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おっさんと人外を中心によろずっぽく。凄くフリーダム。
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moira最盛期にクロセカですよ。割と本気で、ゲフェパシが好きなんだ・・・。
たまには普通にイチャイチャしてるものを書こうと思ったのですが・・・あれ?
バカップルと可哀想なアルベルジュしかいません。

 

 


 気まずい。物凄く、気まずい。
 ゲーフェンバウアーと並ぶようにしてベッドの縁に座りながらそう思った。怖くて前が見れない。その代わりに、俺はゲーフェンバウアーを見る。彼は今にも噛みつきそうな顔をして前を、前方にいるアーベルジュを睨んでいた。本当、どうすればいいんだ、この状況。
「とりあえず・・・座ってくれ」
「いや、その・・・」
 立たせておくのもなんなので、椅子を勧める。横であからさまにゲーフェンバウアーが不満そうな顔をしたが、黙殺した。
 アーベルジュはしばらくどうするべきか考えていたようだったが、結局椅子に座る。そしてまた、沈黙が訪れた。
 事の起こりは数分前、いつものようにゲーフェンバウアーが俺に会いに来ていた。真夜中だったし、会うのも久しぶりだったので油断していた。彼と抱き合いながら口付けをしていたところに、ローザからの伝言があるというアーベルジュがやってきたのだ。
 まだ服を脱いでいなかったから良かったとか、そういう問題ではない。男同士でそういうことをしているというのがばれたのも、この際どうでもいい。目の前の問題の前では小さなことだ。問題は、アーベルジュにゲーフェンバウアーを見られたということ。これで相手がトリストラム辺りだったらどれだけよかっただろう。そう思わずにはいられない。
 アーベルジュは当然ゲーフェンバウアーが今はフランドルに身を寄せていることを知っている。そしてここはさほど大きくはないが、俺が個人で所有している屋敷。つまりブリタニア。敵国同士の軍人が、真夜中に密会しているのだ。普通なら、ただでは済まされない。
「いつからだ」
 小さく消え入りそうな声で、アーベルジュは尋ねてきた。それはいつから密会しているかという意味なのか、それともゲーフェンバウアーと俺がいつからこんな関係なのかという意味なのか。
 なんかもう考えるのも億劫になっていると、ゲーフェンバウアーが口を開いた。
「この戦争が始まる前から・・・貴様に祖国を滅ぼされるずっと前からだ、死神アルベルジュ」
 棘が含まれているどころか、ナイフでずたずたに引き裂くような台詞。これでもかというぐらい敵意が含まれている。
 アーベルジュが憎いのもわかるし、邪魔をされて苛ついているのもわかるが、もうちょっとソフトに言ってやってくれ。ただでさえデバガメをして罪悪感にさいなまれているのに、そんなことを言われたらアーベルジュは更に萎縮してしまうぞ。
 会ってみるまではどんな冷血漢かと思っていたが、以外にもアーベルジュは超がつくほどの真面目で情の深い男だった。そんな性格だから、今まで自分で滅ぼしてきた国や人間に酷く罪の意識を感じている。戦場に立てば確かに死神と呼ぶにふさわしい男だが、それ以外ではただの苦労人だ。今回、デバガメをしたところも見ると、運もだいぶ悪いと見える。
「その・・・すまない」
 可哀想なくらい萎縮してしまっている。座らせないで、さっさと帰してやればよかった。
「いいって。そんなに小さくなるなよ、お前が悪いんじゃないんだから。ゲーフェンバウアーも、あんまり攻撃してやるな」
 追い討ちをかけようとゲーフェンバウアーが再び口を開きかけたので、その前に俺が割って入る。すると今度は俺がゲーフェンバウアーに睨まれてしまった。もともと猫のように釣り目気味なのに、更に釣り上がっている。俺がアーベルジュをかばったのも面白くないのだろう。
 本当、猫のような男だと思う。気まぐれだし、神出鬼没だし、ツンツンしてると思えば時折凄く甘えてくるし、あまり他人には懐かないし。なんとなく猫が怒って毛を膨らませているように見えて、こんな状況だというのにおかしくなった。笑いを噛み殺しながら、なだめるように彼の黒い猫っ毛を撫でてやる。
「そうむくれるなよ。男前が台無しだぞ」
「別に、むくれてなんかいない」
 ふいとそっぽを向いてしまったが、構わず撫で続ける。
「アーベルジュ、こいつになにか言われてもあんまり気にするなよ。もともとキツイ性格の奴だから」
 初めて会った時も、普通に会話ができるようになるまでずいぶんと時間がかかった。他人に対する警戒心が人一倍強いうえに、人見知りだからしょうがないといえばしょうがないのだが。この性格ではフランドルでも苦労をしているだろう。猫というよりは野良猫だ。一度気を許してくれれば、良い奴とはいえないがそれほど悪い奴でもないのだが。
 いい加減、ブリタニアに亡命して俺のところにくればいいのに。いつもそう思うが、ゲーフェンバウアーは何度誘ってもそうしようとはしない。どうのような思惑で彼が首を縦にふらないのか、俺にはわからなかった。
 大人しく撫でられているゲーフェンバウアーから視線を外し、アーベルジュの方を見る。彼はわずかに驚いたような表情をしてこちらを見ていた。
「どうした?」
「いや・・・。ただ、お前と一緒だとゲーフェンバウアーもずいぶんと雰囲気が柔らかいと思ってな。借りてきた猫のようだ」
 猫、という単語に、思わず噴き出しかける。だが二人の手前、なんとか自制した。そうか、やはり他の人間の目から見てもゲーフェンバウアーは猫に見えるのか。
「私がフランドルにいた頃は、触ろうとしただけでも怪我をしそうなほどとげとげしい雰囲気だった」
 それはおそらく、異国にいるせいでいつも以上に神経質になっていたせいだろう。
「まぁ付き合いも長いしな。最初からこんなだったわけじゃない」
「本当に、戦場が始まる前からの付き合いなんだな」
「あぁ、神に誓って」
 俺達はどちらの国のスパイでもない。ただ個人的に、危険をおかしてでも会いたいから、こうやって会っているだけだ。
「だから虫のいい話かもしれないが、今夜のことは見なかったことにしてほし・・・って、ゲーフェンバウアー、なにをしてるんだ」
 人が真面目に話をしているというのに、ゲーフェンバウアーは頭を撫でていた俺の手首をとると指先に軽く噛みついてきた。それから口に含んで、舌を絡めてくる。ぴったりと密着をしてくると、もう片方の手を俺の服の中に入れて直接素肌に触れてきた。
「パーシファル、いつまでその死神にかまっている」
「そんなことを言っても、まだアーベルジュがいるんだぞ」
「知るか、あいつが勝手に来たんだ」
 なんとから体からゲーフェンバウアーを引き剥がそうとするが、相手もまた強情だった。普段から聞き分けのいい男ではないが、今日は殊更だ。少しかまってやらなかっただけで拗ねるなんて。
 チラリとアーベルジュを盗み見る。唖然としたような表情をしていた。俺と目が合った途端、顔を赤くする。彼にはずいぶんと刺激が強かったらしい。
 俺の指に飽きたのか、口から離すと今度は首筋に口付けをしてきた。跡を残すように、きつく吸い付いてくる。いつもならこんな見えるところには付けないというのに。
「っ・・・!ゲーフェンバウアー、いい加減に・・・」
 しろ、と続ける前に、ガタンと音を立ててアーベルジュが椅子から立ち上がった。それと同時に、俺はゲーフェンバウアーにベッドに押し倒されてしまう。
「な、長居をしてしまってすまない」
 顔を赤くしたまま早口で言うと、部屋を出て行こうとする。
「ま、待ってくれ、アーベルジュ・・・!」
「心配をせずとも、このことは忘れる」
 言ってから、出ていってしまった。忘れたい、というのが本音なんだろうな、と思う。なんだか悪いことをしてしまった。
「やっといなくなったか」
 俺を押し倒した態勢のまま、ゲーフェンバウアーはフンと鼻を鳴らす。いくらアーベルジュを追い返すためとはいえ、やり過ぎなのではないだろうか。結局、ローザからの伝言も聞いていない。
「やり過ぎだろ。仲良くなるのは無理でも、もっとフレンドリーになれないのか」
「あいつと仲良くなってどうする」
「アーベルジュだけじゃなくて、フランドルとかでもさ。友達くらい作れよ」
「いらん。俺には貴様さえいれば十分だ」
 惜し気もなくそう言われ、不覚にもドキッとしてしまった。自分の考えが見すかされているのではないかと思う。口では友達を作れと言っておきながらも、本当に作ったら作ったでその相手に酷く嫉妬をするということを。
 こんな時にだけ、そんな台詞を言うのはずるい。ほだされてしまうではないか。こういう時、俺はゲーフェンバウアーに強く出れなくなってしまう。
「ずるいよな、お前は」
「なにがだ」
「亭主関白で」
「・・・意味がわからん」
 実際ずいぶんと、亭主関白だと思うが。もしくは俺が甘やかしているだけか。
「もう黙っていろ」
 言ってから口付けをされる。そのまま器用に俺の服を脱がしてきた。
 ゲーフェンバウアーの好きなようにさせながら、彼がフランドルに戻ったらアーベルジュに今日のお詫びと、黙っていてくれることへのお礼、あとはローザからの伝言を聞きに行かなければいけないな、と思った。


