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微妙に楽しみです。グウェンとヒューブがでてるシーンだけみる。
二期でなにげにヒューブが子作りしてて地味に絶望したのはいい思い出です。なんか「こんな男に突っ込まれてそうな男も子供作るんだ」って思うと・・・ね(どうみても変態です、本当にry)
というかアニグウェとグレタ+ヒューブに期待。グウェンがアニシナに逆らえない理由が、アニシナが可愛いから、というのをwikiでみて君のためなら死ねると思いました。グウェン可愛いよ、グウェン。
マ王はいいおっさんがいるのに出番が少ないのが悲しいです。
次男とか三男なみとは言わないからもっとグウェンの出番をください。いやもう本当に。
図書館戦争も気になってます。
一年ぐらい前から原作を買うかどうか悩んでて、未だに悩んでるんですが、いい機会なのでアニメをみて面白そうだったら買おうかと。
来期でみたいと思ったアニメはあと日和ぐらいでしょうか。
いつもはみるみる言って結局みないけど、今度こそは・・・。
アニメじゃないけど最近スマブラХが気になってしょうがないです。
スネーク、ルカリオ、メタナイト・・・ハァハァ。
操作が上手い人のプレイ動画をくいいるようにみていたい。
スネークの声が一々エロすぎです、大塚さん・・・!
ぎくしゃくしてる親子二人。
なんかボスが生きてます。
金だけがかかる無駄に高級志向なレストランには、落ち着いた調べの音楽が流れていた。微かな声で囁きあうように会話をしている他の客達の声が、なんとなしに聞こえる。しかし向かい合って食事をしているというのに、私達は先ほどからお互いに一言も会話を交わしていなかった。空気が重い。頼むからなにか喋りなさいよ、と思うが、きっと相手の方もそう思っているはずだ。
どうして彼と二人きりで食事をすることになってしまったのだろうか。それは他ならぬジョルノのお節介のせいだ。いや、嫌がらせだったのかもしれない。親子なんだから、たまには水入らずで食事でもどうですか、なんて、良い笑顔で言って。断ろうとしたら、もうすでにレストランは予約してあると言われてしまった。ボスとしては非常に優秀だが、部下を使って遊ぶのはやめて欲しい。きっとこのレストランのどこかに隠しカメラが仕掛けられていて、ジョルノは私達の行動を見て楽しんでいるはずだ。そうでなければ、ジョルノが善意だけで動くなんてありえない。
そう思うと、眉間に皺が寄るのを感じた。ハッと、相手が息を呑むのを感じる。テーブルに並べられている料理から目を外し、彼の方を見れば驚いたような顔をしていた。いきなり私が不機嫌になったのを感じ取って、慌てたらしい。別に彼に対して怒っているというわけではないというのを示すために、無理やり眉間の皺を指先でほぐす。そして、できるだけ冷たくならないように気をつけながら、口を開いた。
「なにか、私に聞きたいこととか、言いたいことはないの?」
いきなり言葉をふられ、やはり彼は驚いたような顔をした。本当に、これがネアポリス最大と謳われている組織のボスだった男だろうか。これでよく、部下達を動かせていたものだと思う。それとも全国の父親は、みんな娘に対してこんな感じなのだろうか。私の家庭は特殊だったのでわからないが、誰に聞いてみようもないので、結局わからないままだった。
「あいつは・・・お前の母親はどうしている?」
しばらくの沈黙のあと尋ねられて、私は今度こそ彼に向けて眉間に皺を寄せてしまった。どうしよう、このままでは皺があとになってしまうかもしれない。
私の顔色が変わったのを見て取ったのか、それとも母がどうなったのかを思い出したのか、彼はしまったという顔をした。それを見ながら、私はそんなことも忘れるぐらい緊張していたのだろうかと思ってしまう。
「母さんは海のよく見える丘の上の墓地に埋めたわ。母に言いたいこととか、懺悔したいことがあるのなら、場所を教えてあげるから行くといい」
懺悔、と言う言葉をあからさまに強調して言う。母は最期まで彼を愛して、彼が帰ってくるのを待ちながら死んでいった。そう思うと、やはり彼を素直に父親として見れない。
「・・・ありがとう」
私から母の墓参りの許しが出たせいか、安堵したような表情をする。それなのに素直に礼なんて言われてしまうと、こちらが戸惑ってしまった。妙にしんみりとした空気になり、先ほどよりも居心地が悪いと感じる。この状況を打ち破るには、どうしたらいいか。しばらく考えて、私は手に持っていたフォークをテーブルの上に置いた。まったく、なんでこの男のために私があれこれ考えなければいけないのか。
「そんななさけない顔しないでよ。私が虐めてるみたいじゃない」
向かい合うようにして座っている彼に腕を伸ばし、その頬をつねる。思ったよりも、柔らかかった。十分にその柔らかさを堪能してからつねっていた指を離すと、その部分がうっすらと赤くなっている。元々ほとんど外を出歩かないような人だから彼の肌は女のように白く、その色が目立つ。あとが付きやすく消えにくい体質なのか、しばらくその赤は消えなかった。
「ワイン、飲むか?」
つねられた頬をさすりながら、彼が尋ねてくる。なんでいきなりワインなのだろうか。しかもこの真昼間から。そう思ったが、すぐに答えが見つかった。
「私、お酒は飲まないの。でも娘と会話をするのにアルコールの力が必要なら、頼むといいわ」
