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すみませんリヴリーです。擬人化です。うちのムシチョウと私のアイドル、オオムシチョウ様です。
うちのムシチョウは♂でプラテリなし。白に近い灰色の体。擬人化すると見た目は20代半ばだけど実際は40代半ばという不思議ちゃん。ちなみにサブです。
メインはヴォルグです。ただいま目に悪いピンク色に色変え中。
いろいろマイ設定がひしめいてますが、さらっと流すように読んでやってください。ただムシチョウへの愛が爆発しただけのものなので。ムシチョウ可愛いよ、マジで可愛いよ。
明らかに他の部屋とは雰囲気の違う場所だった。壁や敷かれているタイルのせいで、部屋全体に赤みがかっている。そのタイルの割れ目からは、やはりどこか赤みがかった草花が生えてきていた。
天井からは数多くのフラスコがぶら下がっている。その中には赤紫色の液体と、まだまだ未熟な生命が入れられている。この部屋を訪れた男も、何十年も前はこのフラスコの中に入れられていた。
部屋の隅にある巨大な天蓋付きベッドに近づく。そこには一人の初老の男が眠っていた。いつも頭に頂いている王冠は、流石に今はかぶっていない。
彼は一日の大半の時間を睡眠に費やしている。眠るのが好きなのか、それとももうそうしないと体がもたないのかは、長い付き合いだったが未だに男は図りかねていた。
規則的な寝息を立てている老人に、男は手を伸ばす。しかしその手が相手に触れることはなかった。瞬間、布団の下からふさふさとした毛で覆われた、太く長い尻尾が伸びてきて、男の手首をとらえた。
「眠っている者を襲うように教えた覚えはないけど」
からかいを含んだ声だった。見れば老人は楽しげに目を細め、男を見上げている。起きていたらしい。いったいいつから起きていたのだろうか。
「人聞きの悪いことを言うな。それに、俺はお前から何一つ教わった覚えはない」
「あれ、そうだっけ」
くすくすと喉を鳴らして笑う。とたんに、実際の年齢よりも幼く見えた。というよりも、そもそも男は彼の正確な年齢を知らない。そして名前も知らない。ただずっと前からこの城に住んでいて、錬金術でムシチョウを生み出している。この世界の全てのムシチョウ種は彼によって生み出されていた。もちろん男も例外ではない。
GLL城にある火ノ間。通称オオムシチョウノ間。そして彼が、オオムシチョウと呼ばれている全てのムシチョウの父であり王。もう何百年も姿を変えずに、そこに在り続けているのではないかという噂もあった。それだけ、謎の多いリヴリーだ。
「それで?眠っていた僕をわざわざ起こすほどの用事って、なにかな」
男の手を解放してやり、老人は上半身だけを起こす。やはり目を細めたまま、男を見た。その目は好奇心に輝いている。
「子供が父親に会いに来るのに理由がいるのか?」
言いながら唇を歪め、人の悪そうな笑みを浮かべた。昔はあんなに可愛かったのに、今じゃこんなにすれちゃって、と老人は内心で思う。
男はベッドの縁に膝を乗せると、片手をついて体を支えた。そしてもう片方の腕を伸ばし、老人の顎をとる。ゆっくりと、顔を近づけていった。しかし老人は動じない。男のこの手の行動には慣れている。
「意中のお子様には手を出さないのに、僕になんかにちょっかいを出してていいのかい?」
もう少しで互いの唇が触れ合うというところで、男の動きがぴたりと止まる。目を丸くして、驚いたような顔をしていた。いつでもどこか余裕のある雰囲気を持っているため、男がこんな表情をするのは珍しい。思わず、老人の笑みが深くなる。
「なんて言ったっけ?君の好きなお子様。確か黒バナナピールの・・・」
「ちょっと待て」
いつもより早口に男が制止をかける。体を離し、探るような目で相手を見た。流石にもうあからさまに驚いたような表情はしていないが、微妙に顔が引きつっている。
「俺はそんな話などしたことはないはずだが?」
「僕のところにくる物好きは君だけじゃない、ってことだよ」
