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ジョルノとジョルノ母です。
この二人は親子というか友達感覚だったら良いと思います。

ノリ的には、僕の彼女を紹介します、的な感じです。









 いつもは学校の寮かパッショーネのアジトで寝泊まりをしているため、家に帰るのは久しぶりだった。まだ若い母が少女のような笑みで出迎えてくれるのを見て、ジョルノはやはりなんだかんだで自分の帰る場所はここなのだな、と思ってしまう。
 今は料理がからきし苦手な彼女のためにカルボナーラを作り、二人でテーブルを囲んでいた。まだ外は少し明るく、少し早い夕食だった。
「ハルノ、あなたそろそろ彼女ができたんじゃないの?」
「・・・母さんは毎回、会うとそれを聞くね。飽きない?」
 フォークを片手に握りながら、好奇心を隠しきれないという様子で尋ねてくる彼女に、思わずため息が出た。どうやらジョルノの彼女と一緒に買い物をしたり映画を見にいったりして女性同士で仲良くするのが夢らしい母は、ジョルノが帰宅するといつも同じ質問をしてくる。嫁姑問題の心配をしなくてもいいというのはありがたいが、こうも毎回だとため息しか出てこない。
 特に今回はやたらと表情が期待の色に満ちている。最近は組織の方が忙しくて以前ほど家に帰れていなかったから、事情を知らない母はおそらくそれはジョルノに彼女ができたからだと勘違いしているのだろう。
 どうしたものかとジョルノは考える。頭にはピンク色の髪を持つ中年の男が浮かんでいた。彼のことを母に紹介をしてもいいが、そうするとあのファザコンな娘が煩そうだ。そうでなくともただでさえ自分と彼の間を邪魔してくるというのに。
 ジョルノはしばらく思案して、まぁ後々は誰がなんと言おうとあの男を手に入れる予定だし、それならば先に母に紹介をしておいていいだろう、という結論に達した。
「まぁ、好きな人ならいるよ」
 この一言に、母は一瞬驚いたような顔をしたあと、興奮したように頬を少し赤く染めた。
「やっぱりそうだったのね。どんな人なの?今度、家に連れてらっしゃいよ。母さんが料理を作ってもてなすわ」
「・・・母さんが、料理を」
 矢次早に喋っていたのを聞き流していたが、流石に最後の言葉は聞き流せなかった。息子が夕食を作ってあげなければいけないくらい、母は料理が下手だ。壊滅的だ。たとえどれだけ飢えていようと、母の手料理だけは食べまいとジョルノは日頃から思っている。
「なによ、その反応」
 ジトリと睨まれてしまった。
「いや、別に」
 不自然にならない程度に目をそらす。相手はしばらく納得がいかないような顔をしていたが、やがて諦めたように小さく息を吐いた。
「それで、どんな人なの?」
「なんていうか、猫みたいな人だよ」
「へぇ、意外ね。ハルノは従順な犬タイプが好みだと思っていたのに」
 母の言葉を無視しながら、ジョルノは言葉を続ける。
「気まぐれだし我が侭だし、自分の主人にしか気を許さないで甘えないくせに、色気ばっかりは振り撒いてる人。正直、触るなって方が無理だ」
 猫が腹を出して寝ていたら撫でてやりたくなるのが普通だ。しかし撫でようとすると爪を立ててこちらをいかくしてくる。しかもその飼い主までこちらをいかくしてくるからたまったものではない。少しくらい触らしてくれてもいいのに、と思う。ジョルノの場合は触ったら触ったで少しでは済まされないのだろうが。
 悩ましげにため息を吐くジョルノに、彼女は同情半分好奇心半分の視線を向ける。大人びて見えるけど、こうやって恋愛事に悩んでいる姿はやっぱり子供ね、と思った。
「ハルノはなんでもそつなくこなす子だと思っていたけど、また厄介な人を好きになったものね。母さんわくわくしちゃう」
「なにそれ。所詮、他人事ってこと?仮にも母親なんだから応援するとかないの?」
「じゃあ逆に、私に応援されて嬉しいの?」
 問い返され、ジョルノは言葉に詰まってしまう。確かに自分の恋愛事を彼女のお楽しみの対象にされるのは腹立たしいが、この母親らしからぬ母親に応援されるというのも腹が立つ。結局のところ、どうしようもない。
 ジョルノが疲れたようにため息を吐くのを尻目に、母はなにかを思い出したような顔をした。
「やっぱり、血かしらね」
「なにが?」
「あなたの実の父親も、報われない恋をしてたのよ。なんでも義兄を好きになったけど、恋は実らないまま最終的にはその義兄と殺し合ったらしいわ」
 いやまだ報われないって決まったわけじゃないし、いきなりそんな写真でしか知らない父の暴露話はいらないから。ジョルノはそう言いかけたが途中で口をつぐむ。よく考えるとあまりにも実父と自分の状況が酷似していた。男同士だし、殺し合っちゃったし。
 今自分がうまくいかないのはお前のせいか、とジョルノはおかど違いな逆恨みをしてしまう。もし実父が生きていて、この先、万が一にでも会うことがあるのなら、真っ先に文句を言ってやろうと思った。口より先に手が出ないという保証はないが。
「ハルノの彼女、ぜひ見てみたいわ。写真とかないの?」
「あるよ。ほら」
 いつも持ち歩いている写真入れを母に手渡す。そこには以前なら実父の写真が入れられていたはずだが、別の人物の写真に入れ替えられていた。しかし吸血鬼の子供を産んでしまうような、良くいえば器の大きい、悪くいうば無頓着な女である彼女はそんなことなど気にしない。
「あら、ずいぶんと美人さんな男性ねぇ。ハルノもセンスがいいじゃない」
 そしてたとえ息子の片思いの相手が自分と同じほどの年齢の男であっても、アングル的にどう考えても隠し撮りな写真でも、一切気にしないし気にならない。
「絶対に家に連れてくるのよ」
「なに?わたさないよ」
「狙うかどうかは私が実際に彼と会ってから決める」
「娘が嫌がるかも」
「娘さんもいるのね。じゃあその子も連れてらっしゃい」
「・・・まぁ機会があったらね」
 一応、結婚をしている身で、しかも息子の片思い中の相手をそんなふうに言うなんてなんて母親だ。ジョルノはそう思ったが、こういうところで彼女と自分は本当に親子なんだな、と感じる。マイペースで自由奔放な性格が似すぎている。
 母の背中を見て育ったわけではないのに、やはり血というのは凄い。そして話を聞いた今、父親の血のことも考えると先行が不安になってくる。だがそれよりも、今は目先の不安を解消しなければいけない。
「二人を連れて来るときは言ってね。私、腕をふるって料理をしちゃうわ」
 どうやって母の作る料理を口にするのを回避しようかと考えながら、ジョルノはフォークですでに冷たくなってしまったカルボナーラをつついた。



END






ジョルノ母を書いているといつもこの人が最強なんじゃないかと思ってしまう。色んな意味で。
たぶんドナテラ様といい勝負です。

ちなみにこの場にというか、家に義父はいたけどジョルノが無視してるだけです。食事も二人分しか作ってません。
それが当たり前なので母は気にしない。
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シノハ
性別:
女性
自己紹介:
1月14日生まれの新潟県民。

ジョジョラーでケモナーでおっさん&おじいちゃんスキーでSHK国民。
最近はfkmt作品に手を出してます。
乙一作品と三原ミツカズ作品と藤田和日郎作品も好き。
節操なしの浮気性です。
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