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おっさんと人外を中心によろずっぽく。凄くフリーダム。
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会話分主体。
ポケモンということ以外はほとんどオリジナル(映画とか知らないよ)
セレビィはエンテイを調教済み。
友情出演でミュウミュツ。
今は反省している。
そんな感じですが、よろしいですか?
マイ設定のおさらい。セレビィは10代半ばの女の子。ドS。ミュウとは悪友。女王様。エンテイ大好き、むしろ愛してる。それゆえに痛めつけたい。自分が酷いことをしているとわかった上で酷いことをしている。
エンテイは40代後半ぐらい。きっといい体。なので体は丈夫。セレビィにいろいろ酷いことをされるけど、愛情の裏返しだとわかっているから甘やかしちゃう。
基本原型です。年齢は精神年齢ってことで。
純粋にポケモンが好きな方は読まないほうがいいです。では冗談の通じる方はどうぞ。

 

 

 

 

 人間が踏み込めないほどの草木が生い茂る森の中。そのもっとも深い場所に、二匹のポケモンがいた。一匹は炎を操るエンテイ。もう一匹は、そのエンテイの頭の上に乗っている、草木に生命を与えるセレビィ。この生命力溢れる森は、セレビィがいるからに他ならない。
「セレビィ」
 エンテイが頭上にいるセレビィの名を呼んだ。どこかおずおずと言った感じの呼び方に、セレビィはふわりと浮かぶと真正面から相手を見る。
「なぁに、エンテイ。私に願い事?」
 彼の意図を察したセレビィはそう尋ねた。エンテイは滅多にセレビィに自分の願いは言わない。いつもいつも、セレビィの願い、もとい我ままに付き合ってくれている。だからこういうのは珍しい。いったい何事かと、彼の話を聞く気になったセレビィは言葉を促すように、なに、ともう一度尋ねた。
「少しばかり、一人になれる時間が欲しい」
 だがその発言は予想外だったため、セレビィはすっと目を細める。彼女を怒らせたと思って、エンテイはわずかに体を強張らせた。
「私から離れるの?」
「いや、そういうわけじゃない・・・。ただ、このままだとセレビィが危ないから」
「どういうこと?」
 自分の中で熱がたぎっていると、エンテイは言った。溢れるほどの熱量が体の中に溜まって苦しいと。今まではなんとか抑えていたが、そろそろ限界らしい。だから、一度自分の中にある熱を解放させたい。しかしこの森でそんなことをしてしまえば、大惨事は免れない。そんためにも一人で火山付近に行きたいのだという。
 エンテイの説明を聞いて、セレビィはなるほど、と思った。ようは欲求不満なわけだ。そういえば最近やたら彼の元から高い体温が更に上がったように感じていたし、どこか辛そうにしていた。確かにこのまま放っておけば、この森は炎に覆われ塵も残らないだろう。エンテイとは離れたくはないが、この森を消されるのは困る。セレビィの能力ならまたすぐに元の状態に戻せるだろうが、そうなると人間が目をつけるだろう。一瞬にして森が焼かれ、そしてその森が一晩で回復するのだから。人間が調査に来ないはずがない。できることなら、目立ちたくはなかった。
「しょうがないわねぇ」
 渋々、という感じでセレビィは呟いた。
「一週間よ」
 エンテイの頬に手を添えながら、セレビィは言い聞かせるように言った。
「一週間、あなたに時間をあげるから、その間になんとかしなさい。一日でも私に元に戻ってくるのが遅れたら・・・わかってるわね?」
「ありがとう、感謝する」
 言いながらエンテイがセレビィの頬にキスをする。セレビィも自分が手を添えていた場所にキスをした。
「いってらっしゃい」
「あぁ」
 言うが早いか、エンテイはたくましい四肢を動かして駆け出す。一瞬にして、その姿は見えなくなった。ただ太い咆哮が聞こえ、森の草木を震わせている。
 どうせなら咆哮ではなく呻き声が良いのに。
 セレビィは可愛い顔でそんなことを思いながら、エンテイの気配が消えるまでその場を動かなかった。


