでしまう。
「人間は不完全なものに美を感じるそうだよ」
 ミュウの意図が読めずに、ミュウツーは口を出すのをやめてただ彼の言葉を聞いた。
「きっと不完全だからこそ、きみは美しいんだろうね。壊れてしまってもまた、そこに美がある」
 でも、とミュウは続けた。
「完全なものは、あとはもう壊れるしかないんだ。元が完全だっただけに、壊れてしまえばそれでおしまい。見向きもされなくなる」
 ここまできて、ミュウツーはようやく彼の言葉の意味を理解した。
 完全なものの美しさは、完全であるが故なのだ。壊れてしまえば、歪なものにしかならない。歪なものには、誰もが目をそむける。
 ミュウはこの世でただ一つの個体だ。今は珍しいポケモンとして、人間が目を向けている。しかしそうでなくなった場合、この広い世界でそれはどれほどの孤独となるだろうか。周りのものとは明らかに違う存在。押し寄せるのは、孤独感と疎外感。そんなものは気にしないような性格に見える彼も、心のどこかではそれを拒んでいる。
 なにを今更、とミュウツーは思った。
「心配しなくとも・・・」
 そうだ。そんなこと、今更心配することではない。なぜなら、
「お前はもう、とっくの昔に壊れている」
 これ以上ないほど、歪になっている。その性格も、存在も。
「だがお前の傍には、私がいるだろう」
 たとえこれ以上壊れたところで、もうどうということはない。
 ミュウツーの言葉が意外だったのか、ミュウは面食らったような顔をした。しかしすぐに、唇を歪めて笑う。先ほどの笑みとは、まったく異なる笑い方。これでこそ、ミュウツーの知っているミュウだった。
「熱烈な言葉、嬉しいなぁ」
「・・・いつも自分だけを見ろと言っている奴は誰だ」
「もちろん僕だよ。物分りのいい息子を持って、お父さんは幸せ者だね」
「誰が息子だ、誰がお父さんだ」
 ようやく自分が客観的に見て恥ずかしい台詞を言ったということに気が付いたため、ぶっきらぼうに答えながら照れ隠しに顔をそむける。そんなミュウツーの反応に、ミュウは楽しそうにまた喉を鳴らして笑った。体を撫でていた尻尾を動かし、今度は相手の頬に添えてこちらに顔を向かせる。案外すんなりとこちらを向いたミュウツーに、ミュウは幾度もその顔中にキスを落とした。
「可愛い可愛い僕のミュウツー。僕をその瞳に映さなくなったら、その時は殺すよ」
 無邪気な声で、物騒なことを口にする。だが彼はすると言えば、絶対にそうするのだ。
「わかってる」
 いつになく機嫌の良さそうなミュウの好きなようにさせながら、ミュウツーは答える。そして気が付いた。今まで自分はミュウに対する恐怖から、彼の傍にいるのだと思っていた。彼から離れれば酷い折檻が待っていたから。しかし違ったのだ。この時ミュウツーは心底から、ミュウが哀れで仕方がないと思った。世界でたった一匹のポケモン。その完全さゆえに、ほんの少しの歪みで狂ってしまったポケモン。いったい誰がそんな彼の傍にいられるだろうか。彼の狂気に中てられずにいられるだろうか。おそらくミュウツー自身も例外ではない。長くミュウと共にいれば、確実に狂ってくるという確信がある。しかしこの哀れなポケモンを、世界中でただ一人にはしていられなかった。
 きっとミュウが望む限り、自分は彼の傍を離れないのだろう。ミュウが先に完全に狂ってしまうのか、それとも自分が彼の狂気に染まってしまうのか、それはわからない。しかしそれでも良いと思いはじめている自分がいて、この感情はどこからくるのだろうとミュウツーは不思議に思った。


END

 

 

 

初めてまともな扱いを受けているミュウツーを書きました。
ミュウツーはどんな扱いを受けても最終的にはミュウを見捨てないって思ってます。

セレビィ×エンテイとかも書いてみたい今日この頃です。まずは映画を見て予習しなきゃなぁ、って思います。もう完璧オリジナルでもいいんですけどね。
セレビィは私の中では擬人化すると10代半ばの女の子。ミュウに似てアレな性格だけど、ミュウとの決定的な違いは酷いことを酷いとわかってやっている、ということ。つまりSです、ドSです。常にどうやったらエンテイが嫌がるか、苦しむかを考えてそう。でも愛はある。
ミュウは自分が酷いことをしているという自覚なく酷いことをしちゃう子だけど、セレビィは酷いことを酷いとわかった上でしてます。どっちがまともなのか・・・。
エンテイは40代後半ぐらい。擬人化するときっといい体。セレビィにいろいろ酷いことをされるけど、愛情の裏返しだとわかっているから甘やかしちゃう。体が丈夫そうなのでいろいろやっても大丈夫だよ・・・!
以前も書いたけど赤い子+青い子×ダークライもいい(いい加減名前を覚えてあげて!)
この三人はほのぼの要因。ショタとおじいちゃん。ダークライは50代半ばほど。よく赤い子と青い子が喧嘩して、ダークライに怒られる。そしてダークライは毎回厳しく怒ろうとするんだけど、二人に泣きながら謝られて結局ほだされる。
特定のカプはないけどルカリオとルギアも好きです。ルカリオは20代後半、ルギアは40代前半。ちなみにミュウツーは30代半ば。
伝説以外だとキュウコン×ウインディとか、ペルシアン×ウインディとか、リザードン受けとか。
リザードン受けは相手が見つからなくて困る。ヒトカゲは違うんです。ヒトカゲとリザードンはカプじゃなくて親子なんです。


