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そんなわけで、私の妄想に則ったネス+ギーグ話です。全て妄想なんで本気にしてはいけません。妄想についてはhttp://nandemonai000.blog.shinobi.jp/Entry/263/から。
私の中では1のギーグ≠2のギーグなんですが、実際はどうなんでしょうね。
「ネスサン・・・」
名前を呼ばれる。苦しげで、そして酷く酷く悲しげな声だった。
「ネスサン・・・ネスサン」
すがるようにぼくの名前を呼ぶ。
「ネスサンネスサンネスサンネスサン・・・」
ぼくはこの声を知らない。知らない、はずなんだ。でもどうしてか、聞いたことのあるような気がした。いったいどこで?
思い出そうとする。思い出そうとすればするほど、この声を知っているのだという確信が深まってくる。そう、確かにぼくは知っているのだ。今のように、何度も名前を呼ばれた。あの時も小さな子供がぼくにすがるような、弱々しいものだったが、でもこんなふうに苦しげではなかった。
もう喉元まで思い出しかけている。しかし確信は深まるものの、肝心の記憶が呼び起こされない。ぼくの心の世界、マジカントでもこの声の主、ギーグには会わなかった。それは忘れているということ。心の中に深く残っている声のはずなのに、覚えていない。もどかしい。
「ネスサン・・・クルシイ・・・タスケテ」
どうしてそんなに苦しそうなのか。どうしてぼくに助けを求めるのか。きみはぼくを殺すつもりなんだろう?なのにどうして…。
ポーラの祈りによってダメージを受けるのが苦しい?自我が崩壊してしまっているのが苦しい?それとも、ぼくを殺そうとするのが苦しい?
このどれも答えではないのかもしれない。この全てが答えなのかもしれない。もしくは、自分でも気が付かないうちに、無意識に繰り返しているだけなのかもしれない。先ほどからうわごとのようにぼくの名前を呼び続けているように。
あまりにも苦しそうに助けを求められて、胸が苦しくなった。お願いだから、そんなふうにぼくに助けを求めないで。助けたくなってしまう。手を差し伸べてあげたくなってしまう。でも、できないんだ。もうここまで来てしまったから、お互い引き返せない。どちらかが滅びなければいけない。先にそうなるように仕向けたのは、ギーグ、きみだろう?それなのに、なんで今更…。だから、お願いだから、そんな声でぼくに助けを求めないで。
「ネスサンネスサン・・・ドウシテ・・・アノトキミタイニ・・・テヲニギッテクレナイノ?」
そう言われて、なにかを思い出したような気がした。でもまだはっきりとしない。ただ頭の中に、ある場面が一瞬だけ浮かんだ。子供の手と、青い色をした誰かの手。それが、手をぎゅっと握り合っていた。
なんだかわけのわからない衝動に突き動かされて、ぼくはポーラの肩を掴んだ。驚いた様子でポーラと、そして祈っている彼女を守るためにギーグと対峙していたジェフとプーがぼくを見る。
「ネス、どうしたんだ?」
ジェフがぼくに問う。そんなの、ぼくが聞きたい。ただあまりにもギーグが苦しげだから、これ以上酷いことをしてはいけないと思ったのだ。ぼくが彼を守ってあげなくては、と思った。
なんでもないよ、と告げて、ぼくはポーラの肩を離す。すると彼女はまた気持ちを込めて祈りはじめた。
そうだ、よく考えるんだ、ぼく。なにも酷いことをされているのは、ギーグだけではない。ギーグだって、いろいろな人を苦しめている。ぼくらの地球を、そして未来を侵略しようとしている。そのせいで苦しんだ人達が数え切れないほどいるはずだ。これは身から出た錆。同情をしてはいけない。
でも、と思う。でもギーグが苦しんでいる時に、傍にいてあげられる人がいない。他の人達は、誰かが傍にいて、温かい手でこちらの手を握ってくれる人がいるだろう。心配ないから。大丈夫だから。私が傍にいるから。そうやって、母のように慈しんでくれる人がいるだろう。
だけどギーグは?ギーグが苦しんでいる時に、誰が彼の傍にいるの?彼は一人だ。部下はいても、信頼している者はいない。たぶん、ぼく以外に。
「おいネス、どこにいくんだ!」
ジェフの声を無視して、ぼくはふらふらと足を踏み出した。まるで夢遊病者のような足取りで、ギーグの傍に近づく。
知っている、知っている。ぼくはギーグを知っている。出会っている、どこかで。過去じゃない。だからマジカントにギーグはいなかった。過去に出会っていないのならば、未来だ。きっと未来のぼくが、ギーグと出会っている。自由に時間を行き来することのできるギーグだ。ありえない話ではない。
先ほど一瞬だけぼくの頭に浮かんだ光景は、きっと未来の光景なのだろう。未来のぼくとギーグなのだ。いったいどういう経緯で、あんなふうに手を握り合ったのかはわからない。しかしはっきりとわかるのは、そこには敵意も殺意もなかったということ。
「ネスサン・・・クルシイ・・・テヲ・・・」
両手を差し出す。真黒な闇が手を握るように、ぼくの両手を包み込んだ。冷たい。生きているものとは思えないほど、冷たい手。ぼくはこの体温を知っている。
