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荒木荘ネタです。もうやりたい放題。
吉良もボスも受けっ子なのでこの二人はカプにはならないなぁ、と思いました。
吉良受けが書きたいけど相手がみつかりません。荒木荘だとディエゴ辺りかな・・・。でもディエゴの性格がわからん。

 

 


 17時ぴったりに出社した吉良は時折、買い物をしてからアパートへと帰る。それは自分のためだけの買い物だったり、今夜の夕食はなににしようかと考えながら食材を買ったり。まるきり主夫だ。なぜ自分がこんなことをしなくてはいけないのだとよく思うが、そうでなければ食事を作る人間がドッピオしかいなくなってしまう。昼間は家事も彼に任せているため、食事まで作らせるというのは気がひける。
 あの引きこもり共が少しでも家事を手伝ってくれたらいいのに、と思いながら、今日はアパートに向かって真直ぐと足を向ける。しかし、あるものを見つけて目が止まった。そしてしばらく考えてから、その目に止まったものを買った。
「お帰りなさい、吉良さん。今日もお疲れ様でした」
 玄関を開けると、ドッピオが出迎えてくれた。それに挨拶を返しながら、ちょうどいい、と思う。
「いきなりで悪いんだが、ディアボロと変わってくれないか?」
「ボスですか?ちょっと待ってくださいね・・・」
 言ってから、ドッピオはズボンのポケットから携帯電話を取り出す。そして自分で発信音を言ったかと思うと、ディアボロと会話をし始めた。いつ見ても、シュールな絵だと思う。しかしこれは、今の人格がドッピオだからまだ可愛げがある。ディアボロの姿でやられると、殺意すら覚える時があった。
 電話を切ると、申し訳なさそうな顔でドッピオが吉良を見る。
「すみません。なんかボスが、『まだ私の時間じゃない』、とか言って、拒否してます」
 あの引きこもりが。うっすらと額に青筋を立てながら、先ほど買ってきて紙袋に入れられたそれをぐしゃりと握る。そして、落ち着け、と自分に言い聞かせた。怒るな。平穏に、ことを運ぶんだ。
「・・・残念だな。ディアボロに土産があるというのに」
「そういうことは先に言え」
 いきなり、少年の口から似つかわしくない低い声が聞こえたかと思うと、相手は上着を脱いだ。土産の一言であっさりと出てきたディアボロを目の当たりにして、吉良は今度こそはっきりと額に青筋を立てる。やっぱ腹立つ。人が昼間にさんざん働いているというのに、この引きこもりが偉そうにしやがって。一発ぐらい殴っても大丈夫だろう。むしろ、殴らせてくれ。
 そう思い、スタンドを発現させる。相手がなにか反応を示す前に、キラー・クイーンで彼の顔面を殴った。綺麗にヒットしたせいか、ディアボロの体は宙を舞い、そしてどさりと地面に落ちる。そのまま、動かなくなってしまった。
 まさかまた死んだのかと思いながら、レクイエムのせいで死にやすい体質(?)となっている彼に近づく。彼の横にしゃがむと、こちらに顔が見えるようにさせた。
「いきなりなにをするだァーッ!」
 ぼたぼたと鼻から血を流しながらディアボロが怒鳴る。珍しく、生きていた。普段はすぐに死ぬくせに。もう少し強く殴っても大丈夫だっただろうかと思いながら、吉良は胸ポケットからハンカチを取り出した。
「すまないな。急に、お前に対して腹が立って。それよりも土産だが・・・」
 乱雑にディアボロの鼻を拭ってやって、そのまま血がついたハンカチは彼に渡す。人の血が付いたハンカチなど、もう自分が使用する気にはなれなかった。
 紙袋の中に手を入れ、がさがさと漁る。ディアボロはそれを見ながら、上半身だけを起こした。
「会社の帰りに、いい物を見つけたんだ。お前はいつも寒そうな格好をしているから、どうかと思って」
 言いながら取り出したのは、薄い黄色の毛糸で編まれ、中央に下地よりも濃い黄色のアヒルが刺繍された腹巻だった。ちなみにくちばし部分は赤だ。
 それを見て、今度はディアボロがスタンドを発現させる。吉良に殴りかかろうとしたが、その前に相手のスタンドで拳を弾かれた。
「貴様!こんなもののために私は殴られたというのか!」
「こんなものとはなんだ。私はお前が寒いだろうと思って、わざわざ買ってきてやったんだぞ。貴様、腹巻の暖かさを知らんのか?」
「嘘だ!どうせアヒルさんが刺繍されてたから買ってきただけだろう。でも自分で使用するのが恥ずかしいから、私に着させる気なんだ」
 確信を突かれて、吉良は小さく舌打ちをする。頭だけはよく切れるから、本当に腹が立つ。しかしここは、アヒルを愛でるためになんとか彼をその気にさせなければいけなかった。
 一度息を吐き、自分を落ち着かせる。
「仮にそうだとしても、これは私の優しさだ。そんな寒そうな格好をして、風邪を引いたらどうする?」
「私に腹巻を勧める前に、カーズに勧めたらどうなんだ?褌一つで歩き回っているじゃないか」
「知っていると思うが、あいつは品性の欠片もないラッコ派だ。あいつにアヒルさんの腹巻をさせることは、全てのアヒルさんを侮辱したことになる」
「意味がわからん」
 急に力説され、ディアボロは鬱陶しげに言葉を返す。その反応に吉良は一度ムッとしたような顔をしたが、やがて気を取り直すように咳払いをした。
「まぁ、お前が風邪を引きたいというのなら私は止めはしないさ。しかし、ドッピオはどうなる?朝から晩までヒキニート達のために家事をしてくれているというのに、その上風邪まで引いてしまったら可哀想じゃないか」
「それは・・・」
 彼の言うことが正論なので、ディアボロは口ごもる。追い討ちとばかりに、吉良は紙袋からもう一つ腹巻を取り出した。柄は同じだが、サイズが最初に出されたものよりも若干小さめだ。
「ディアボロとドッピオではサイズが合わないと思って、この通り二つ買ってきてやった。お揃いだぞ?」
「くっ・・・しょうがない。いいか、ドッピオのためにしょうがなく、その恥ずかしいものを身に着けるんだからな」
 言いながら、ディアボロは吉良の手から奪うようにしてアヒルさん腹巻を取る。その後、結局なんだかんだでとても暖かいと、なにげにアヒルさん腹巻を重宝しているディアボロとドッピオがいた。

 


END

 

 

荒木荘の吉良はアヒルさん派。カーズ様はラッコちゃん派なんだそうです。
アヒルさん腹巻をしているボスとか超見たい。

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