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http://www.nicovideo.jp/watch/sm1291535
これ見て泣いた。真赤な誓いとうしとらのシンクロ率が異常すぎる。
いまアニメをリメイクして放送したら絶対にうけると思うんですけどね、もちろん全編やるの。

うしとら、ガンガン行きます。うしとらはホモにしたいのにホモにするのに抵抗があるから不思議だ。
イズナ、威吹、一鬼は遠野仲良し三人組だと思います。
うまくイズナがまとめてくれてそう。
やっぱり威吹が一番年下なんでしょうか。300歳ってことはかがり達より年下なわけだし。

 

 


 遠野に戻ってきてから、ずっと考えていた。潮という人間の言っていた『好き』とはなんだろうか。好きだから誰かを助ける。好きだから誰かを信じる。そんな感情は、カラス天狗である威吹にはわからない。あるのはただ長を守らなければいけないという使命感だけだ。
 求嵐に貶められそうになった時、救ってくれたのは潮だった。あの時確かに、威吹の中で初めてともいえる感情が生まれた。使命感からではなく、自分から潮を守りたいと。しかし結局、そう感じたのはあの時だけで、今考えればどうしてそんなふうに思ったのかはわからない。
「よう、威吹。なに思い詰めたような顔してんだよ」
 声をした方を見ると、明るい表情をしたイズナがふわふわと浮遊していた。威吹と違い、いつもどこか騒がしい妖。しかし威吹は、このまったく性格の正反対な妖に対して不快に思ったことはなかった。
「・・・いつも思うのだが、イズナは自分の考えていることが読めるのか?」
「はぁ?そんなわけないだろ。なにを藪から棒に」
 先程とは一変して、心底から不思議そうな顔をする。潮もそうだがイズナもまたころころと表情が変わる。種族上、人間の近くにいることが多いからなにかしらの影響を受けているのかもしれない。彼は人間が言っているのを覚えたのか、威吹の知らない外来語を使うこともある。
「自分を見て、思い詰めたような、と言っただろう。なぜ、それがわかった?」
 尋ねると、イズナはあぁあれか、と言いながら納得したような顔をする。そしてすぐにどこか意地の悪そうな表情で笑った。どうしてここでそんな表情をするのかがわからなくて、威吹は内心で不思議に思う。
「なぁ、今、どうしてオレがこんな顔をするのかわからない、って思ったろ?」
「・・・どうしてわかった」
「簡単だっての。お前、思ってることが顔に出るからな」
 言われて、再び驚いた。今まで逆のことは散々言われてきたが、そんなふうに言われたのは初めてだった。
 イズナがおかしそうに笑い声をあげる。どうやらまた、思ってることが顔に出たようだった。笑われることに対してじわじわと不快感が込み上げてくる。彼に対してそんなふうに思うのは初めてだった。
「そんな顔すんなって。笑ったのは謝るからよ」
 ぽふ、とふさふさな尻尾でクチバシを軽く叩かれる。しかし口で言いつつも、イズナの顔はまだ笑ったままだった。
「お前さ、自分で気が付いてないかもしれねぇけど、結構表情豊かなんだぜ?」
「なに・・・?」
「ぱっと見はすっげぇ無愛想そうに見えるけど、付き合ってみると全然そんなことないよ」
 イズナ自身、初めてまだ幼かった威吹を見た時は、なんて無愛想そうな妖だろうと思った。しかしよく観察していると、その考えが間違いだったということに気が付く。そこまで露骨に思っていることは顔に出ないが、それでもふと見ると機嫌が悪そうだったり、不思議そうだったり、そして小さく笑っている時すらある。妖は互いにあまり干渉しあわないし他の妖には興味を持たないから、普通は威吹のそんな些細な変化に気が付かない。だから彼自身も自分の変化に鈍いのかもしれない。
「オレさ、威吹の笑ってる顔好きだぜ。滅多に見れねぇけど」
「好き?」
「あ、言っとくけどラブじゃなくてライクの方な」
 どこか慌てたようにイズナは付け足したが、威吹は外来語がわからなかったため適当に相槌を打つ。それよりも、先程イズナに『好き』だと言われたことの方が重要だった。