急に悲しくなって、ぼくは涙を流した。断片的に、ぼくの中にぼくの知らない光景が流れ込んでくる。これはギーグの記憶だ。髪の長い、青い肌をした男の人と、野球帽をかぶった15歳前後の少年。ギーグと、未来のぼくなのだろう。
「アァ・・・ネスサン・・・アタタカイネスサン・・・ワタシノ・・・トモダチ」
次々とギーグの記憶がぼくの中に流れ込んでくる。それに比例して、ぼくの涙も大量に溢れてきた。
ぼくとギーグが一緒にいる。一緒に会話をしている。一緒に街を歩いている。一緒にヨーヨーで遊んでいる。一緒に図書館で本を読んでいる。一緒に眠っている。一緒にママの手作りハンバーグを食べている。そして、手を繋いでいた。まるで、本当に仲の良い友達のように…。
きっと、そうなのだ。未来のぼく達は、友達なのだ。やはりどういう経緯で友達になったのかはわからない。でも、確かにお互いに信頼し合っているのがわかる。
「ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
壊れたテープレコーダーのように、ギーグはぼくの名前を呼び続ける。そしてぼくの涙も流れ続けた。
どうしてぼくときみは、倒さなければいけない敵同士としてこの場に立っているんだろうね。きみの記憶の中のぼく達は、こんなにも仲良しなのに。どこできみは道を誤ってしまったの?それとも、最初から決まっていたことなの?ちえのリンゴに未来を予言されなかったら、ぼく達はずっと友達のままでいられたのだろうか。
自身の力が大きくなりすぎて、自我を保っていられなくなったきみ。きっと地球を侵略したいというその欲望は、自我の崩壊からきたんだろう。そして、まだ今よりも自我が残っている時に出会ったのが、ぼくだったんだね。自我が完全に崩壊してもぼくのことを覚えているくらい、ぼくのことが好きだったんだね。
今やっと、なぜ最初からきみが自身でぼくの命を狙いにこなかったのかがわかったよ。直接手を下したくなかったんだ。だから次々と部下を送り込んできた。でもごめんね、それはぼくを心と体とともに強くすることしかできなかった。
ぼく達は未来で出会わなければよかったのだろうか。そうすれば、互いに悲しまずにすんだのだろうか。でもぼくは、幸せそうな未来のぼくときみを否定することができない。
「ネスサン・・・クルシイ・・・カナシイ・・・タスケテ」
ぼくの両手を包み込んでいた闇がうごめく。闇がぼくの腕を登ってきた。ぼくの体を包み込もうとしている。背後で名前を呼ばれた。仲間がぼくの心配をしている。
わかってる。ぼくたちのどちらかが滅びなければいけないのは。そして、滅びるのはギーグ、きみの方だ。
ポーラの祈りのせいで苦しいだろう?ぼくを殺さなければと思って、悲しいだろう?だから助けてくれとぼくに言うのだろう?大丈夫、今楽にしてあげるよ。息も絶え絶えに喘いでいるきみを、せめてぼくが…。
「さよならだよ、ギーグ」
ぼくはありったけの念動波を、直接ギーグに流し込んだ。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!」
絶叫が上がる。闇がのたうつ。それはだんだんと縮んでいった。
涙が止まらない。死ぬ、ぼくの親友が死ぬ。ぼくの手によって、死ぬ。
「ネスサン・・・ネスサン・・・アリガトウ」
最後に一言そう言うと、ギーグは消滅した。
これで未来は変わるだろう。ぼくとギーグが将来、出会うことはなくなった。それでも、きみがぼくに残してくれた記憶は忘れない。ぼくはいつまでも、ぼくときみが親友同士だったということを忘れないだろう。
END
未来で出会ってるネスと擬人化ギーグを書いてみたいわけですが、でもそこまで行くともうMOTHER2関係なくね?という感じになってくるわけで。
そしてこの二人はホモじゃないです。あくまでも友達です。
雑魚敵が強すぎて何度も涙目になりながらもなんとかクリアできました。一番てこずったボスはゲップーでした。気持ち悪いし涙状態になって攻撃は当たらないし。正直詰んだと思った。はえみつの存在を思い出さなかったら本当に詰んでたと思います。
ギーグ戦の盛り上がり方は異常。鳥肌が立つ。
なんかずっとギーグがネスサンネスサン言ってて切なかったです。もう二人とも友達になっちゃえよ、と本気で思いました。
ネスは良い子だから誰とでも友達になれる子。
もう脳内ではネスと擬人化したギーグが仲良くしてる絵しかありません。ギーグは情緒不安定で人見知りな子。ネスにだけ心を許してるといいよ。
うん。ギーグ戦をやるとギーグにそんなイメージしか浮かばないんだ。
大量に回復アイテムや攻撃アイテムを持っていたのにまったく使わなかったのが残念です。
なんかもっと強い敵に使おうとか思ってたら使う機会がなくなった。
最終的にラスボスで使おう、と思って、しかしギーグ戦ですらというか、ギーグだからこそ使う機会がなかったという。ペンシルロケット20とかマジックトリュフとかドラゴンパウダーが余っちゃって勿体無い。かといって雑魚敵に使うのもなんかいや。こうしてずっと使うことがないのです。
そして音の石が好きすぎて、8つ全部集めたらたくさん聴こうと思ってたのになくなって涙目。もっと聴いておけばよかった(´;ω;`)