「と、いうわけで、今日で4日目なの」
 ため息を付きながら、セレビィは目の前にいる二匹のポケモンに言った。
「まさかそんなことを言うために、僕らのところに来たっていうんじゃないだろうね」
 ミュウは半ば呆れ、半ばイラっとしながら尋ねる。
「言うためだけじゃないわ。私の暇潰しの相手になりなさい」
「却下。なんで僕がお前の相手なんか」
「そこにいる坊やでもいいのよ」
「もっと駄目!」
 ミュウとセレビィが睨み合う。美人が怒った時ほど、怖いものはない。ミュウツーはそう思いながら、密かにため息を付いた。ミュウだけでも厄介なのに、更に厄介なポケモンが来た。
 セレビィとは何度か面識があるが、どうも彼女はミュウと性格が似ている気がする。なのでどうしても身構えてしまう。はっきり言ってしまえば苦手なのだ。それに坊やと呼ばれるのも、なんとなく納得がいかない。確かに彼女の方が長い年月を生きているのだろうが、なんというか、見た目的に。
「エンテイに触りたい。あの鬣に顔をうずめたい。大きな肉球をふにふにしてあげたい」
 なんか言っている。これだけ聞いていると変態みたいだ。
「泡を吹いて痙攣するまで毒々を浴びせてやりたい。気絶させるまでメガドレインで体力を奪ってやりたい。その後に悪夢と夢喰いのコンボをかましてあげたい」
 否。ただの変態ではなく、ドSだ。真性の。ミュウツーの背筋に冷たいものが走る。そしてエンテイに同情してしまった。ある意味ミュウツーも、エンテイと似たようなポジションにいるのだが。
 ミュウツーは顔を強張らせたが、ミュウはつまらなそうに話を聞いていた。それから小さく、気持ちの悪いサドだな、と呟く。残念ながら彼は人の振り見て我が振り治せという言葉を知らない。
「ねぇ、坊や」
 いきなり話をふられ、ミュウツーはびくんと体を揺らした。そんな反応を見て、セレビィは唇の端をつり上げて笑う。嫌な予感しかしない。
「・・・なんだ?」
「エンテイが戻ってくるまででいいから、私の玩具にならない?」
 やっぱりそう来たか、とミュウツーは思う。胃がキリキリしてきた。
「それは、はいそうですか、と簡単には言えないな。というか無理だ」
「どうして?体は丈夫そうだし、実際丈夫でしょう?」
「なにを根拠に」
「だって、いっつもミュウに折檻されてるんじゃないの?」
「なっ・・・?!」
 なぜそれを知っている、とは言葉にならなかった。ただ口をあくあくと開閉させながら、なんでもないような顔をしているセレビィを見る。どうして数回しか会ったことのないような彼女が、そんなことを知っているのか。ミュウが言いふらしているのか。しかし彼はそういうタイプではない。謎だ。もしくはただたんに、彼女がミュウの性格をよく理解しているだけだからなのかもしれない。
 セレビィの言葉を聞いたミュウは、嫌そうに少し顔をしかめた。
「人聞きの悪いことを言わないでよ」
「でも事実でしょう。だから坊やを私に貸してちょうだい」
「事実でもそれとこれとは話は別だよ。絶対に駄目だからね」
 否定はしないのか。ミュウツーは内心でツッコミを入れた。
「ねぇ坊や、3日と言わずずっと私のところにいるといいわ。ミュウなんかよりもずっと大事にしてあげるから」
 先ほどの話を聞いていると、そんな言葉は微塵も信じられない。
 セレビィはミュウツーへ手を伸ばした。その瞬間、ミュウがキッと彼女のを睨みつける。
「ミュウツーに触るな、このビッチ!」
「誰がビッチだ、ジャリガキ!」
 互いのシャドーボールが炸裂する。どちらも一切手加減していないのか、威力が半端ない。命の危険を感じたミュウツーは、とっさに光の壁で身を守った。
 力と力がぶつかった衝撃で大地が揺れている。そのおかげで砂埃が舞っていた。しばらくするとようやく視界がクリアになってくる。ミュウツーが目にしたのは、お互いにらみ合っている二匹のポケモンと、衝撃に耐え切れずに吹き飛んでいる木々だった。半径10メートルは先ほどと光景が変わっている。
 どうするんだ、この状況。
 ミュウツーが思っていると、次第に木々が蘇り始めた。見る間に、シャドーボールが炸裂する前の状態に戻っていく。性格はともかく、これがセレビィの力かとミュウツーは感心した。だが問題はまだ残っている。気が立っている二匹を、いったい誰が止めるというのだ。この二匹が本気で戦い始めれば、命が幾つあっても足りない。
