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こんなマニアックな話を読んでくださっている方がいると知って嬉しいボス猫話の続きです。
過去の話はhttp://nandemonai000.b.to/jogio0/から。
みんなにホントのことを言いましょう。
早朝からリゾットの部屋に暗殺チームのメンバーが全員集まった。彼らの視線は、見慣れないピンクの髪を持つ男に注がれている。人間の姿に戻ったディアボロは、服がないのでとりあえずシーツにくるまっていた。彼と一番身長が近いメローネが服を貸すと言ったのだが、体格が合わなくてきついのが嫌だとわがままを言う。十中八九、ただたんにメローネの服を着たくないだけだろうが。メローネの服を着るというのはある意味、バツゲームだ。
「で、そいつが昨日の猫、ってわけだな?」
「そいつじゃない。ディアボロだ」
ディアボロの不機嫌そうな声を無視しながら、プロシュートはリゾットを見る。相手はようやく覚醒してきたようで、割とはっきりとした目でプロシュートを見返しながら頷いた。
「なんで初めからスタンド攻撃受けて猫の姿になったと言わなかったんだよ。最初に言ってたほうが、誤解がねぇだろ?」
ホルマジオはみなが思っていることを代表して言う。一度だけ、リゾットとディアボロは顔を見合わせた。まさかこのピンクのおっさんがソルべやジェラートを殺したパッショーネのボスだなんて言えない。
「・・・プライドの高い人間なんだ。それなのに、猫になりました、なんて、言えるわけないだろう?むしろ不思議なのはメローネの方だ。いつからディアボロが人間だと気が付いていた?」
話題を逸らそうと、矛先をメローネに向ける。すると、彼はなんでもないように微笑んだ。
「一目見た時から、なんとなくそんな感じがしてたんだ。リーダーの挙動もいつもと微妙に違かったしな。それに、男には敏感なんだよ、俺は」
最後の一言を言わなければ、尊敬できたというのに。誰もがそう思った中、ギアッチョがゆらりとした動きでディアボロに近づいた。なんとなくその雰囲気が怒気をはらんでいるのに気が付いて、ディアボロは警戒する。
「テメェ、いったいどうしてくれんだよ」
「・・・なんのことだ?」
意味がわからない、という風にディアボロが返すと、ギアッチョは相手の長い髪の毛を鷲づかみにした。彼が突然キレるのは日常茶飯事だが、流石に相手が相手なのでリゾットはわずかに息を呑む。
「貴様・・・!」
「昨日、誰のためにあれだけ猫用品買ってきたと思ってやがんだ?全部無駄になったじゃねぇか!」
「そんなことなど私が知るか!勝手に買ってきたのはお前らの方だろうが」
離せ、と言うようにディアボロは自分の髪を鷲づかみにしているギアッチョの手首を強い力で握る。しかし怖いもの知らずの相手はひるまなかった。
「私が貴様らが買ってきた分の金を払ってやる。それでいいだろう」
「そんなこと言ってんじゃねぇよ。どうせあの金は全部プロシュートが出したんだからな」
やっぱりか。そう思ったが、誰も口には出さない。ただ、黙って事の成り行きを見守る。
「昨日、俺がわざわざペットショップまで行った労力をどうしてくれんだ、っつってんだよ!『時は金なり』だと?金じゃあ時間は買えねぇだろうが!」
微妙にことわざの意味を履き違えているギアッチョが、一瞬にしてスタンドを身にまとう。ここまで来てようやく、リゾットは彼を止めようと動き出した。今のディアボロがスタンドを発現させることができるのかどうかは知らないが、家の中で戦われては困る。そして互いに傷付けあうのは、もっと困る。
まだ氷らせこそはしないが、抑えきれていない冷気で吐く息が白くなる。髪をつかまれたままディアボロが上目遣いにギアッチョを睨んだ。一瞬だけ彼の姿が二重に歪んだように見える。K・Cが発現し、本体と同じようにギアッチョの手首をつかんだ。
「よさないか」
制するように少し声を鋭くしてリゾットが言う。しかし一触即発ともいえる状況の中で、彼の声は二人には届かなかった。
ギアッチョの手首をつかんでいるK・Cの手が微かに氷で覆われる。スタンドのダメージに合わせて、本体であるディアボロの手も同じ場所が氷で覆われた。しかしディアボロは動じない。もう片方のK・Cの拳を強く握り締めた。相手が攻撃してくると見て、ギアッチョも更に強い冷気を放つ。
