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ラタのラタモードエミルとリーガルで短い話。エミルとマルタの仲違いのあたりです。
ラタモードエミルは不器用なだけで良い子なのにねー。ツンデレなだけなのにねー。
「エミル、ちょっといいか」
リーガルに呼び止められ、エミルはそちらを向いた。手招きをしている。こちらに来いということなのだろう。エミルが近づくと、リーガルは背を向けて歩き出した。それに付いていくと、しいなやマルタ達とはどんどんと離れていく。
やがて、完全に二人の気配しかしなくなったところで、リーガルは立ち止まった。そしてエミルと向き直る。
「なんだよ、こんなところで。用件なら早く済ませろよな」
マルタとの件があるので、いつも以上にその口調は冷たい。そんな彼に、リーガルは腕を伸ばした。とっさにエミルは身構える。だが予想に反して、リーガルの手は優しくエミルの頭の上に乗せられた。子供を安心させるように、優しく頭を撫でる。
「思いが伝わらないのは、辛いな」
まるでリーガルの方が傷付いているような声色だった。見れば、やはり傷付いたような表情をしている。
「な、なんだよ・・・!」
威嚇するようにエミルが声を上げる。しかし彼の手が振り払えなかった。自分がマルタのことを思っているように、リーガルが自分のことを思ってくれているとわかったから。
「先ほども言ったとおり、これはお前達二人の問題だから私は口を出さないが、それでも無理はするな」
「べ、別に無理なんて・・・」
「私は、エミルが頑張ってるのも、たくさん傷付いているのも知っているから」
ただ不器用で、素直になれないだけで、本心が他人に伝わりづらい。そのたびに今のこの、ラタトスクモードと呼ばれているエミルは傷付いている。だけどそれを相手に悟らせないように虚勢を張るから、見ていてとても痛々しい。
「もう少し、誰かに弱いところを見せてもいいと、私は思う」
優しいリーガルの言葉に、エミルはぎゅっと唇を噛み締めた。だがこらえきれない涙が頬をつたう。
「ごめん・・・今だけ、今だけだから・・・」
エミルはそう言いながら、リーガルに抱きついて彼の胸に顔をうずめる。声も出さずに、静かに嗚咽を漏らしながらエミルは泣いた。優しく背中を撫でてくれる彼の手がとても気持ちいい。もう一人のエミルではなく、自分をちゃんと見てくれる人間がいたことがただただ嬉しくて、とても安心した。
「もう大丈夫か?」
泣きやんだエミルに、リーガルは尋ねる。すると相手は小さく頷いた。わずかに目元が腫れているが、よく見なければわからないのでマルタ達にエミルが泣いていたとわかることはないだろう。
「それならしいな達のところへ戻るか。なにも言わずに離れたから、きっと心配している」
リーガルは元来た道を歩き出す。そんな彼を、エミルは呼び止めた。
「お、おい・・・」
「どうした?」
リーガルが振り返る。すると、エミルはふいと彼から視線を外した。その顔は若干赤くなっている。
「そ、その・・・ありがとう」
最後の方は消え入るような小さな声だった。しかしちゃんとリーガルの耳に入り、まさか礼を言われるとは思わなかったのでわずかに驚く。だがすぐに、小さく微笑んだ。
「どういたしまして」
そんな彼の表情を見て、エミルは更に顔を赤くさせた。どういうわけかは知らないが、動悸が早くなる。男相手になにを照れているんだ、と自分に言い聞かせたが、動悸は治まらない。
「エミル?」
固まっているエミルに、リーガルは近づいてきた。どうかしたのかと、心配そうに顔を覗きこむ。
「なんでもないっ!戻るぞ!」
照れ隠しに、エミルは声を荒げた。リーガルは不思議そうに首をかしげる。だが、なんとなく彼が元気になったのがわかったので、まぁいいかと思いながら、エミルと並んでみんなのいる場所へ戻った。
END
会長の半分以上は優しさと愛でできています。もう会長に「みんなのお母さん」とかいう称号があってもいいと思います。
ラタの会長は喋り方が本当に優しげで好きだ。惚れる。もう惚れてるけど惚れ直す。
フェンリルと会長が仲良くしてるの書きたい。でも書けない。あああ・・・orz
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