男の脳裏に、二人の女性が浮かぶ。男が居候している島の二大権力者。まさか彼女達が話したのか。女三人寄ればかしましいというが、彼女らは一人でも騒がしい。二人揃えばさぞかし煩いことだろう。
「意中のお子様は振り向いてくれないのに、ムシクイの双子ちゃんにはモテモテなんだって?」
おかしくておかしくて仕方がない、という様子で老人が言う。男は思わず奥歯を噛みしめた。
あの女、余計なことを…。
内心で蜘蛛女とヴォルグ女に呪詛を吐く。一番知られたくない相手に、自分の弱みを握られてしまった。普段からこの老人には敵わないでいたというのに。
「ちょっかい出すだけじゃなくて、ちゃんと好きだ、って伝えてあげたら?」
「煩い。ちょっと黙ってろ」
次から次へと精神攻撃を繰り出す老人を黙らせるため、男は改めて相手に顔を近づける。今度こそ、口付けをするはずだった。
「甘いよ、ジャリっ子」
老人の尻尾が伸びてきて、男の額を軽く小突く。その瞬間、ふっと男の体が変化した。人間の姿から、体が長い毛で覆われた元のムシチョウの姿へ戻ってしまう。
「なっ・・・?」
予想外の出来事に、男は声を上げる。普通のリヴリーとは違うとは思っていたが、まさかこんなこともできるとは思っていなかった。
男が目を白黒させていると、老人はチャイムの魔法を使う。すると次の瞬間には、この城で老人に仕えているミニリヴリー達が大勢現れた。なぜみんながみんな幼児の姿をしているのかは、GLL城七大不思議の一つだ。
「およびですかぁ、きんぐ」
一人が間延びした口調で言うと、他のミニリヴリー達も同じ台詞を同じ声で、口調で、繰り返す。
「お客様がお帰りだよ。玄関まで運んでおあげ」
「いえす、きんぐ」
ミニリヴリー達がみんなで元の姿に戻った男を持ち上げる。見かけによらず豪腕だ。頭上で支えながら、ミニリヴリー達は玄関に男を運ぶべく歩き出した。
「え、ちょっと待て・・・待て!」
慌てて男が老人を見る。しかし老人はベッドの上で笑いながら、ゆるゆるとこちらに手を振っているだけだった。
「城の外に出たらまた人型に戻るから安心して。でも一歩でもこの城に入ったら、またその姿になるよ」
男が大人やモンスターにはともかく、小さな子供には手を上げないということを知っている。というよりも、普段接しないので接し方がわからないだけなのだが。ともかく、男がミニリヴリー達を傷つけることはない。だから、たぶんあのまま運ばれていくのだろう。
GLL城は一般のリヴリーに開放している。入り組んだ場所にあるこの火ノ間まで来る者は少なくとも、普段からかなりの数のリヴリーが城を出入りしていた。そして男は目立つのを嫌い、普段はあまり出歩かない。子供に運ばれているムシチョウというのはさぞかし目立つだろうなぁ、と老人は笑った。これだけこの城に来たのを後悔させておけば、しばらくはちょっかいを出しに来ないだろう。
「今度、彼女達が遊びに来たらお礼を言わなくちゃね」
面白いものを見せてもらえたから。
喉を鳴らして笑いながら立ち上がり、ベッドサイドの丸テーブルに置いていた王冠をかぶる。そして、遊んだことだしそろそろ仕事をしようと、新たな命を生み出すべく天井からぶら下げられているフラスコに近づいた。
END
オオムシチョウは私のアイドルです。いつかリヴでオオムシチョウが目覚めるイベントとかやって欲しい。
リヴはリアルにいたら絶対可愛いだろ、っていうの多いですよね。もふもふっ子が多くて幸せです。
プリミティブシリーズが好きです。もうみんな可愛すぎる。Pパキケがもふっもふで好きです。普通のパキケはあんまり好きじゃないけどPパキケは大好きなんだ・・・!
Pパキケ×Pブラドを倍プッシュ。
Pムシチョウは出るんでしょうか。楽しみにしてるんですが。Pシリーズの特徴はなんといっても野性味ある体ともふもふ。
ムシチョウが今以上にかっこよくなってもふもふになるわけだ。物凄く楽しみです。
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