 だがしかし、救世主は意外と早くに現れた。
「セレビィ」
 名前を呼ばれ、そちらを振り向く。そしてそこにいたポケモンに、セレビィは目を丸くした。
「エンテイ、どうして・・・?まだ4日目なのに」
 そこにはあと3日後に戻ってくるはずのエンテイがいた。いつもの森にいなかったので、セレビィの気配を探ってここに辿り着いたのだろう。強烈なシャドーボールがいい目印になったわけだ。
 セレビィの問いに、エンテイはどこか恥ずかしそうに小さくうつむく。
「その・・・早くセレビィに会いたかったから。駄目だったか?」
「ううん、全然駄目じゃないわ。おかえりなさい、エンテイ」
「ただいま、セレビィ」
 セレビィがエンテイに近づき、その首に腕を回しながら鬣に顔をうずめる。親密な空気が流れる中、置いてきぼりを喰らったミュウとミュウツーは遠巻きに見守っていた。主に早くどこかに行ってくれないかと思いながら。
「欲求不満は解消した?」
「おかげさまでな」
「なら、今度は私が欲求不満を晴らす番よね。・・・ねぇ、エンテイ?」
 耳元で囁くように、艶を含んだ声色で言う。それがどういう意味なのか痛いほどよくわかっているエンテイは、一度体を震わせた。だがなにも言わず、ただ小さく頷く。ニコリ、とセレビィが可愛らしい笑みを浮かべた。しかし遠巻きに眺めていたミュウツーは、それがどう見ても悪魔の微笑みにしか見えない。丁度ミュウがミュウツーを痛めつける時は、こんな笑みを浮かべていた。
「いい子ね、大好きよ」
 言ってから、セレビィはミュウ達と向き直る。散々惚気っぷりを見せられて、目に見えてミュウの機嫌が悪い。だがそんなことを気にするセレビィではなかった。
「邪魔したわね」
「本当に邪魔以外の何者でもなかったね」
 ミュウの嫌味をセレビィは笑って流す。彼とは裏腹に、これ以上ないほど彼女はご機嫌だった。
「じゃあねぇ、坊や。ミュウが嫌になったらいつでも私のところへいらっしゃい。エンテイと一緒に可愛がってあげるから」
「とっとと帰れっ!」
 ミュウがセレビィに向かって破壊光線を放つ。しかし彼女と、そのすぐ傍にいたエンテイに直撃する前に、二匹はふっと姿を消してしまった。的のなくなった破壊光線は地面にぶつかり、巨大なクレーターを作る。文字通り、セレビィは嵐のように来て嵐のように去っていった。
「もうほんと腹が立つ、あの女!人の目の前でイチャイチャして、その上人のものをとろうなんて・・・!」
 今にも舌打ちせんばかりの勢いで憎々しげにミュウが叫ぶ。
「ミュウツー!」
「・・・なんだ?」
 その場でミュウは両手を広げた。それをミュウツーは若干冷めた目で見やる。
「おいで」
 僕の胸に飛び込んでおいで、ということなのだろう。なんだかんだで、仲のよろしいセレビィとエンテイが羨ましいのだろう。それならば普段からの言動をなんとかしろ、とミュウツーは内心で思う。言っても相手が理解できないというのはわかっているので、わざわざ口には出さない。
「・・・なぜ私の周りにはこんなにも変なポケモンが多いんだ」
 そう嘆きながら、結局ミュウツーはミュウの傍に寄った。


END

 

 


なんだかんだでラブラブ。それがセレエン。
エンテイはMじゃないよ。でもセレビィが大好きだから頑張ってるだけだよ。
ミュウはミュウツーを壊すことがあっても、セレビィはエンテイを壊すことはないんだと思います。ミュウは手加減を知らないけど、セレビィは手加減を知ってるから。
たぶんそこがミュウとセレビィの一番の違いかと。


すみません拍手のお返事は明日で。

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HN:
シノハ
性別:
女性
自己紹介:
1月14日生まれの新潟県民。

ジョジョラーでケモナーでおっさん&おじいちゃんスキーでSHK国民。
最近はfkmt作品に手を出してます。
乙一作品と三原ミツカズ作品と藤田和日郎作品も好き。
節操なしの浮気性です。
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