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おっさんと人外を中心によろずっぽく。凄くフリーダム。
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神域×13に見えるのは間違いなく気のせいです。
余裕のないお子様と余裕のある大人。








「なんで止めたんだよ」
 不満げに少年が神域を睨む。その顔は青年に殴られたせいで痛々しく腫れ上がっていた。
「その程度の怪我で済んだのに、そんなふうに言われる筋合いはねぇな」
 先ほどまで少年と青年がくだらないことで喧嘩をしていた。本人達にとっては真剣なことだったのかもしれないが、神域にしてみればくだらない、の一言だ。最初は口喧嘩だったのだが、やがて殴り合いになった。神域はしばらく様子をうかがっていたが、歳の差による腕力の違いで少年が劣勢になってきたところで、ようやく二人を引き剥がした。
 青年は今この場にはいない。喧嘩を止められてから少年を一睨みしたあと、舌打ちをしてから家を飛び出してしまった。どうも彼は、神域が少年に甘いのが気に入らないらしい。そもそも喧嘩の発端はそこにあった。まったくもって、くだらない。神域はそう思う。
「ほら、口開けてみろ」
 少年の顎をとらえて上を向かせながら言った。相手は素直に口を開く。こういう素直なところが、青年と違うところだよな、と神域は思った。
 彼の口の中を覗き込んで、怪我の具合を確かめる。青年はしたたかに少年を殴っていたが、どうやら歯も折れてないし口の中も切れていないようだった。まさか手加減でもしたのだろうかと考えたが、すぐにそんなわけはないと自分の考えを否定する。おそらく殴られる直前に、少年が首を引いたのだろう。だからこの程度で済んだ。
「よかったな、口の中は無事だ」
「よくない。俺はあいつの顔を殴れなかった」
 忌々しげに少年が言う。やられっぱなしは嫌らしい。その気持ちはわからなくもないが、歳の差からくる腕力の差はどうしようもないので、神域は特に慰めるでもなく少年の言葉を黙殺した。
 黙って救急箱を持ってくると、神域は腫れ上がっている少年の頬を消毒してやる。痛むのか、わずかに顔をしかめた。なんとなく思い切りそんな少年の頬を抓ってやりたい衝動に駆られたが、その欲をぐっとこらえて神域は口を開く。
「なぜそんなに19が気に入らない?」
 その問いに、少年は口をつぐむ。しばらく言うか言わないか迷っているように黙っていたが、やがて言った。
「・・・あんたを取るから、嫌い」
 それ以上でも以下でもない、本心からの言葉だった。
「俺は誰のものでもねぇだろ?」
「ヤダ。俺のものになってよ」
 あまりに子供っぽい言葉に、神域は喉を鳴らして笑った。すると少年がねめつけてくる。しかし本人も自分がどれほど子供らしいことを言っているのか自覚しているらしく、殴られていない方の頬までわずかに赤くしていた。
 まったくなんて熱烈な告白だ、と神域はなおも喉を鳴らしながら思う。こんなジジイに向かって、俺のものになって、だなんて。そんな言葉、そこらの女に言ってやればいいものを。自分のことながら、おかしなガキだ。しかし、悪い気はしない。俺はいつから子供にこんなに甘くなったのだろうと、少年の頬にシップを貼ってやりながら思った。
「ククク・・・俺を口説こうなんざ100年はえぇよ、ガキ」
 子供扱いされて、少年はムッとした顔になる。しかしもう一度神域に顎をとらえられて、驚いたように目を丸くした。
「でもまぁ、評価はしてやる」
 神域の顔が少年に近づく。唇が触れ合うだけのキスをした。触れ合ったまま、数秒がすぎる。その間、少年は目を丸くしたままで、神域はそんな彼を楽しそうに目を細めながら見やっていた。どうも少年は、自分からキスをするのはいいが、相手からされるとどうしたらいいかわからなくなってしまうらしい。やっぱりガキだ、と神域は思った。
 神域が離れていっても、しばらく少年は固まっていた。そんな彼を見下ろして、神域は喉を鳴らす。
「ちょっと出てくるから、良い子に留守番してろよ」
「・・・どこ行くんだよ」
 声をかけられてようやく我に返った少年は言った。どこにも行かないで欲しい、と全身で訴えている。可愛いなぁ、と神域は思った。
「19を捕まえて来るんだよ。苛立ちまぎれにチンピラに喧嘩を売って警察沙汰になっても面倒だしな」
 その言葉を聞いて、少年の目に冷たい色が宿る。子供らしからぬ鋭さがあったが、しかし神域は怯えることはなかった。
「いいじゃん、あんなやつ。それよりも俺の相手をしてくれよ」
 調子が戻ってきたのか、不敵な笑みを浮かべながら少年が神域の腰に抱き付く。そんな彼の頭に、神域はぽんと手を乗せた。
「留守番できたらあとでご褒美をやるから、良い子にしてろ」
「ご褒美・・・」
 その言葉だけで、少年は素直に神域を解放する。いったいどんなご褒美をもらうつもりなのか、それを思って神域はもう一度喉を鳴らした。
 きっと青年も、ただでは家に戻ってこないだろう。そうなると、やはり代償が必要だ。きっと神域自身を求めてくるはず。
「ガキの相手は楽じゃねぇなぁ」
 それでもどこか楽しげに、神域は呟いた。


END





13がお子様すぎた・・・?いや、でも神域相手ならこれぐらいがいいと思います。
きっと市川先生とか鷲巣様相手だったらドS全開なんだろうけど。

ところでなんでアカギ達はナチュラルに同居してるんでしょうか。
・・・パラレルってことで。
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自己紹介:
1月14日生まれの新潟県民。

ジョジョラーでケモナーでおっさん&おじいちゃんスキーでSHK国民。
最近はfkmt作品に手を出してます。
乙一作品と三原ミツカズ作品と藤田和日郎作品も好き。
節操なしの浮気性です。
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