MOTHER2をプレイするまではずっとMOTHERシリーズは猟寄ホラーゲーだと本気で思ってました。主人公達が敵を薙ぎ倒しながらプレイしていく感じの。
だってよく不気味とかいう話を聞いたし、武器がバットだし・・・。
私の想像はあてにならない。
でもムーンサイドのマジキチっぷりだけはガチ。
MOTHER2自体は凄く面白ろかったのですが、最終的にギーグって何者だったんでしょうか。最後まで謎の宇宙人なんでしょうか。私としては最初は様子見に人間のふりをしてMOTHER2の時間軸よりも数年未来の地球に来て、そこでネスと出会って仲良くなるけど、自分がそのネスに倒されると予言されてしまって、それで過去にいってまだ自分と出会ってないネスを殺そうとした、とかいう設定だったらすごくいい。
ギーグも目的のために泣く泣くネスを殺そうとするの。自分の手で殺すのは嫌だから、最初から出てこないで部下達をネスにぶつけたり。ラストで自我が崩壊しながらもネスの名前を読んだりしてるのは、ほんの少しネスのことを覚えてるから、とか。
そんなネス+ギーグにキュンキュンしてしょうがない。ギーグは擬人化すると20歳前後の男性だと思います。長髪で肌の色が凄く悪いといい。真青どころか本当に青い。
とりあえずジェフは一回トニーのところに戻ってあげてください。じゃないとトニー本気で泣いちゃうよ!旅が終わったのに自分のところに戻ってきてくれない、って。あんな熱烈手紙まで書いたのに、ジェフに読まれてないトニーが哀れすぎる。
「なんで・・・なんでジェフは僕のところに戻ってきてくれないの?旅は終わったんでしょ?!」
「お、落ち着けって、トニー」
「落ち着いてなんかいられないよ!僕がどれだけジェフの帰りを待っていると思って・・・!」
「それは毎日見てたらわかるって。だからいい加減、毎晩毎晩枕を涙と鼻水でぐちょぐちょにするのはやめろ」
「ネスなの?あの子が僕のジェフを盗っちゃったの?!」
「人の話を聞いてないな・・・。つーか僕のって、盗るって・・・」
「どこの馬の骨とも知らない子供に盗られるんなら、ストーンヘンジで会った時に無理にでも連れ戻せばよかったんだ!」
「そのネスって子は関係ないと思うぜ。聞いた話によると、しばらくはアンドーナッツ博士のところにいるようだから」
「あ、アンドーナッツ博士?だってジェフ、あんまり博士のこと好いてなかったじゃない」
「いろいろ旅をして、心変わりすることでもあったんだろう。なんだかんだで親子だしな」
「そ、そんな・・・。真の敵は博士だったなんて・・・」
「つーか、そこまで言うならお前がジェフのところに行って助手でもなんでもすればいいだろ。もう旅をしてるわけじゃないんだし」
「・・・!それだ・・・!」
「え、冗談で言ったのにマジで行くの?」
「ふ・・・ふふふふ、待っててね、ジェフ。今僕が行くから・・・」
「と、トニーさん・・・?」
「ついでにお父義さんにも宣戦布告を・・・じゃなくて、ご挨拶もしなくちゃね」
「お父義さん?!」
「そうと決まればすぐにでも行かなきゃ」
「ちょ、待てって!おい、誰かトニーを止めるの手伝ってくれ!」
「僕の愛は誰にも止められないよ」
そんなトニーと名もない寄宿生の会話。意外と、トニー→ジェフが好きかもしれません。一方通行。
MOTHER2も無事クリアしたことだし、今度はヴァルキリープロファイルを中古で売ってたら買いたいと思います。
ポイズンピンクも気になるのですが、いつになったら安くなるの?
最近やたらと「アカギ ポケモン」のワードで検索してくる方が多いのですが、なんかのネタですか?
ごめんね、確かにアカギとポケモンは扱ってるけどアカギキャラがポケモン化とかはないんだ。ドSなアカギとドSなミュウに振り回される子達しかいないんだ。
最近のポケモンはわからないので考えようにも考えられません。
アカギがポケモントレーナーで鷲巣様とか市川先生がポケモンなの?ポケモンセンターとか全然寄らずにボロボロになりながらも鷲巣様を戦わせたりするの?(市川先生はちゃんと休ませてくれるよ)
それでいい加減嫌気がさして鷲巣様が逃げちゃって、アカギがまた探しにいくとか、そんな逃走劇があったりするの?
19と市川先生の絡みが私の貧相な脳みそじゃ想像つかないので、やっぱ市川先生のトレーナーは13かな。溺愛してると思います。言うことをきかないわけじゃないけど、戦闘中は基本的に市川先生は自分で考えて戦ってるよね。13もそれでいいと思ってるし、本当にたまに指示を出して、市川先生がきいてくれる、っていう。でもあんまり合理的じゃない戦略だとたまに聞いてくれないと思います。
鷲巣様のトレーナーは19ですか。絶対に言うこときかないよね。どんなに最善と思われる指示でも、プライドが邪魔して。それであとでベタベタにお仕置きタイムですか、そうですか。
銀さんと森田んなら間違いなく銀さんがトレーナー。五億にしてこい云々のあたりは、自分でレベルを上げて来いってことなんだよ。森田ん涙目。でも銀さんのために頑張る。超いい子。
アカギでポケモンってこうですか、わかりません><
続きは拍手お返事です。
サイレントの方もありがとうございます!