 イズナもまた、自分のことを好きだと言う。それはどういう意味を持つ言葉なのだろうか。いや、意味ぐらいは知っている。しかしどうしてそんな感情が生まれるのだろう。好きとはどんな感情なのだろう。ここ数日、威吹はそればかりを考えていたが、答えを見つけることはできないでいた。
「好き、とはいったいどのような感情だ?蒼月潮にも言われたのだが、自分にはわからない」
 威吹の問いに、イズナは腕を組んで難しそうな顔をする。真剣に考えているのがはた目からでもわかった。
「んー・・・、こればっかりは感覚的なものだから、口で言うのは難しいな」
「感覚、か」
「そう、自然にそういうふうに思うものなんだよ」
「自分はそんなふうに思ったことはないが・・・」
 自然に、なんて言われると戸惑ってしまう。まるで自分が普通ではないみたいだ。
「誰か他人にじゃなくても、なんでもいいんだよ。威吹にも好きな食い物とかあるだろ?その『好き』を何十倍もすごくした感じ」
「これといって好きな食べ物はないが」
「じゃあ美味しい、って思うものは?なんかあるだろ」
 好きかどうかは別として、確かに美味しいと感じるものはある。威吹が頷くと、イズナはニコリと笑った。
「些細なことでも、今はそれさえ感じられてればいいと思うぜ。感情なんてあとからいくらでも付いてくるし、自分の気付かないうちに好きになってる、ってこともあるしな」
「そういうものなのか?」
「そうだって。それにもしかしたら、威吹が気が付いてないだけで、もう好きなものがあるかもしれない。お前、変なところで鈍いし」
「鈍くて悪かったな」
 むっとしたように言う威吹をからからとイズナが笑う。それを見ながら不快とはまた違う感情が威吹の中に生まれた。むずむずするような感じ。たぶんこれが、人間でいうところの『恥ずかしい』というものなのかもしれない。
「オレが思うに、さ」
 一仕切り笑ったイズナは、どこか真剣な声で言った。
「威吹がそんなふうに疑問に思ったりすること自体、進歩だと思うんだよ」
「と、いうと?」
「だって、今までの威吹なら絶対にそんなこと思わなかっただろ?」
 確かに、イズナの言うとおりかもしれない。潮という人間に出会わなければ、こんなふうに考えることもなかっただろう。
「ホント、すげぇやつだよな、うしおって。良い方向に物事や人間、妖まで変えちまう」
「そうだな・・・」
 威吹の小さな相槌を聞き逃さなかったイズナは、とても嬉しそうに笑う。やはり威吹はなぜ彼がそんな表情をするのかわからなかったが、嫌な感じはしなかった。
「さーて、笑うと腹が減るし、美味いもんでも食いにいくか」
「どこにだ?」
「雷信とかがりのとこだよ。雷信の作る料理は美味いんだぜ」
 イズナが威吹の肩に乗る。どうやら運んでもらう気らしい。
「あ、一鬼や長も誘うか」
「長はともかく、応じるだろうか、あの一鬼が」
「嫌よ嫌よも好きのうち、ってな。引っ張ってでも連れてくさ。メシは大人数で食った方が美味いしな」
「そうなのか?」
「そうだって。断言できるね」
 論理はよくわからないが、でもそれも悪くはない。威吹はそう思うと、一鬼達を誘いに行くために翼を大きく広げて飛び立った。

 

END

 

 

威吹の自分、ていう一人称が大変可愛らしいと思います。たまに私になるけど、それもまた可愛い。ていうか威吹自体が可愛いです。
原作をよく見ると威吹って結構表情豊かですよね。笑ってたり呆れてたり。どこまで可愛ければ気が済むんだ。
22巻でイズナを心配している威吹は至極。

雷信は主夫だと信じて疑っていません。5、6巻でうしおに料理を作ってたのは間違いなく雷信。

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自己紹介:
1月14日生まれの新潟県民。

ジョジョラーでケモナーでおっさん&おじいちゃんスキーでSHK国民。
最近はfkmt作品に手を出してます。
乙一作品と三原ミツカズ作品と藤田和日郎作品も好き。
節操なしの浮気性です。
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