「よせ、と言っているだろう」
二人が本格的に攻撃に入る前にリゾットはメタリカを発現させた。その瞬間、ディアボロとギアッチョは口から直径一センチほどの鉄の玉を大量に吐き出す。大きな音を立ててその鉄の玉は床に落ちた。
敵を攻撃する時のように(メローネへのセクハラの制裁は別として)剃刀を鉄分で作ったわけではないので、吐き出したときに口の中を怪我をすることはないが、それでも大量の鉄分を消費することには変わりはない。急速に体の鉄分が足りなくなったディアボロとギアッチョはスタンドを解除すると荒い呼吸を繰り返した。しかしいくら息を吸っても体に酸素が回らない。立っていられなくなったギアッチョは、崩れるようにしてその場に膝を着いた。
「り・・・リゾット」
「流石に・・・やりすぎじゃねぇか?リーダー・・・」
途切れ途切れにか細い声で二人が抗議する。しかしリゾットは、そんなことはない、といつもの調子で言った。
「お前達が本気で争ったら、こんなものじゃすまなかっただろう。少なくとも、どちらかが死んでた」
さらりとそんなことを言ったが、実際どちらも強力なスタンド使いなので彼が止めなかったら本当にそうなっていたことだろう。
「リーダー、そろそろ鉄分を戻してやったら?このままだとどちらかどころか二人とも死にそうだけど」
顔色どころか全身の肌の色を真青にさせている二人を見ながら、危機感のない声でメローネが言う。
鉄分を戻してやってもいいが、元気になったらまた争ったりしないだろうかとリゾットは思った。ギアッチョは氷を扱うタイプのスタンド使いだというのに感情的だ。熱しやすく冷めにくい。鉄分を戻せばすぐにでもディアボロに食って掛かるだろう。ディアボロは引き際を心得ている人間だが、どうも昨日から猫になったり人間になったりを繰り返しているせいで精神的に不安定なのか感情的になりやすくなっている。
「ギアッチョ、鉄分を体に戻したらもうディアボロと争わないと誓えるか?」
「どうして俺がここで引かなきゃいけな・・・」
キッとリゾットを睨んで口を開いたが、最後まで言い終える前に途中で視界の端になにかをとらえてギアッチョはそちらに目を向ける。リゾットもつられてそちらを見た。そこにはベッドの上でまた体を猫へと変えている最中のディアボロがいた。体が縮み、ピンク色の毛皮が生えてくる。初めてその変化を目の当たりにしたリゾット以外のメンバーは小さく息を呑んだ。いくらスタンドの影響と知っているとはいえ、やはり人間が猫の姿になるというのは驚いてしまう。
ディアボロ本人は、もうすでに体が変化するのに慣れたのか、それとも反応を示すだけの力がないのか完全に猫になってしまうとシーツにくるまったままぐったりとベッドの上に体を横たえた。相変わらず体の鉄分が足りないせいで荒い呼吸を繰り返している。その姿はどう見ても人間の姿だった時より庇護欲をそそっていた。基本的に人間は自分よりも小さいものを見ると守りたくなるものなのだ。
しばらくディアボロを見ていたリゾットは、もう一度視線をギアッチョに向ける。その視線に気が付いて、ギアッチョはこちらを見た。心なしか先ほどまで真青だったはずの頬が微かに赤くなっている。
「ギアッチョ」
「す、スタンド攻撃を受けてるんなら、しょうがねぇよな・・・」
言ってから、顔を逸らす。どうやら怒気がそれたようだった。それどころか、猫の姿にときめいている。彼のスタンドの形状からも変わるとおり、ギアッチョはなんだかんだで猫好きだった。
この調子ならディアボロが猫の姿のままなら個性の強い暗殺チームの中にいてもさほど大きな問題は起きないだろう。リゾットは半ば願いながら思う。
「まぁそういうわけだから、スタンドの本体を見つけるまでは仲良くしてやってくれ」
ギアッチョとディアボロの体に鉄分を戻してやりながらリゾットは言った。
END
ギアッチョは私の中では暗チ最年少です。19ぐらい。だから多少子供っぽくてもいいと思うよ・・・!
兄貴がセレブってイメージがあるのは私だけでしょうか。
正直、暗チが普通に生活できるのは兄貴のポケットマネーのおかげだと思います。
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