ミュウ×ミュウツーはどうやって略すのが普通なんでしょうか。とりあえずミュウミュツと略してますが・・・。
相変わらずうちのミュウは黒い子のようです。精神的にも肉体的にもミュウはミュウツーを追い詰めていて欲しい。
http://nandemonai000.b.to/sonota/7を読んでおくとうちのミュウがどんな子なのかわかりやすいかもしれません。

 

 

 


 自然豊かな森に溶け込むように広がっている広大な牧場。深夜という時間帯のためか、人間の姿はなく、闇の中にぽつりぽつりとポニータやギャロップの鬣が赤く煌いているのが見える。その中に見慣れない白と紫の色をしたポケモンが混じっていた。一匹のギャロップとなにやら話し込んでいる。
「ここでの生活も、ずいぶんと慣れたようだな」
「えぇ、おかげさまで。居心地がいいぐらいです」
 どこか冷たく感じるミュウツーの低い声色と、ギャロップの柔らかな声色が闇に吸い込まれる。彼ら以外に声を発している者がいないため、やけに大きく響いた。
 彼女はコピーギャロップだった。普通のポケモンと同じように生きようと決心し、森をさまよっている所をこの牧場を経営している人間に拾われたらしい。ミュウツーはたびたび、今夜のように彼女の元を訪れては今どんな生活をしているかだとか、周りのポケモンと上手くいっているかだとかを尋ねていた。
 あの日、多くのコピーポケモン達がミュウツーの元から発っていった。普通のポケモンと同じように生きるために。そして、幸せになるために。無意識のうちとはいえ、自分がコピーなのだと劣等感を感じているミュウツーは気が気ではない。だからこのギャロップだけでなく、居場所のわかっているコピーポケモン達とは時折会って話をしていた。今のところ、どのコピーポケモンも上手くやっているようである。
「コピーもオリジナルも、なにも変わりはないんですね」
 静かな声でギャロップが言う。その表情は、なにかに深く感動しているようだった。
「普通に自然の中で生きたり、私のように人間と共にいたり。そしてなにより、コピーである私も、子供を授かることが出来た。私はコピーだけど、新しい命を生みだせるんです」
 突然の告白に驚いて、ミュウツーは彼女の腹を見る。そういえば、以前会った時よりも腹が丸みを帯びている気がする。生まれる前からずっと人工的な液体の中で生かされていたミュウツーにとって、彼女の腹の中にもう一つの命があるというのは、なにかとても不思議な感じがした。
 視線を外さないミュウツーを見ながら、ギャロップはふわりと笑う。それはすでに、母親の慈愛の込められたものだった。
「子供が産まれたら、ぜひ見に来てくださいね。私の生に大きく関わった方の顔を、子供にも見せたいのです」
「わかった、約束しよう」
 ようやくギャロップの腹から目を離しながら、ミュウツーは噛みしめるように言った。
 どんどんとコピーポケモン達が自分から離れていくように感じる。それは喜ばしいことだ。コピーもオリジナルも変わりはないという証拠なのだから。しかし目の前にいるギャロップを含め、自らが生み出したコピーポケモン達が離れていくというのは、どこか寂しい気もする。これがエゴだというのはわかってる。いい加減、子離れをしなければいけないと思う。
「あなたの手によって生み出されたポケモンは、みな幸せに生きています」
 ミュウツーの思考をこちらに引き戻すように、ギャロップは言う。その声は、どこか切実だった。
「だからもう、あなたも幸せになってもいいんです。いいえ、幸せになってください。それだけが、今の私と、全てのコピーポケモン達の願いです」
 一匹の小さくて白いポケモンがミュウツーの脳裏に浮かぶ。考えただけで、胃の辺りが重くなるように感じた。愛くるしい姿をした、ミュウツーがこの世で唯一恐れているポケモン。
「それは・・・無理だ」
 どうしてそんな言葉が出てくるのか知っているギャロップは、悲しげに目を伏せると、それ以上はなにも言わなかった。

 