END

 

 

当ブログでは素直クールなゲーフェンバウアーを推薦しております。
私の中でパーシファルは家族と離れて暮らしてます。親とそりが合わないので。屋敷には孤児だった双子の女の子がメイドとして仕えてます。パーシファルは身元引き受け人。関係はかなり良好。主人と従者というよりも仲の良い兄妹という感じ。ゲーフェンバウアーが来ている時はいろいろ察してあげられるいい子達です。
じゃあなんで今回、アルベルジュを屋敷にあげちゃったかといえば、アルベルジュがすぐに用事は住むからってあがりこんじゃったから。双子もまさか主人が男とイチャついてますなんて言えない。
そんなどうでもいい裏設定。

私の中でSH内で唯一のホモがゲフェパシなんです。あとはみんなノーマルかコンビか女の子攻めなんです。
まぁ男性キャラが極端に少ないせいもありますが。
陛下×じまんぐもいいと思うけど、そこは越えてはいけない一線だと思っているので自重してます。
エルとアビスを書きたいけど書けない・・・。
 

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プロフィール
HN:
シノハ
性別:
女性
自己紹介:
1月14日生まれの新潟県民。

ジョジョラーでケモナーでおっさん&おじいちゃんスキーでSHK国民。
最近はfkmt作品に手を出してます。
乙一作品と三原ミツカズ作品と藤田和日郎作品も好き。
節操なしの浮気性です。
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