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おっさんと人外を中心によろずっぽく。凄くフリーダム。
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ボス猫シリーズです。イチャイチャのターン!
たぶんリゾットとボスが一番仲がいいのがこのシリーズなんだと思います。でもまだリゾットの片思いなんです。頑張れ、リゾット。
おまけはお母さんなホルマジオと子供なギアッチョです。









 今朝は静かだ。リゾットはそう思いながら重い瞼を開ける。一つの家に男が7人も住んでいるのだ。普段だってそれなりに騒がしいのに、ここ最近では誰の陰謀か猫の姿にされたディアボロもいる。猫を構いたい男達と、それをわずらわしがる猫。そりゃあ、いつにもまして騒がしくなるだろう。
 どうして今日はこんなに静かなのだろうと考えて、ふと思い出す。そういえば今日は自分以外はみな任務に出ているのだ。巨大な組織ともなれば敵も多くなる。暗殺チーム全員が一斉に任務に出るということも、まぁ珍しいことではない。それにしてもディアボロがここにいるのにちゃんと任務が回ってくるということは、今はいったい誰が組織を動かしているのだろう。もしかしたら、親衛隊の誰かかもしれない。ご苦労なことだ。
 他人事のように思いながらベッドから起き上がる。いつもなら自分にべったりなはずのディアボロが見つからないので、彼を探しにリビングに向かった。
「・・・戻ってるな」
 思惑通りにリビングにいた彼は、しかしリゾットの思っていたような姿ではなかった。いつの間にか、人間の姿に戻っている。ソファに座って新聞を広げながら読みふけっていた。
 最初に猫の姿にされて3日ぐらいは人間に戻ったり、また猫になったりと不安定だったが、最近は安定してきたのかずっと猫の姿のままだった。そしていつの間にかその光景が当たり前になっていたから、久しぶりに見た彼の人間の姿というのはどこか感慨深いものがある。
 寝起きでまだどこかぼんやりとした思考の中、リゾットは声もかけずにディアボロを眺めていた。だが視線に気が付いたのか、あちらの方からこちらに目を向けてくる。
「なにを突っ立っているんだ?」
 至極まっとうな問いだった。
「あんたに見とれていた」
「・・・寝ぼけているのか」
 呆れたように言う彼の言葉には答えずに、リゾットはディアボロに近づく。そして邪魔だと言わんばかりに彼の読んでいた新聞紙を取り上げて几帳面にたたむと、ソファの隅に放った。なにをするんだとディアボロが口を開いた瞬間リゾットは彼の足の間に体を入れ、ソファに片膝を付いて体重をかけると彼の顎を取って上を向かせた。そのまま開いた口にキスをする。ぬるりと舌を入れると、わずかに相手の体が強張ったが、すぐに力を抜いてきた。いきなりだったので抵抗されると思っていたが、案外素直だったので驚いた。どうやら彼も満更ではないようで、それをいいことに顔の角度を変えて更に深く口付ける。
「んっ・・・」
 ぴちゃぴちゃと水が跳ねるような音が不規則に聞こえた。呼吸が上手くできないのか、ディアボロの息が荒くなってきている。それでも解放しないでいると、飲み込めない唾液が口の端からつたった。顎を捉えている指でそれを拭ってやりながら、ガラになくがっついてるな、と思った。性に関しては淡白な方だし、そこまで欲求不満だったつもりもない。でも以前そうだったように、人間の姿をしてるディアボロを見ると無意識に欲情してしまう。
 こんなふうになんの抵抗もなく触らせてくれると勘違いしてしまいそうになる。彼も自分のことが好きなのではないかと。でもそうでないことをリゾットは知っている。彼が好きなのは自分の体と顔、そして忠誠心とスタンド能力だけだ。他の人間より気に入られている自信はあるが、それでも、お気に入り、程度の認識しかないだろう。
「酷いものだな・・・」
 顔を離しながら、ぼそりと呟いた。それは彼に対して言った言葉なのか、それとも彼のお気に入りということを利用してディアボロに触れている自分自身か、リゾットにはわからなかった。
「なんだ?」
 聞き取れなかったディアボロがリゾットの顔を覗きこんでくる。その金色の瞳を受け止める気分ではなくて、逃れるようにして彼の肩口に顔をうずめた。両腕で彼の体を抱きしめる。猫の時にその体を抱き上げることはあっても、人間の姿の彼を抱くのは久しぶりだった。
 やたらとスキンシップをしてくるリゾットに、ディアボロは好きなようにさせていた。いつもそこまで機嫌の悪い人物ではないが、ここまで機嫌が良いのも珍しい。おそらく久しぶりに人間の姿に戻れて気分が良いのだろう。
「どうしたんだ、今日は。やたらとくっついてくるな」
「やはり人間の姿のあんたがいいな、と思って」
 素直に言うと、わずかに彼が笑った気配がした。子供にするみたいに、頭をぽんぽんと撫でてくる。子供扱いはどうかと思ったが、彼も機嫌が良いし、嫌な感じもしなかったのでリゾットはそのままにさせておいた。
「朝食はどうする?特別に私が作ってやるが」
 それは魅力的な話だ。普段はリゾットや親衛隊に作らせたりしているが、実際は誰よりもディアボロの方が料理が上手だということを知っている。だがしかし、このまま彼にくっついていたいという気持ちもあった。
「あとででもいいか?」
「なんだ、まだ眠いのか?相変わらず寝汚い男だな」
「・・・まぁ、な」
 別にそういうわけではなかったが、他にどう返してみようもないので頷いておく。
「なら寝てくるといい」
 顔を上げてディアボロを見た。離れたくないからあとでと言ったのに。どうしようかと考えて、一旦ソファの上から膝を退けた。ソファの真ん中を陣取っていたディアボロを隅にやってから、ごろんとソファの上に仰向けになる。大きなソファではないので膝から先がはみ出て宙に投げ出されていたが、気にせずにリゾットは彼の腿の上に頭を乗せた。
 ディアボロは驚いたようにわずかに目を見開く。だがすぐに楽しそうに喉を鳴らして笑った。腕を動かして、手遊びでもするかのようにゆるゆるとリゾットの首筋や喉を撫でた。まるで猫を相手にするような手つきだった。くすぐったいのか気持ちいいのか、なんともいえない感覚だった。いつも自分はディアボロの喉を撫でてやっていたが、彼もこんな感覚だったのだろうかと思った。
 喉を撫でられるたびにまた眠気が襲ってくる。これなら一緒にいられるし、気持ちよく寝れそうだった。
「今日はお前が猫みたいだな」
 小さく寝息を立て始めたリゾットに、ディアボロは柔らかい声色で言った。たまにはこういうのんびりしたのも悪くはない、と思った。