 雲よりも高い所を飛行していた。さえぎるものがなにもないため、月の柔らかい光が煌々とミュウツーを照らしている。
 やがて目的のポケモンの背中を見つけると、ぴたりと止まった。相手はこちらに気が付いているのかいないのかは知らないが、雲の上に座りながら月を眺めている。今夜は満月よりも微妙に欠けている月、居待月だった。
「満月もいいけど、僕はこんな歪な形をした月も好きだよ」
 独り言のように、しかしミュウツーに聞こえるぐらいの声の大きさでミュウは言った。
「だって、きみみたいに出来損ないみたいだから」
 振り向きざまに言う。その表情はどこか楽しげだ。ミュウツーはなにも言わずに、ただ奥歯を噛みしめる。
 ミュウはいつだって、こちらが傷付く言葉を選んでくる。自分がミュウのコピーだと知らしめるように。気にしなければいいというのはわかってる。コピーもオリジナルもみな生きていて、なにも変わりはないのだと知っている。しかし昔から心の底に根強くある劣等感のせいで、一々ミュウの言葉に傷付いてしまうのが嫌だった。
「僕、そんなきみの傷付いた顔大好き。もっと虐めてやろう、って思うよ」
 ミュウツーの真正面に浮かびながら楽しげな声で言う。月の逆光のせいで表情はわからないが、その顔は笑っていることだろう。
「私はお前なんか、嫌いだ」
「別にそれでもいいよ。誰もきみの意見なんて聞いてないもの」
 まったくもって、その通りだった。彼はいつだってミュウツーの意見など聞かずにやりたいようにやっている。その上ミュウツーを自分の所有物かなにかだと思っているから性質が悪い。自分が甘えたい時は子供のように甘えてきたり、逆にそれこそ父親のように可愛がってくれる。しかし機嫌の悪い時や、ミュウツーがなにか気に入らないことをすればたちまち性格が豹変してしまう。何度、殺されるかもしれないと思ったことだろう。
 そんな彼が、心底から嫌いだとミュウツーは思う。ミュウがいる限り、自分に自由は訪れないし、劣等感も消えない。
 逃げれば彼は追ってくるだろう。そして酷く怒るはずだ。自分の所有物が勝手にいなくなろうとしたのだから。だから逃げることも出来ない。彼が自分に飽きるか、自分が彼が殺すか。その二つしか、道はないように思える。
「出来もしないことを考えるのはやめておきなよ」
 言われ、ミュウツーはハッとして意識をミュウの方へ向ける。嘲るような笑みで、彼はこちらを見ていた。考えていることを読まれていたらしい。そんなことは日常茶飯事なのでもう驚かない。ただ一つ思うことは、いったい誰がこんな凶悪な奴に数多くの能力を与えたのだろうということだけだ。
「僕はこう見えてずいぶんと情が深い方だ。一度気に入ったら、絶対にそれを手放さない」
「・・・・・・」
「それに、僕から作られたきみが、僕に敵うわけないでしょ?僕の劣化品のきみが」
 思わずミュウを睨みつける。だがそんなことは無意味だと知っているため、ミュウツーは目を伏せると疲れたようにため息を付いた。
「そんな劣化品の私に執着しているお前はなんなんだ。なにがお前をそうさせる」
 相手の方を見ながら尋ねると、ミュウはしばらく考えるように沈黙する。そして、可愛らしい笑みを見せた。
「変人だから、かな」
 答えを聞いて、ミュウツーは安堵する。ここで親子だからとか言われたら、ぞっとするところだった。こんな歪んだ形の親子愛が、あっていいはずがない。
 ミュウがくつくつとおかしそうに喉を鳴らして笑う。またミュウツーの考えを読んだようだった。しかし結局なにも言わずに、浮遊したまま動き出す。その後ろを、やはりなにも言わずにミュウツーが続いた。
 いつまで彼とこんな関係が続くのだろうと考えるのはもうやめた。きっと、いつまでも続くのだから。ミュウツーの作ったコピーポケモン達はもう完全に自分の道を歩み、オリジナルとなっている。しかし自分はいつまでもコピーのままなのだろう。柔らかく月の光に照らされているミュウの背中を見つめながら、ミュウツーはそう思った。

 


END

 

 


映画とか見てるとミュウツーって物凄く自分がコピーだ、っていう劣等感が強そうに思えます。そんな劣等感の塊なミュウツーが大好きです。
でもミュウツーとミュウの関係は初代派です。初代のミュウツーは正真正銘ミュウの子供。卵産んだからミュウって雌なんじゃ、とか言っちゃ駄目です。
ミュウはなんでも出来る子(技的にも)
やろうと思えばたまごうみも朝飯前。

書く(描く)機会はないけど、一応私の中ではミュウツーを擬人化させたらマ王のグウェンみたいな美丈夫なイメージです。
ミュウは普通にお子様。10歳ぐらい。
 


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1月14日生まれの新潟県民。

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