ここから一気にデレ分が増えてくる。
相変わらずうちのボスはリゾットの前では女王様です。
どういうわけか、猫に居付かれてしまった。日がな一日、男の家でごろごろしていたり、ふらりといなくなったかと思えば、夜にはまた戻ってくる。そして眠る時は、当たり前のように男と同じベッドに潜りこんできて、体を丸めていた。時折自分の家だと言わんばかりに仰向けになり、腹を出してぐっすりと眠っているのが男にとってはとてつもなく腹立たしい。
とはいえ、大抵は猫の姿のまま過ごしているし、特に仕事の邪魔をするわけではないため大目に見ていた。野良猫が住み着いたとでも思えばいい。事実、ただ一日を過ごすだけなら、喋るということ以外は普通の猫そのものだ。
「飲まないのか?」
いれたてのコーヒーになかなか手をつけない男に、猫は問う。
「・・・貴様と一緒だ」
「あぁ、猫舌なのか。可愛いな」
「煩い」
だいたい、こんな感じだった。男に同居猫と話し相手が一度にできたことになる。
猫は男の前では大半を猫の姿で過ごす。そちらの方が動きやすいし、なにかと都合がいいのだ。あまり沸点の高くない男も、人間の姿でいるよりはこの姿の方が甘くなることを初めて体を重ねた日に知った。ニャーニャーと鳴きながら体を男の足に擦り寄せれば、機嫌の良い時はかまってくれるということも、最近知った。
「普通の猫は・・・いや、猫に限らず動物は、私には絶対に懐かない」
というのは男の言葉。だからいくら相手が化け物でも、擦り寄ってこられると思うところがあるのだろう。
猫の周りにも他の動物は近寄ってこない。敏感な生き物だから、男にしても猫にしても、自分達とは違う存在だというのが本能的にわかるらしかった。
唯一、猫が男の前で人間の姿になる時、それは男を抱く時に他ならない。余程男の体が気に入ったのか、猫は頻繁に体を求めてくる。男は自分でセックスは好きだと自覚しているが、ここまで頻繁に求められると流石にうんざりとしてくる。
「またか、ケダモノめ」
不機嫌半分、呆れ半分で男は言う。人間の姿になった猫は、今夜も男に覆い被さってきた。
基本的に男は眠る時は全裸、もしくは上半身裸だ。しかしあまりにも猫が襲ってくるので、少しでも抑止効果になればと初めのうちはきちんと服を着て寝ていたが、最近ではそれも意味がないと悟っていつものスタイルに戻していた。それにどんなに激しく抵抗をしても、金縛りにあってしまうのでそれも無意味。結局、猫が満足するまで体と血を貪られる。
悪食な畜生め。
男は内心でそう罵った。
裸の胸板をざらざらとした舌で舐められる。思わず、小さく声を上げた。この舌がいけない、と男は思う。人間にはないブラシ。味わったことのないような快楽が襲ってくる。どんなに猫に罵詈雑言を吐いても、結局は流されてしまう。
「今日は血はいいから、素直に感じていろ」
唇に触れるだけのキスを落とされながら言われた。間違っても、その鋭い牙で深く噛みつかれながらされるのがひどく気持ちいいだなんて、言えない。喰われているような錯覚に陥って、どうしようもなく興奮する。
人間は命の危険を感じると、子孫を残そうと無意識に勃起をするという。それは本能だからしょうがない。男は自分に言い聞かせる。
「あっ・・・」
首筋を甘噛みされた。柔らかく猫の牙が男の肌を押す。しかし最初に宣言した通り、それが皮膚を突き破ってくることはなかった。まるで肌の柔らかさを楽しんでいるかのように、何度も猫は甘噛みを繰り返す。
猫は最近、血をもらう用がなくても男を抱くようになった。どういうつもりだ、と男は思う。これではまるで、猫に性欲処理の相手にされているようで気分が悪い。
「貴様、どういうつもりだ?」
銀色の髪を鷲掴みにすると、未だに首筋に顔をうずめている猫の顔を上げさせる。急に不機嫌になられて、少し驚いたようだった。
「なにがだ」
「私は貴様の性欲処理の相手になる気はない。溜っているのなら他をあたれ」
猫の胸を押し戻しながら、退けと男は言う。そんな男を見下ろしながら、猫は彼が不機嫌になった理由がわかって安心した。理由もわからずに不機嫌になられることほど、質の悪いことはない。特にこの男は通常の人間よりも自尊心が強いから、なだめ方を間違えると更に機嫌を悪くしてしまう。
要するに、誰かに使われるのが嫌なのだろう。自分が使う分には雀の涙程の抵抗もないくせに。ぎりぎり猫が血をもらうのを許していたのは、自分が養ってやってる、という感覚があったからなのかもしれない。
どこまでも誰かより有利に立っていなければ気が済まない男。面倒くさい性格だが、猫は彼の美徳の一つだと思っている。孤高だからこそ、男は美しい。
「どちらかと言えば」
猫は男の様子をうかがいながら、言葉を選ぶように言う。
「俺が性欲処理をしているというよりは、あんたの性欲処理のために抱いてるんだが」
「言い訳をするな。見苦しいぞ」
男はまったく信じていない様子で猫を睨んだ。
「本当さ。そうじゃなきゃあんた、他の男のところに行くだろう」
元々性に関しては淡白な方だと、猫は自負している。精力的になるのは、精々発情期の時くらいだ。
嫌なのだ。この男が別の人間を抱く、もしくは抱かれるというのが。自分の食事をベタベタ触られて良い気分になる者なんていない。想像しただけで、ちりちりと毛が逆立つくらい苛々としてくる。だからそれを解消するだめに、猫は頻繁に男を抱く。精も魂使い果たさせて、他の人間のところに行かせないようにする。