おまけ

 さて、時を同じくしてドアをはさんでリビングの前。そこには共に任務を終えて帰ってきていたギアッチョとホルマジオがいた。二人とも気配を消しながら、少しばかりドアを開けて隙間からリビングの様子をうかがっている。どう考えたって、入りづらい。なにかピンク色のオーラのようなものがリゾットとディアボロから出ている。
「入れねぇって。なんとかしてくれよ、ホルマジオ」
「俺だってこんな空気の中に入っていく勇気ねぇよ」
「ならいっそのこと俺が行ってホワイトアルバムで二人を氷付けにするとか」
「それは下手したら二人に殺されかねないからやめとけ・・・」
 ホルマジオは小さくため息を吐く。別に同性愛者に偏見は持っていないが(メローネのセクハラで耐性付いてるし)、だからといっても場所を考えてイチャついて欲しい。気を使うのはこちらの方なのだから。
 大体からして、自分達が帰ってきたのにまるで気が付いていないふうの彼らがおかしい。ディアボロはどうなのかは知らないが、リゾットは人の気配に敏感なはずだ。なんだって今日に限って気が付かないのか。気が付いた上で無視をしているのか、それとも気を抜きすぎて本当に気が付いていないのかはわからないが。
「早くメローネとプロシュート帰ってこねぇかな」
 確か二人とも同じ任務だったはずだ。あの二人なら、この空気を気にせずドカドカとリビングに入っていけるだろう。だがギアッチョの願いも虚しく、ホルマジオは首をふる。
「あいつら、最低でも帰ってくるのは2日後だってよ」
「マジかよ・・・!腹減ったっつーの。早くメシ喰って休ませてくれよ」
 リビングを通らなければキッチンへは行けない。そしてリゾットは一度寝てしまったらなかなか起きないということは、暗殺チームの者なら誰でも知っている。
 どうするんだと、それほど気の長い方ではないギアッチョが苛々としながらホルマジオの胸倉を掴み上げた。
「外にメシ喰いに行くか」
 帰ってくる頃にはリゾットが起きていると願いながら、ホルマジオは言った。
「誰の金でだ?」
「・・・わかった、奢ってやる」
 胸倉を掴んでいた手が放される。先ほどまで眉間に皺を寄せていたギアッチョは、パッと明るい顔になった。こういうところを見ると、いくら暗殺者でもまだ10代だな、と思う。
「んじゃ、行くか」
 静かにドアを閉めながら、ギアッチョとホルマジオは帰ってきたばかりの家をあとにした。


END








こんなに甘えてるリゾットと寛容なボスを書いたのは初めてです。誰だこいつら。

ボスのかわりをつとめているのはティツァスクとカルネです。ボスに対してはともかく組織関係では真面目なティツァスク。
そして可哀想なカルネは毎日泣きそうになりながら連絡の取れないボスを探してます。
早く連絡を入れてあげて・・・!

なんだかんだで暗チで一番好きなのはマジオです。
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プロフィール
HN:
シノハ
性別:
女性
自己紹介:
1月14日生まれの新潟県民。

ジョジョラーでケモナーでおっさん&おじいちゃんスキーでSHK国民。
最近はfkmt作品に手を出してます。
乙一作品と三原ミツカズ作品と藤田和日郎作品も好き。
節操なしの浮気性です。
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