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せっかく猫の日なので久しぶりにボス猫話。過去のはhttp://nandemonai000.b.to/jogio0/の辺りから。
変態が生息しているのでいろんな意味で注意。一応メロディア表記にしてますが、リゾディアとメロリゾ表現もあります。

 

 

 

 リゾットを起こそうと彼の自室へ足を踏み入れてみれば、そこにはシングルサイズのベッドと、狭そうに身を寄せあって眠っている成人男性二人がいた。しかも片方は全裸だ。寒いのか、リゾットの方に体を寄せながら、ぐっすりと眠っている。訪問者がきたというのに、二人とも起きる気配がない。
「据え膳・・・て、やつかな」
 ポツリと小さく、それこそ吐息みたいな声で呟く。事実、こんな光景を見ればその言葉以外は浮かんでこなかった。メローネ好みの男が二人、目の前で無防備に眠っているのだ。この状況を他になんと形容できるだろうか。
 足音と気配を消しながら、ゆっくりとベッドの方へ近づく。寝顔を覗き込めば、男はずいぶんと整った顔をしていた。リゾットとはまた別のタイプの美人さんだ。どうも、自分の周りにはいい男が多いように思える。しかも様々な種類のだ。きっと日頃のおこないが良いせいだろう。なんて、みんなの前で言ったら怒られるんだろうけど。まぁそんな怒った顔も好きなのだが。思い出すと、笑いが込み上げてくる。なんとか喉で小さく笑うぐらいにとどめてから、もう一度、男の方を見た。
 その斑模様のある長い髪を指先で軽く梳く。やはり自分の考えは当たっていたのだと、その髪に触れながら思った。昨日、この家にやってきた猫の毛色と同じ色と模様をした髪。まぎれもなく、この男があの時の猫だ。名前はそう、ディアボロ。悪魔という名の美しい男。昔、本で悪魔は人を誘惑するために美しい容姿を持っている、というのを読んだことがある。あながち嘘ではないようだ。
 人間が猫に姿を変えたという事実を、簡単に受け止める。普通の人間なら非現実的なことであっても、この世にスタンドというものが存在するということを知っているから、ありえないことではないと断言できる。イルーゾォのように鏡の中を自由に行き来できたり、またメローネ自身のようにまったく新しい生命を造り出すスタンドもある。そう考えれば、人を猫に変えるという能力は可愛いもののように思えた。もちろん、猫になってしまった本人は、たまったものではないだろうが。
 大方、スタンド攻撃をされたディアボロを保護して、またはかくまうつもりでリゾットは彼をこの家につれてきたのだろう。そう考えると二人の関係がどういったものなのか、不躾にも考えてしまう。片やスタンド攻撃をされて相手に自分をかくまうようにと頼んだであろう方。片やそれを受け入れて、暗殺者の集まる家に招き入れた方。どう考えても、それはお互いにお互いをよく知っているからできることだ。そうでなければ、暗殺者は自らの家に他人を招待しないだろう。ましてや用心深いリゾットだ。ちょっとやそっとじゃ、人を家には招かない。むしろ、今までリゾットが家に誰かをつれてきたなどということはなかった。そう考えると、リゾットはディアボロに入れ込んでいるということになる。
「羨ましいな」
 どちらも。自分もその中に入れてほしいぐらいだ、とメローネは思う。
 でも今は、目の前に横たわっている据え膳をいただくことにする。据え膳食わぬは男の恥じ、という言葉があるのは、どこの国だったか。まったくもって、そのとおりだと思う。
 独特な色と模様のある髪をいじっていた指を動かして、まだまだぐっすりと眠っている彼の頬をなぞる。だんだんと指を下におろしていき、首筋、そして鎖骨を撫でた。
 リゾットはともかくとして、ここまでしてもディアボロは起きる気配がない。リゾットにつれられてやって来たぐらいだから、彼もギャング、そしてスタンド使いだと思っていたが、違うのだろうか。これではあまりにも無防備すぎる。
 慣れない猫の体になって、精神的に疲れたのかもしれない。その上、昨日は長いことプロシュート達に遊ばれていたという。肉体的にも精神的にも疲れたのだろう。チャンスだ、と思う。この分なら少しぐらいは触っても大丈夫そうだ。
 片足をベッドの上に乗せて体重を預ける。元々、シングルサイズなうえに、すでに成人男性を二人も乗せているので、ベッドは悲鳴をあげるように大きく軋んだ。
 ディアボロの腰に手をはわせながら、体をかがめて彼の鎖骨に舌をはわせる。男とは思えないほど、肌は滑らかだった。
 鎖骨や肩、首筋の肌触りを舌で堪能しながら、時折小さく歯をたてる。彼の皮膚は、柔らかくメローネの歯を押し戻した。十分に堪能をしてから一旦、彼から顔を遠ざける。ちらりと、ディアボロの様子をうかがった。眠ったまま、微かに眉をひそめている。しばらくそれを眺めていたが、やがて彼が起きないのを知るとメローネはもう一度ディアボロに顔を近付けた。
 ペロリと、相手の唇を舐める。そしてついばむように軽く口付けた。しばらく下唇と上唇の割れ目を舌でなぞっていたが、やがてぬるりと、なんのためらいもなくディアボロの口腔内に舌を入れる。