「貴様、私を自分の所有物かなにかとでも思っているのか?」
「むしろ逆だ。俺があんたの物になってやろう。好きな時に、好きなだけ俺を使え。その代わり、他の人間のところには行くな。いくらでも俺が満足させてやるから」
「生意気な口をきく」
そう言いながらも、男の口元は笑っていた。悪い気はしないのだろう。束縛されるのは嫌いだが、その逆は好きだから。
体の相性は言うまでもなく抜群にいいし、猫がそういうのなら、飽きるまでは付き合ってやろう。
男はそう思う。
「ならば、私が満足するようしっかりと奉仕するんだな」
もう一度猫の銀髪を鷲掴みにすると、今度は自分の方へ引き寄せる。そして深く口付けをした。
「なぁあんた、名前は?」
貫かれ、激しく揺さぶられていた男は、突然の問いに快楽のせいで飛びそうになる意識を引き戻しながら、濡れた瞳で猫の赤い瞳を見た。
これだけ激しく動いているというのに、汗一つかいていないどころか、息もきれていない。化け物だ、と改めて思う。そんな化け物を手懐けていると思うと、気分がいい。
「な、んだ・・・?」
「名前。なんて呼べばいい」
一旦動くのをやめると、再び尋ねる。名前を呼ぼうとして、ふと男の名を知らないと気が付いたのだ。一度気になったらどうしても聞いておきたくなった。別に今の状況が不便なわけではない。男を呼ぶだけなら、おい、とか、あんた、で十分だ。しかしただ二人称などで呼ぶよりも、名前で呼ぶのはずいぶんと違う意味があると感じる。
男はしばらく黙って、浅く呼吸を繰り返しながら呼吸が整うのを待った。そして口を開く。
「そういうのは、そっちが先に名乗るのが礼儀なんじゃないのか」
今の理性が揺るんでいる状態なら、簡単に明かしてくれると思ったのに。
猫は予想よりも男の精神が強固だったため、わずかに眉根を寄せる。
「俺から人間に名前を聞くのは初めてなんだが」
「だから、なんだというのだ?」
期待はしていなかったが、やはりなびかない。どうあっても、先に名前を明かすつもりはないようだ。
できるものなら、すぐにでも名前を教えてやりたい。しかし猫にはそれができなかった。覚えていないのだ、自分の名前を。確かに400年前は、飼い主に呼ばれていた名前があったはずだ。だがどうしても、思い出せない。ここまで普通の猫だった時のことを思い出せないと、ムシ達に寄生された時に記憶まで喰われてしまったのではないかと思えてくる。
「・・・あんたが名前を教えてくれるまで、俺の名前は教えない」
結局、猫は男にそう告げた。男はなにか言いたげな顔をしたが、やがて一言、
「好きにしろ」
と言う。
なんとか思い出せないものか、と思いがら、猫は律動を再開させた。
END
別にいやらしいのが書きたいんじゃなくて、なんかこうリゾディアってとてつもなく性的なカップルなんですよ。書いてると自然とそちらの方向に話が流れるんです。
できることならエロもいやらしいのも避けたいんです。いや、ほんとに。
やっぱり藤田作品はいいなぁ、と素直に思います。
喜怒哀楽の描き分けがすごくいい。笑い顔は至極。
欲をいえばうしとらかからサーの頃の絵柄で描いてほしいです。まぁ絵柄が変わってしまうのはしょうがないですよね。
月光の笑み可愛いよ、そして月光かっこいいよ。藤田作品の主人公に外れはないと思います。基本的に藤田作品の主人公は超良い子ですよね。良い子すぎて逆境に晒されると泣きたくなってくる。
一寸法師のところで鬼の扱いがアレすぎて正直萌えた。相変わらず藤田は自キャラに対してドSですね(いい笑顔で)
第三条でさりげなくコロンビーヌが出てて噴いた。これは間違いなくこの先フランシーヌかとら辺りが出てくる。
藤田作品は主人公に外れはないけど、ヒロインよりも準ヒロイン(?)の方が可愛いのはなぜだろう。麻子よりもまゆこ、しろがねよりも他の女の子達、エンゲキブよりもはちかずき、なんです。
とりあえず月光条例はおっさんマダー?
続きは拍手お返事です。
サイレントの方もありがとうございます!
以前書いた猫なリゾットの続きです。
そんなに長くはならないと思いますが、一応男と猫シリーズとでも銘打っておきます。
書いたのが昔すぎてどんな話にするか忘れてしm(ry)
ラストはどうするかギリギリ覚えているので、その記憶を頼りに書いていこうと思います。
一話目は↓から。
http://nandemonai000.blog.shinobi.jp/Entry/174/
どこかで、見たことがあるような気がした。初めて見た時から、そう感じていた。だから最初は普通の猫のふりをして、男を観察していた。
数百年ぶりに普通の猫のふりをしながら、生きてきた過去400年の記憶を探った。しかし一番古い記憶は、まだ普通の猫だった時の記憶は霞がかかっているようで、はっきりとしなかった。思い出すのは、ただだらだらと生を長らえてきたことだけ。
自分は果たして、どんな飼い主に飼われていたのだろうか。男だったのか、それとも女だったのか。それすらも思い出せない。
やがて猫は考えるだけ無駄だと、思考を一時中断させた。
「重い・・・」
うめくような、寝惚けたような声で男が言う。やっと起きたか、と猫は眠っている男の胸の上に座りながら思った。
「案外、鈍いな」
声を掛けると、男はまだ半分眠っているような瞳で猫を見る。そして一気に覚醒をしたように、目を大きく見開いた。
なにか言いたげに口を開いて、また閉じる。驚きのあまりに言葉が出ないのか、それとも単純に言葉を探しているのかはわからない。
