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今日国語の時間になまこという単語が出たんですよ。海にいるあれです。
先生が黒板になまこの絵を簡単に描いたんですが、どう見ても卑猥なものにしか見えません本当にありがとうございました。
超えだして笑いそうになったけど耐えました。あんなの授業中に反則だ!
授業終わってから写メで撮ろうと思ったけど、描いてすぐに消されたので駄目だった。ちくせう。


まぁ下ネタは置いておいて。多分はじめてまともに書いたトリディアです。
いつもお世話になっている某方に送りつけたもの。
よく新年早々こんな鬱々したものを送りつけたものだと思います。
ある意味トリッシュしか出てません。当社比でトリッシュがボス大好き。

 

 

 

 数日ぶりに帰ってきた我が家は、嵐でも通ったのかと思ってしまうほど荒らされていて、一瞬面食らってしまった。泥棒にでも入られたのかと思ったが、よく考えれば原因ははっきりとしている。私がペリーコロという老人にこの家から連れ出されてすぐに、パッショーネの暗殺チームが私の手がかりを求めて家捜しをしたのだ。
 母が写った写真の入った写真立てが床に落ちて壊れている。だが写真自体は盗まれてはいなかったので、私は安堵した。手を怪我しないように写真立てから写真を取り出すと、シワにならないよう気を付けながらポケットにしまった。
 背後から名前を呼ばれる。振り向くと父の遺体を抱えたスパイス・ガールがいた。私は戻って来たのだ。数日間の壮絶な戦いを経て、亡骸となってしまった父と共に、母との思い出が詰まった家へ。
 この家までジョルノが私達を車で送ってくれた。一週間後に、また迎えにくるという。天涯孤独の身となった私は、生活を保証してくれる代わりに、新たなボスが誕生したパッショーネに身を置くことを約束していた。
 父を母が使っていたベッドに寝かせる。死んでから一日も経っていないので、死後硬直はしているが遺体は綺麗なままだった。しかし一週間も待たないうちに腐敗し始めるだろう。ジョルノが与えてくれた一週間という猶予は、おそらくその間に遺体をなんとかしろということなのだ。
 ジョルノには感謝している。まさか父の遺体を私に譲ってくれるとは思っていなかった。その上、G・Eで殴られたことで体の破損した部分もまた、G・Eで創ってくれた。そうでなければ、彼の遺体は目も向けられないようなものとなっていたことだろう。
 ベッドサイドに腰を下ろすと、まだ張りのある父の頬を指先で撫でた。生前と変わらず、美しいままだ。もしかしたらまた動き出すのではないかと思わせるほどだ。しかしその不気味なほど冷たい肌は、死体のそれだった。
 輪郭の形を確かめるように、彼の顎に指を這わせる。飽きもせず、父の体を撫で続けた。初めての父親とのスキンシップが遺体とだなんて笑える。そもそも、潔癖症である私が死体に触っているということ自体驚きだ。どうして触れられるのだろうか。血が繋がっていたということ以外は、誰よりも他人だった男なのに。それほどまでに、血の繋がりというものは影響力があるのだろうか。それとももしかしたら、もっと別のなにかが存在しているのかもしれない。それは誰もが心のどこかに持っていて、プラスにもマイナスにも働く感情。それを与えることに幸せを感じる人間もいれば、貰うことに幸せを感じる人間もいる。私は貰う方だと思っていた。でもどうやら違うらしい。間違いなく今、私はもう目を覚ますことのない父に愛情をそそいでいる。笑いを通り越して滑稽だ。私のいだいている愛は、家族愛なんていう生易しいものを超えているのだから。それはおそらく娘が父親に一番いだいてはいけない類の感情だろう。だって、誰が想像できるだろうか。もうじき中学校を卒業する娘
のいる父親が、こんなに若くて美人だったなんて。そういう点では、私に罪はない。悪いのは今更になって私の前に姿を現した彼の方だ。
 体をかがめて彼の顔に自分の顔を近付ける。その唇に、触れるだけの軽いキスをしてみた。しかしやはりおとぎ話のように彼が目を覚ますわけもなく、私は自分の考えの幼稚さに苦笑した。
 それから数日間、私は父の遺体と共にこの家で過ごした。暗殺チームの者達に窓を割られたり家具を倒されたりして散々に荒らされてはいたが、なにかを盗まれたわけではないし、電気や水を止められたわけではないので、特に不便することなく生活できた。一人でできる範囲で家の片付けをしたり、父を埋めるための墓穴を庭に掘ったりして過ごした。暇な時は彼の髪を指先ですいてやりながら、私がまだ幼かった頃の話をした。あと、数週間前に母が死んでしまった時の話。
 母は風邪をこじらせて、それこそ呆気なく死んでしまった。あの時は何日間も泣いて過ごした。だからその二週間後に、父親に会わせてやるとペリーコロが私の元に現れた時は本気で驚いてしまった。そんなタイミングよく、事が運ぶものなのだろうか。結局、父も会ってからすぐ死んでしまったのだが。三週間前後の間に、それぞれまったく違う死因で両親を亡くす子供がどれくらいいるのだろうか。そんな事を考えてしまう。
 家に戻ってきてから五日が経った。驚いたことに、父の遺体は今なお綺麗なままだった。大部分をジョルノのスタンドで修繕したから、その影響かもしれない。本当に、畏怖の念をいだかせるほど強大な能力だ。
 もしかしたらずっとこのままの姿を保ったままなのではないかと思ってしまう。世界には何百年も腐敗の影響を受けずに生前の姿を保っている遺体があると聞いたことがある。しかしどちらにしろ、もう二日後にはジョルノが私を迎えにくるのだ。父の遺体をこのままにしておくわけにもいかない。