「んっ・・・」
 無意識なのか、ディアボロは小さく呻くような声をあげた。朝でまだ声帯を使っていなかったせいか、その声は少しかすれていた。ぞくぞくとメローネの体が震える。初めて聞くその声は、ひどく官能的な響きだった。
 彼の体中に手をはわせながら、もう片方の手でしっかりとディアボロの顎をつかむ。角度を変えながら、メローネは更に深く口付けた。いやいやをするように相手は顔を逸らそうとしたが、顎を掴まれているのでそれもできない。手加減せずにキスをされていたため、だんだんと呼吸が辛くなってきたディアボロは、うっすらと瞳を開けた。その瞬間、片目だけを隠しているメローネと目があって、すぐに覚醒したように大きく目を見開く。それに気が付いたメローネは、名残惜しげに下唇を食んでから、ゆっくりと顔を離していった。互いの唾液が糸を引き、やがてディアボロの裸の胸の上にしたたる。それを信じられないような顔で、ディアボロは見ていた。
「おはよう、でぃあぼ・・・」
「死ねッ!」
 メローネが言い終わる前に、ディアボロは上体を素早く起こしながら振り上げた右ストレートを彼の頬へ綺麗にヒットさせた。がくっと体が仰け反ったが、それでも彼の体はまだベッドの上にとどまった。毎日、チームのメンバーにセクハラをしてそのつど殴られている。彼は非常に打たれなれていた。
 口の中を切ったのか、口の端から一筋血が流れる。それを指先で拭ってから、メローネはそれを舐め取った。横目でディアボロを見て、にっと笑う。それを目撃したディアボロは、小さく顔を引きつらせた。
「リゾット・・・おい、リゾット!この変態をなんとかしろ!」
 これだけ騒いでも未だにぐっすりと眠っているリゾットの肩を揺らしながら、ディアボロが叫ぶ。寝苦しそうに小さく呻いてから、リゾットはうっすらと目を開けた。いつの間にか人間の姿に戻っていたディアボロが真先に目に入り、口の中でなにかを呟く。
「なに?なんて言った?」
 尋ね終わるか終わらないかの瞬間に、リゾットは腕を伸ばしてディアボロの肩を掴む。寝起きとは思えないほどの力に、ディアボロは一瞬面食らったような顔をした。
 何事かと、メローネは二人の様子を観察する。このままそっとしておけば、なにかいいものが見れるような気がした。
 そんな彼の考えを知ってか知らずか、リゾットは強い力でディアボロの体をまたベッドに沈める。ギシギシと耳障りなベッドの軋む音を聞きながら、彼は少しだけ体を起こしてディアボロを見下ろした。その目はまだ完全に覚醒していないのか虚ろげだ。
「リゾット?」
「・・・か?」
「なんだ?」
「犯しても、いいか?」
「・・・は?」
 相手の答えは聞かずに、リゾットはディアボロに口付けた。朝から腰の砕けるような深い口付けを二回もされ、そろそろ頭が混乱してくる。そもそも、リゾットは自分からこんなことをしてくる男だっただろうか。いつもいつも、こちらから誘わなければ触ってすらこないというのに。
 しかし普段は非常に淡白な方であるリゾットも、やはり男だった。昨日、あの風呂での出来事から相当我慢していたらしい。今朝になって、寝起きで理性が緩くなった時に裸のディアボロを見て、彼の中でなにかが切れたようだ。
「わお、これってもしかしてすごく美味しい状況?」
 顔が自然とにやけてくるのを抑えないまま、メローネは重なり合ってる二人を見て弾んだ声で言った。
 ディアボロはディアボロで、最初こそ驚いてはいたが、元々精力的なタイプの上に、珍しくリゾットが積極的なので、満更でもなさそうに相手の好きなようにさせている。
「リーダー、俺も混ぜてくれよ」
 言いながら、リゾットの肩に手を置いてねっとりと首筋から耳にかけてをねぶる。すると、彼は小さく声を上げて体を震わせた。それを見て一瞬だけディアボロがメローネを睨んだが、拒絶はしない。とりあえず、リゾットが居ればいいらしい。もしくは、ただたんに欲求不満なだけか。
 三人とも、朝からずいぶんと精力的だった。しかし朝というものは、どこの国でも時間が足りないものである。突然、部屋の扉が開いたかと思うと、プロシュートが姿を現した。
「メローネ。リゾットを起こすのにいつまでかかってんだよ。とっくに朝食の準備は・・・」
 本日の食事当番であった彼は、室内の様子を見て一瞬固まる。メローネがこのチームの誰かにセクハラをしているのは日常茶飯事だ。もう慣れた。だからこそ目が行くのは、見慣れないピンク色の髪を持った男。
「おい、リゾット、メローネ。誰だ?その男は」
 またしても邪魔が入り、ディアボロは額に青筋を立てる。しかしそれ以前に、もう彼が猫だということを隠しておけそうになかった。

 

 

END

 

 

そして次に続く。
あれ、猫がいない・・・?

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自己紹介:
1月14日生まれの新潟県民。

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最近はfkmt作品に手を出してます。
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