「・・・鈍くない」
やがてそれだけを、不機嫌そうな声で返した。
事実、男は鈍くないはずだった。むしろ他の人間よりも鋭い方だと自負している。知らないうちに背後に立たれるだとか、寝込みを襲われるなんてことは、今まで一度もなかった。この化け物が異常なのだ。そう内心で思う。
睡眠を邪魔されて不機嫌そうな男とは裏腹に、猫は機嫌が良かった。上半身裸の男の胸を尻尾で幾度もゆるゆると撫でる。
あの夜、男とわかれてから一度も食事をしていなかったから、ずいぶんと腹を空かしていた。一度この男の血の味を知ると、もう他の人間の血なんて飲めたものではない。元々、人間の血は好きではなかったのだ。ただ生きるために飲んでいたにすぎない。しかし今は、男の血を進んで飲みたいと思っていた。
あの時の味を思い出し、空腹も手伝って猫の口内に唾液が溜まる。それを意図して嚥下し、すぐにでも男の首筋に噛みついてやりたいのを我慢しながら、猫は口を開いた。
「久しぶりだな」
普段なら人間となんてほとんど話さない。餌と会話をしてもしょうがないから。口を開くのは、上手く二人きりになれる場所に行けるように誘い込むときだけ。だから本当なら、二人きりであるこの状況で会話は必要ないはずだった。男が眠っている時に、血をもらってもよかった。
会話をする気になったのは、少なからずこの男に興味を持っているため。この自分と同類の、誰かの命を奪ってまで生きようとしている人間。ただ餌にするだけでは、勿体無いように思うのだ。
「もう来なくてよかったのにな」
男が憎まれ口を叩いたので、猫はおかしくなって口端をわずかにつり上げて笑った。こらえきれなくて、喉を鳴らす。それを見て、男はますます不機嫌そうな顔をした。
「嘘だ」
断言できる。男は自分が来るのを待っていた。そうでなければどうして用心深いこの男が、窓を少し開けたまま眠るだろうか。まるで、猫が入ってこれるように開けられた隙間。
「俺を待っていたのだろう?」
「自意識過剰な畜生だな」
「そういうお前は素直じゃないな。俺が来ないで寂しかったと言えばいいものを」
からかってみた。実際は、彼もまた己と同類である猫に興味があっただけだと知っている。ただそれだけでも、待っていたという事実には変わりはないので、単純に嬉しいのだ。ここに来ることを自分だけが許されたような気になる。その嬉しさが転じて、からかってしまう。
キッと男の目じりがつり上がったかと思うと、硬く握られた拳がとんできた。猫は人間の姿になると、瞬時に男の手首を掴んでしまう。猫の動体視力を持ってすれば、造作もないことだった。
男は鋭く舌打ちをする。
「重い、退け」
獣のような金色の瞳で睨みながら言う。そりゃあ姿だけなら成人男性にいつまでも胸の上に馬乗りになられていれば重いだろう。
だが猫は男の言葉を無視してゆるりと笑うと、ざらざらとしたブラシのついた、人間とは違う舌で彼の指を舐めた。何度も何度も執拗に、それこそ愛撫をするように舐められて、男の背筋がざわざわとしてくる。それが不快感からくるものではなく、快楽からくるものと知っているから、男はもう一度舌打ちをしたくなった。
化け物が、なにを考えている。
「おい、なにをしている、離せ」
快楽を悟られないように、撫然とした声色で言う。しかし猫には気付かれているだろう。
「噛みつかれてただ痛いだけでは嫌だろう?代わりに気持よくしてやる」
「貴様に血をやるなんて言ってない」
「連れないことを言うな。もう空腹の限界なんだ。これ以上血を口にしなかったら、今度は俺が体の中にいるムシどもに喰われてしまう」
「勝手に喰われていろ」
男に体を重ねるようにして横たわると、可愛いげのないことを言うその口を塞ぐ。舌を絡めながら裸の胸を撫でると、大袈裟なくらい体が揺れた。いくらなんでも、敏感すぎる。彼は慣れているのだろう、男相手に。
そう思うと、なんだかわけのわからない奇妙な感覚が猫を襲った。胸の辺りがむかむかとする。男の性生活なんて、自分にはどうでもいいはずなのに。
猫はむかむかとした気分のまま、舌を男の首筋に滑らせた。男性らしく筋ばっているが、肌は女のように滑らかだ。時々赤い跡を散らしながら、しばらくその肌を舌で、そして指先で堪能する。
だがやがて、我慢できなくなったように、その肌に深く深く自らの牙を埋め込んだ。
汗の臭いと精の臭い、そして血の臭いが部屋中に充満していた。体力を使い果たし、そのうえ大量に血を吸われてぐったりとしている男の代わりに猫は立ち上がると、部屋の窓を全開にして換気を試みる。すでに空は白み始めていて、澄んだ空気が心地良かった。
恐ろしくよかった。驚くほど、猫と男の体の相性は抜群だった。今まで何度も人間を抱いているが、ここまで我を忘れて誰かを抱いたのは初めてだ。
おかげで自制がきかず、予想以上に大量の血を吸ってしまった。男もかなりよがってはいたが、このままでは間違いなく文句を言われてしまう。最悪、殴られるでは済まないかもしれない。
どうしようかと考えて、結局猫は元の姿に戻った。四足歩行で男がぐったりとしているベッドまで戻り、跳び乗る。
人間の姿よりは、猫の姿の方が怒りは半減するかもしれない。猫は男が猫好きであることを祈った。
「調子はどうだ?」
仰向けで首元を真っ赤に染め、蒼白い顔で瞳を閉じている男に尋ねる。彼が眠っているわけではないというのは、気配でわかった。
「死ね」
第一声が、それ。やはりそうとう機嫌が悪いな、と猫は思う。
