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短い話用に書いていたのですが、中途半端に長くなってしまいました。
駄目な父親しかいません。

五部ナレフって三部と同じノリで書けばいいのかそれとも落ち着いた感じに書けばいいのかわかりません。
どっちがいいんでしょうか。







 珍しくディアボロが自分の元へ来たと思ったら、いきなり相談事をされてしまった。プライドの高い彼がそんなことをするのは意外だったが、それだけ彼にとって重要なことなのだろう。しかしだからといって、いくらディアボロより自分の方が少しばかり年上だからといって、ポルナレフにしてみれば困る質問だった。
「娘とどう接したらいいか、なんて聞かれても困る。私には娘どころか家族もいないからな」
 相談できるような相手が自分ぐらいしかいないというのはわかるが、やはりこればかりはしょうがない。下手なことを言ってギクシャクしつつもなんとか上手くやっているディアボロとトリッシュの家庭を乱すわけにもいかない。
「おそらく、私以外に相談したところで、ディアボロの満足するような回答は得られないだろう。お前のところはその・・・ちょっと複雑だからな」
 本人もそのことをよく理解しているのか、ディアボロはなにも言わなかった。ただ悩ましげに一つだけため息を付く。こうやって見ると巨大なギャングの組織を束ねていた元ボスもただの父親だな、とポルナレフは思った。彼のトラウマを抉ることもないので、口に出しては言わないが。
 大嫌いなジョルノと遭遇する危険もあるため来たくもないパッショーネのアジトへわざわざ来て、自分に相談を持ちかけてきたのだからなにかしてあげたいのは山々だ。どうしたものかと、ポルナレフはしばらく考える。すると、脳裏にいつも帽子をかぶった一人の男が浮かびあがった。
「私はお前の相談に乗ってやれないが、良いアドバイスをくれそうな人物に心当たりがある」
「本当か?」
 ディアボロは顔を上げてポルナレフを見た。
「あぁ。お前と同じ一人娘を持つ父親で、優秀な海洋学者だ。頭も良い」
「学者だと?お前にそんな大それた知り合いがいたとはな」
 馬鹿にしているように聞こえるが、これが彼の素なのでしょうがない。そろそろ付き合いも長いので、ポルナレフもディアボロの性格に慣れつつあった。
「意外でもないだろう?現に私にはネアポリス一の巨大組織の新旧どちらのボスとも知り合いじゃないか」
「嫌味か、貴様」
「別にそんなつもりはなかったが・・・」
 相手をあしらいながら、ポルナレフはポケットから携帯電話を取り出して旧友の携帯電話にかける。忙しい身の男だ。今は時間が取れるだろうか。
 小さなそれを耳元に当てているポルナレフを見て、今時の幽霊は携帯電話なんて使うのかとディアボロは思った。そういえば普通に食事もとっているようだし、彼は本当に幽霊なのだろうか。本人に尋ねようと思ったが、確かに自分がこの手で殺した記憶があったので、ディアボロは黙ったまま相手の様子をうかがった。
 しばらく呼び出し音が鳴った後、携帯電話が繋がる。
「承太郎、久しぶりだな。少し時間が取れるか?聞きたいことがあるんだが・・・」
 親しげに発せられたポルナレフの言葉を聞いて、ディアボロは驚く。承太郎、とは、あの空条承太郎のことだろうか。確かヒトデの論文で博士号をとった日本人だ。なんだってそんな海洋学の世界で有名な人物とポルナレフが知り合いなのだろうと、ディアボロは不思議に思った。
「その前にお前の話を聞いてくれって?別に構わないが。珍しいな、承太郎からそんなことを言ってくるなんて」
 承太郎がなにを言っているのか、ディアボロの耳にまでは届かない。ただ、わずかにポルナレフの眉間に皺が寄ったのを見てとった。
「この間、2ヶ月ぶりに家に帰ったらジョリーンちゃんに真顔で、あんた誰?って言われた?まぁ子供の記憶力はあてにならないからな。それにあまり家には帰ってないんだろう?」
 ポルナレフの言葉を聞いて、ディアボロのテンションが一気に下がる。ジョリーンというのは、話の流れからして承太郎の娘の名前なのだろう。誰、だなんて、きついな、とディアボロは思う。承太郎にしてみれば、15年間娘を放置していたディアボロに同情されたくもないだろうが。
「おい、いい歳をして泣くな。・・・泣いてない?わかったから鼻をかめ。グズグズうるさいぞ」
 携帯電話からかすかにすすり泣いているような音がもれ聞こえた。果たして今、ポルナレフが電話をしている相手が本当に自分の知っている空条承太郎なのかとディアボロは疑ってしまう。彼の論文を何度か読んだことがあるが、その文面から受ける印象と今、電話越しにすすり泣いているであろう彼との印象が違いすぎる。
「とりあえず、一回電話切るからな。そしたらジョリーンちゃんに電話してやれ。私相手にそんな泣き言を言っているよりはずっといいと思うぞ。・・・私の用事?・・・いや、やっぱりなかった。なんでもない」
 どんな偉大な海洋学者も、やはり娘の前ではただの父親であるらしかった。
「じゃあな、家族は大切にしろよ。・・・あぁ、ジョリーンちゃんやジョースターさんによろしく」
 携帯電話を切り、ポルナレフは深いため息を付く。予想外すぎた。まさかあの承太郎が娘に手を焼いているとは思わなかった。しかしよく考えてみれば、あのタイプの男が甲斐甲斐しく娘を可愛がっているというのも想像できない。可愛がりたいのは山々だが、どう接していいのかわからないのだろう。そういう意味では、ディアボロと承太郎は一緒だ。そんな彼に相談をしてもしょうがない。
「すまない。ちょっと予想外のことが起きた」
「あぁ。なんとなく、そんな感じが伝わった」
 もう一度、今度は二人同時にため息を付く。つくづく、この世の中は上手くいかない。
「まぁお前の場合、トリッシュから父親として認識されているんだからまだましなんじゃないのか」
 どんなに考えても、そんな慰めの言葉しか出てこない。そんな簡単に15年間の穴と、娘を自分の手で殺そうとしたという事実が消えるわけではないし、そう考えるとディアボロの今の状況は物凄くましなんじゃないかと思えてくる。下手をしたら逆に娘に殺されていてもおかしくはないのだから。おそらく承太郎から見れば、今のディアボロは羨ましい限りだろう。
「上には上が・・・いや、下には下がいる、ということか・・・」
「そう考えて自分を慰めるしかないな」
「鬱だ・・・」
「死ぬんじゃないぞ。ただでさえ死にやすいんだから」
「昔の私と一緒にするな」
 横目で睨んでくるディアボロを流しながら、ポルナレフは自分の周りにはろくな父親がいないな、と思った。




END






個人的にボスとポルナレフが仲が良かったらすごく萌えです。
「お互いがお互いのせいで一回死んでるし、もう昔のことは水に流さね?」みたいな感じだったらいい。
二人でたまに酒盛りとかしてればいいと思います。酔ったボスがポルナレフにトリッシュ自慢したりジョルノの愚痴を言ってたりすればいい。
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1月14日生まれの新潟県民。

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最近はfkmt作品に手を出してます。
乙一作品と三原ミツカズ作品と藤田和日郎作品も好き。
節操なしの浮気性です。
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