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馬で短い話を。
SBR14巻を読んで馬には無限の可能性があることを知りました。
荒い呼吸を整えていたヴァルキリーは、やがて一際大きく息を吐いた。
「ジャイロもジョニィもいったいなに考えてんだよ!無理だろ、あんなワイヤーの上を渡るとか。なんか行かなきゃいけない雰囲気だったから渡っちまったけど無理だろ!」
つい先ほど道とは呼べないような道を渡り、ずっと下の方に見えた地面を思い出しながら、ヴァルキリーは一気に言った。普段から多少の無茶をする飼い主だったが、まさかあんな綱渡りめいたことをするとは思わなかった。しかも全力疾走で。
「なんだかんだ言って、ちゃんと渡ってこれたじゃない。えらいえらい」
「子供扱いすんじゃねぇ!」
どこか機嫌よさそうに言ってくるS・Dに、ヴァルキリーはほとんど条件反射的に言い返す。
ワイヤーを渡る直前までこの二匹の馬の間で、行けだの無理だのという嵐のような問答が続いていたことをジャイロ達は知らない。
「つーか、なんでそんなに楽しそうなんだよ」
「うん?だって、あんな体験、めったにできない、じゃない。だから、嬉しくって」
あれはもう走るのを楽しむとかそういう次元ではなかったと思うのだが。ヴァルキリーはそう思ったが、結局なにも言わない。きっと、彼とは頭の作りが根本的に違うのだ。
ヴァルキリーが諦めたように深いため息を吐いた横で、S・Dはふとこちらに駆け寄ってくるような蹄の音を聞いてそちらに目を向けた。見れば黒い毛色に額に白い筋を持った馬が近づいてきている。ポコロコのヘイ!ヤア!だ。
「なぁなぁ!あんた達すげぇな!さっきの、どうやって渡ったんだ?」
ハイテンションで話し掛けられる。うるさいのがきた、とヴァルキリーは思った。
「渡るとき、怖くなかったか?どうしてあんなとこを渡ろうと思ったんだ?」
次々と質問を投げ掛けられる。しかしS・Dは気分を害したふうはなかった。
「怖くない、わけじゃないけど、でも、マスターと一緒、だったから。マスターと一緒なら、そこに道があるかぎり、走るよ」
「おぉ!かっこいいな、お前」
「ありがとう」
気分を害するどころか、さらに機嫌が良くなっているようにヴァルキリーは見えた。もともとどの馬とも仲良くできる彼だが、ヘイ!ヤア!とは殊更相性が良いらしい。当然、ヴァルキリーにしてみればおもしろくない。
「つまんねぇ・・・」
そんな小さなつぶやきを聞き逃さなかったヘイ!ヤア!は、今度はヴァルキリーに質問の矛先を向けた。
「なにが?なんでさっきのレースで一位だったのにそんなに元気がないんだ?」
「うるせー!ちょっと黙ってろ!」
怒鳴られてしまい、どうしてヴァルキリーが怒っているのか理由がわからないヘイ!ヤア!は目を丸くする。
「スロー・ダンサー、なんで俺、怒られたんだ?」
「さぁ、どうしてだろう。ヴァルキリーに、聞いてごらん」
この一言で、ヘイ!ヤア!の質問責めに拍車がかかる。ヴァルキリーはS・Dを睨んだ。間違いなく、S・Dはこの状況を楽しんでいる。
「そろそろ、シルバー・バレットがゴールする頃、だろうから、私は様子を見てくるね。脚の調子も、気になるし。二人とも、仲良くね」
きびすを返そうとするS・Dを、ヴァルキリーは慌てて呼び止める。ヘイ!ヤア!とは二人きりになりたくないし、S・DとS・Bを二人きりにしたくない。
「待てよ!なんで俺がこいつと仲良くなんて・・・」
「ヴァルキリー」
瞳を覗き込むようにして目を合わせられ、ヴァルキリーは思わず口をつぐんでしまう。
「仲良く、ね」
「・・・はい」
有無を言わさぬ声色で言われ、ヴァルキリーはぎこちなくうなずいた。それに満足したのか、S・Dは今度こそきびすを返してゴール付近まで歩いて行く。
その後、ヘイ!ヤア!のマシンガントークと質問責めは、S・DがS・Bと共に戻ってくるまで続いた。
END
ヘイ!ヤア!は子供っぽくておしゃべり大好き、というイメージがあります。もちろん男の子。
スロー・ダンサー達も敵に襲われたりワイヤーを渡ったりで無茶なことしてるけど、ヘイ!ヤア!も岩を上ったり牛で滑ったり無茶なことしてますよね。
ところでポコロコのスタンドはたいへん可愛らしいと思います。もう名前って出たんでしょうか。
ジャイロの守護精霊(?)も好きです。いつになったら再登場するんだろう。
六部のスタンドは全体的にがっかりだったけど、SBRで盛り返してきて嬉しいです。能力的にもデザイン的にも。
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