「済まなかった。流石に血を吸いすぎた」
おかげでこちらは満足だが。
「でもあんたもずいぶんと気持ちよさそうだったから、よかったじゃないか」
その言葉にパチッと男の瞳が開かれる。噛み殺さんばかりに、横目で睨まれた。
元の姿に戻っていてよかったと思う。この調子では、人間の姿でいたら確実に殺されていた。
なんとか男の機嫌を良くしようと、猫は彼の頬を舐める。先ほどとは違い性的なものではなく、労るようなものだった。
それが功を奏したのか、やがて男は疲れたように深いため息を吐いた。そしてまた瞳を閉じる。
「もういい、寝る。今度は私が起きるまで起こすな」
「わかった」
シャワーを浴びる気力もないらしい。余程疲れていたのか、すぐに寝息が聞こえはじめた。猫はその寝顔をジッと見つめる。
やはり、自分はこの顔を知っている。しかしどこで見たのかが思い出せない。
しばらく思い出そうとしていたが、結局思い出せないまま、猫は諦める。
まぁそのうち思い出すだろう。
そう思い、猫は男の横で丸くなり、一つ欠伸をすると瞳を閉じた。
END
朱鷺も放したことだし、記念に創作サイト用になにか書きたいなぁ、なんて。
新潟県民なんで(?)そわそわしてます。私が60とか70歳になるころには普通に野生の朱鷺とかいるのかなー。
書くとしたら、風邪が治ってからで。9月はじめもひいたのに、先週水族館に行ったらまたひいたのですよ、この貧弱は。
昨日鷲キュア祭りの話をしたらまさかの主宰瑞肴様のご降臨でシノハに電流走る。そんな秋の早朝。
衝撃のあまり兄の部屋に突撃するところでした。
ざわざわサーチ様には一言も「アカ鷲」というワードを載せてなかったので本当にびっくりした。
鷲キュア祭りはサーバーを移動しただけなんですね。よかった。
これでまた13とワシズが見れる。
早くワシズの単行本でないかなー。そしたら(たぶん)たくさんワシズを書くのになー。
13×ワシズがなかったら自分で書けばいいって801の神様が言ってた。
続きは拍手お返事です。
サイレントの方もいつもありがとうございます!
アカ鷲アンソロに期待。
アカ鷲アンソロがでるんだからアカ市アンソロがでてもいいと思うのですが。オンラインでもいいから、どうかっ・・・!
本当に大好きなんです、アカ市。fkmtカプの大本命なんです。
孫×おじいちゃんだから。クールビューティー×クールビューティーだから。
もう二人は家族でいいよ、一緒に住んじゃえよ。一緒に買い物とか行って、アカギが手を引いてあげてたらいいよ。市川先生はそんなことしなくてもいいって言うんだけど、アカギがどうしてもと言ってきかないの。過剰にスキンシップをしたがる孫なんです。で、市川先生は最初はそれがうざくてしょうがないんだけど、だんだんと当たり前になってくる。たまにお駄賃かわりにお菓子を買ってあげてたりしたらキュンとします。
もちろん料理はすべて市川先生が自分でやってると思う。よく目が見えないのに、見える人間とかわらないように料理できるな、ってアカギは関心するんです。ちなみにアカギは神域以外は料理をまったくできないといい。教えてもらえればすぐに覚えるんだろうけど、13の時に市川先生が全部やってくれたんで覚える必要がなかっんです。
神域は普通に料理できるよ。私が主夫好きだから(←…)
もちろん味付けは市川先生が作ってくれたものにそっくりという。
ともかくそんな日常ほのぼのなアカ市が好きです。19はなんか生活感のないように見えるけど、13は市川先生と一緒にいれば生活感が出てくる。
なんというか、私の中では市川先生はアカギの「人間らしさ」の部分なんです。市川先生がいるから、13はまだ人間らしさがある。
神域になってまた人間らしさが出てくるのは、また人と関わりはじめたからだと思います。19は一人で生きてるから、人間ではなく悪魔にでも鬼にでもなんにでもなれるんです。結果、更に人が寄りつかなくなる。
死ぬのが怖くないのは、世界に未練というか、執着しているものがないから。だから死んでしまってもまぁいいか、みたいな感じになる。だから13巻で鷲巣様に勝負の続きを持ちかけたのは、鷲巣様をもっと知りたいと思ったからで、少なからずこの世界のものにアカギが興味をもったわけだから、いい傾向なんじゃないかなぁ、と思います。
最終的になにがいいたいかといえば、市川先生はアカギにとって重要なポジションにいるよ、ってことです。
ところで黒沢の1~4巻とコンビニ版涯のワナ編を買いました。
クロさんが不憫すぎて涙出てくる。切ない。
涯かっこいいよ、涯。
クロさんも涯も頑張れ、超頑張れ。
青い恐竜が強すぎて私涙目。ネスのレベルは80を超えてるのにまだ足りないのか。とりあえずシールドキラー美味しいです。
ジェフは最初まったく使えない子だと思ってたのに、今ではネスに並ぶ主戦力です。チューチューとバズーカとロケット20うめぇ。
他のキャラが倒れてる中、たった一人でクラーケンを余裕で倒しちゃうくらい頼れる子。まぁこれはジェフに炎耐性の装備品をつけていたおかげですが。
こうなってくるとプーの扱いに困ってきます。偏食だしHPが高いけど特に秀でてる能力もないし、ジェフみたいに特殊な道具が使えるわけじゃないし。サイマグネットが使えるのでもっぱら回復要員です。おうじゃシリーズを全部集めると使える子になるんでしょうか。まだ二つしか集めてないけど。
でもプーはいい性格をしてると思うんだ。いきなりネスの前に現れて、お前の奴隷だ、発言だから。正直びっくりした。