 私は決心すると、彼の遺体をバスルームに運んだ。服をすべて脱がせてから、冷たいシャワーの水を浴びせる。手にボディーソープをつけると、丹念にその体を洗った。体のいたるところに変色した血がこびりついていたが、指先でそこをこする。完全に脱力している彼の体は酷く洗いづらかったが、私は一時間以上をかけて彼の体や長い髪を洗った。
 体についた水滴をタオルで拭き取り、もう一度服を着させる。髪をドライヤーで乾かしてから、母の寝室に運び直した。仰向けに寝かせ、その顔に薄く化粧をほどこす。そこまでしてやると、もう死体になんて見えなかった。誰が見ても、眠っているようにしか見えないだろう。それに私は満足した。できることなら美しいままで土に埋めてやりたかった。
 彼の遺体はこの家の庭に埋めると決めていた。母と同じ墓に埋めるというのは、違う気がしたのだ。二人は結婚していたわけではないし、なにより父を私と母の思い出の場所に埋葬してやりたかった。
 あらかじめ掘っておいた穴に父を寝かせる。少し余裕を残して、彼の体は穴におさまった。ふと思い付いて、最初にこの家に戻ってきた日に回収し、それから肌身離さず持っていた母の写真を父の胸元に置く。
 シャベルを握り締める。先端には掘り起こしていた時についた土がついたままだった。今度は掘った土をかぶせるだけでいい。硬い土を掘り起こすよりも簡単な作業のはずだ。しかし私の手は動かない。シャベルを強く握り締めすぎて、指の皮膚が真っ白になっていた。
 今更になって、ぼろぼろと涙があふれだす。父が死んですぐには流さなかった涙が、私の頬をつたい地面に落ちた。このまま土をかぶせてしまうのが辛かった。母を火葬する時ですら、こんなに辛く感じなかったのに。母の時はまだ、きっと心のどこかに余裕があったのだ。彼女に火を付けたのは私ではなかったし、世界のどこかに父がいると思ってそれほど寂しくはなかった。だから二週間ほどで母の死から立ち直れたのだ。でも今は、父を埋めるのは自分で、そして今度こそ私は独りになってしまう。両親がいないというのは、どれほど孤独なことだろうか。まだ小さい頃、父親のいる家庭が羨ましかった。母がいてもまだ寂しいと感じた。それなのに、どうして両親がいないという孤独に耐えられるだろうか。どうして、やっと出会えた父に、一目見ただけで愛してしまった父に、土などかぶせられるだろうか。彼が最期まで娘を自分の手で殺せなかったように、私も父を埋葬することなどできない。
 シャベルを手から落とし、地面に膝をつく。両手で顔を覆いながら声を上げて泣いた。独りになるのは嫌だった。この世から自分と血をわけた者がいなくなるのが怖かった。泣きながら、こうなってしまった自分の運命を呪った。私はスタンド能力も父の遺した莫大な遺産もいらない。ただ、普通が欲しかった。毎日、両親と一緒に夕食をとるような、普通の家庭が欲しかった。誰もが持っているそんなありふれた光景が、欲しくてしかたがなかったのだ。私の願いはそれほどまでに高望みだっただろうか。もしこの世に神というものがいるのなら、平等というものを知らない神がいるのなら、私は声を張り上げて言ってやる。地獄に堕ちろ、と。
 私はもう一度シャベルをつかみ立ち上がる。そして、泣きながら愛しい父に土をかぶせた。
 翌日、私は一日中ベッドの中で泣いていた。泣きすぎて、なにが悲しくて泣いているのかわからなくなるほど泣いた。そして約束の七日目。私は家を出て花屋へ向かった。酷く目元を腫らしていたので店員に怪訝な顔をされたが、気にせずに目的の物を買った。
 買ったのは、花の種だった。名前はわからない。ただ、鮮やかな桃色の花が咲くものを選んだ。その種を、父を埋葬した場所の真上に植える。花など育てたことのない私に、当然種を植えるという行為も初めてで、勝手があまりわからなかった。種に土をかぶせるだけでいいものなのだろうか。疑問に思いながら、私は種を植えた場所に小さなジョウロで水をまいた。
 それが終わった頃、ジョルノが私を送ってくれた時と同じ車で私を迎えにきた。庭にうずくまって目元を腫らせている私を見てしばらく沈黙していたが、やがて、いいですか、と尋ねてくる。それはきっと、父親との別れはすんだかという意味合いが含まれていたのだろう。私は無言で頷いた。
 車の助手席に乗り込む。そして家の方を見た。次に私がこの家に戻ってくる頃には、父の養分を吸って美しく咲き誇っている桃色の花が見れることだろう。

 

END

 

 

 

最初は一つの部屋でトリッシュがジョルノの能力のせいで日に日に植物になっていくボスの死体と同居する、という感じの話になる予定でした。
でも内容があまりにもアレな上に短くなりそうだったので廃案に。
とりあえずボスをどうにかしたくてしょうがないです、愛ゆえに。

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シノハ
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女性
自己紹介:
1月14日生まれの新潟県民。

ジョジョラーでケモナーでおっさん&おじいちゃんスキーでSHK国民。
最近はfkmt作品に手を出してます。
乙一作品と三原ミツカズ作品と藤田和日郎作品も好き。
節操なしの浮気性です。
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