でももっとびっくりしたのはトニーです。ジェフのこと大好きすぎるだろ。腐女子だからそう見えるのかと思ってwiki見たら、やっぱゲイなのか、そうか。
ジェフが帰ってこなかったり電話もなかなかしてくれないから、夜な夜な枕を涙で濡らしてるんだろうな、と思います。
あとネスに嫉妬してますよね。ネスにかける言葉のはしばしに棘があるような気がするのは気のせいでしょうか。
トニー頑張れ、超頑張れ。君ならきっとジェフは振り向いてくれるよ。
やっぱり書いちゃった。
fkmtサイト様を回ってたら我慢できなくなりました。
神域と、あと市川先生に心を込めて追悼を。
ゆらりと横に人が座ったのに気が付いた。目は見えないが、誰なのかなんてすぐにわかる。昔と大きく変わった、しかし間違えようのない人物。
「ずいぶんとこっちに来るのがはえぇじゃねぇか」
相手がゆるりと笑ったのがわかった。笑ってる場合じゃないだろう、と内心でツッコミを入れるが、ここに来てしまったらもうどうしようもない。追い返すこともできないし、たとえ追い返せてもまた戻ってくるだろう。彼はそういう男だ。
「早く市川さんに会いたくなってな、来ちまった」
「バーカ。向こうでたくさん泣いてる奴が見えねぇのか。こんな老いぼれを追ってきやがって」
相変わらず目は見えない。しかしわかるのだ。大勢の人間が、彼のために泣いている。彼のために涙を流し、死なないでくれと説得をしていた。しかしはじめから全てを決めていた彼の意思は、揺らぐことはなかった。
もっと生きていたかったはずだ。最期に見せた涙が全てを物語っている。彼ならもっと生きて、他の人間には歩めないような数奇でいて、それでも素晴らしい人生が歩めたはず。
神域と呼ばれた男は、それでも結局はやはりただの人間だったのだ。誰もがそれを思い知らされた。この世にはたくさんの天才と呼ばれる人間がいるのだろう。しかし、神なんていないのだ。
しかしだからこそ、この男は人間だったからこそ、このような人生が送れたのだろう。10代はじめにして麻雀を覚え、その頭角を現し、いろいろな人間と良くも悪くも付き合いをし、そしてたくさんの友に囲まれ、見送られた。人間だったからこそ、歩めた人生。
「ひろゆきの奴、まだ泣いてやがんな」
「そう思うんなら戻ってやれよ」
不意に煙草の臭いがした。手を差し出すと、彼は気が付いてそのまま自分が吸っていたものをこちらの口に入れてくる。そしてまた、新しい煙草を自分のために出した。
彼が煙草を吸い始めたのはいつだったか。教えたのは自分だ。まだ子供の頃に俺が吸っていたのを見て、生意気にも吸いたいなんて言いやがるなら、少し吸わせてやった。初めて吸った時はむせていたくせに、今ではこんなにきついものを吸っている。たったそれだけのことにも、年月の流れを感じた。
「あんただって、戻ってきてくれなかっただろ。最初はどうしてって思ったけど、今ならわかる。いいんだよ、これで」
あのような形で死ぬのは無念ではあったが、しかし自分の生に満足をしたからいいのだと、彼はいつもの調子で言った。そりゃ満足もするだろう。好きなことをして生き、最期にはたくさんの友に見送られたのだから。
戻ってきて欲しいというのは、生き残ったもののエゴだ。死者を追ってどうする。死んでしまえば終わりだが、生きている者はまだ歩みを止めてはいけない。歩いて歩いて、自分の生を全うしなければいけない。死者に構うのは、葬式の時と命日の時だけでいい。
「あんたも自分の生に満足したのか」
「そうだな。てめぇともさんざ遊んだしな」
「ククク・・・確かに、遊んだな」
麻雀をしたり、一緒に飯を食ってみたり、なにをするわけでもなく一緒にいてみたり、なにをとち狂ったのか体を重ねてみたり。これだけすれば、もう十分だろう。だからもうよかった。彼とは十分、時を過ごした。彼は自分だけに関わっていてはいい人材ではなかった。だから他の者に譲ったのだ。
「ほんと、驚いたぜ。あんた、殺しても死ななそうなのにな」
「それはこっちの台詞だ、バカ」
誰が彼のあのような死を予測しただろうか。おそらく、本人ですら予想していなかったはずだ。彼は頭もよく勘も鋭いが、これだけは予期できなかった。死とはそんなものだ。
「どうだったよ、あれから」
「そうだなぁ・・・」
紫煙を一つ大きくはく。そして彼は俺が死んでからの人生を語り始めた。ずっと見ていたので、知らないわけではなかったが、それでも彼の口から直接聞くのは見るのとはまた違う。
相変わらず、普通の人間ではありえないような生き方である。ほとんど賭け事だけで生きてきた。その周りでは、常に多くの人間の影があった。彼を尊敬する者。彼を軽蔑する者。彼を憎む者。彼を愛する者。ありとあらゆる人間が、彼の傍にいた。上等じゃねぇか。
「普通の人間じゃあ、まずありえねぇ生き方だ」
「そうだな」
「人を死に追いやったり、逆に殺されかけたり」
「そんなこともあったな」
「最期には自分が誰だかわからなくなる前に自殺しやがる」
「あぁ」
「馬鹿げてる」
「でも、狂気の沙汰ほど面白い、だろ?」
よく、わかってるじゃねぇか。思わず、口端がつりあがった。
「まったく、いい人生だったじゃねぇか。てめぇにしては上出来だよ、赤木しげる」
「知ってるよ、そんなこと」
そう言うわりに、本当に嬉しそうに、彼が無邪気に笑った気がした。
END
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