私の言葉に、彼は自分の考えが読まれてバツの悪そうな顔をする。しかし結局、近くにいたボーイを呼んでワインを注文していた。あぁ、ヘタレなのか。と私はそんな彼を見て思う。嫌味を言われながらも、結局アルコールに頼るなんて。
やがて運ばれてきた、やたらと高そうなワインを彼は一人で傾けていた。ボトル一つ、全て空ける気だろうか。当然、彼が酒に強いのか、それとも弱いのかなんて知らない。でもこうやってボトルで注文するぐらいだから、きっと強いのだろう。
酒のおかげか、少し饒舌になった彼とそれなりに会話をしながら、なんとか食事は続いた。内心で、ジョルノに対してざまあみろと笑う。どこから隠し撮りをしているのかは知らないが、面白いことなんて何一つ起きはしない。このまま、何事もなく終わらせてやる。しかしそう思った私が間違いだったと、このあとすぐに思い知らされた。
ふと視線をワインボトルに向ければ、すでに空となっていた。驚いて、ワイングラスを見る。グラスの半分ほどまで、美しい赤紫色をした液体が注がれていた。ワインを注文してから、それほど時間が経過したようには思えてない。ワインなんて普段まったく飲まないため、どれくらいのペースで飲んでいくのが普通なのかは知らないが、明らかにこれは速いように思えた。よほどアルコールの力を借りなければ、私との会話は難しかったらしい。
こんなペースで飲んでいて大丈夫だろうかと、私はワイングラスから視線を外して彼の方を見る。そこには、酔いのせいか顔をうっすらと赤くさせている彼がいた。目が合うと、唇の端をつり上げ、猫のように目を細めながら艶やかに笑う。思わず、父親相手にドキリとしてしまった。
「ちょ、ちょっと、そんなに飲んで大丈夫なの?」
「トリッシュ・・・」
私の問いには答えず、彼はどこかぼんやりとした口調で私の名を呼んだ。何事かと思っていると、いきなり片手を彼の両手で包み込まれるようにしてとられる。
「一緒に暮らさないか?」
「は?」
まったく予測していなかった言葉に、私は一瞬思考回路が止まる。一緒に暮らす?誰と、誰が?私と、彼が?眩暈を感じたが、なんとか気を確かに持って彼をもう一度見返す。先ほどと同じ笑みを浮かべているが、目が完全に据わっていた。そして気が付く。この人、完全に酔っている。たぶんたったこの一言を言うために、ボトルを全部空けたんだろうけど。
「私とお前に必要なのは、一緒にいる時間だ」
「待って・・・待って。とりあえず落ち着いて。こんなところでなんてことを言うのよ」
私達のおかしな雰囲気に気が付いたのか、レストランにいた周りの客やボーイ達が好奇心を孕んだ目でこちらを見ているのがわかった。見てんじゃないわよ、見世物じゃないのよ。内心で毒付きながら、周りから見たら私と彼の関係はどう見えるのだろうと考える。果たして親子に見える人間が、どれくらいいるだろうか。しかしいたところで、一緒に暮らさないか、なんて台詞を聞かれた時点で瞬時に親子には見えなくなるだろう。どこの世界に、一緒に暮らそうだとか、必要なのは一緒にいる時間だとか、そんなプロポーズめいた言葉を娘に言う父親がいるだろうか。普通に考えて、私達は周りから見たら歳の離れたカップルに見えるだろう。…ふざけんな。
遠くからジョルノが腹を抱えて笑っているような声が聞こえたような気がした。いや、たぶん気のせいではない。あいつ、確実にこのレストラン内にいる。レストラン側の全面協力のもと、私達の一挙一動を観察していたはずだ。自分のためならば努力を惜しまない男なのだ、ジョルノは。
「もう一度、関係をやり直そう」
どこか甘い声で、彼が言う。言うなら言うでちゃんと『親子の』という言葉を付けなさいよ。周りに更に余計な誤解を与えるじゃない。
「ねぇ、わかったから。とりあえず一度黙って。あんたもこんなところで目立つのは不本意でしょう?」
私の声が聞こえていないのか、彼は一向に口を閉じようとはしない。
「愛して、大切にするから・・・」
「黙れっつってんのよ!この酔っ払い!」
これ以上、好奇心の目に晒されるのと、実の父親からのプロポーズめいた言葉を聞くのが耐えられなくなり、私は彼に右ストレートを放つ。綺麗に頬にヒットしたそれは、椅子ごと彼を吹っ飛ばしてしまった。……スパイス・ガールで殴っただろうか。私自身の拳で殴ったような…いや、スパイス・ガールで殴ったということにしておこう。そうでなければ、私みたいなか弱い細腕の女が大の男をこんな風に吹っ飛ばせるわけないのだから、うん。
周りがざわついている。それを無視しながら、私は床に倒れている彼のもとまで歩いた。酔いが手伝ってか、完全に伸びてしまっている。決して、私の力が強かったわけではない。決して。
こちらを見ている客やボーイ達を睨み、こっちを見るなという意思を示しながら、私は彼を引きずってレストランをあとにする。金を払ってはいないが、どうせジョルノが先払いしておいてくれていただろう。そういうことにしておく。
「お疲れ様でした、トリッシュ。なかなか楽しそうだったみたいで、なによりです」
外に出て、まずはじめに聞いた声がこの男のもので、私は一気に気分が悪くなる。噛み付かんばかりに、私は素晴らしく良い笑顔で言葉を発しているジョルノを睨んだ。よく見れば彼の頬がうっすらと赤らんでいる。呼吸困難になるほど、腹を抱えて笑っていたらしい。その横で、亀を手に持ったミスタが顔をニヤニヤさせていた。そのツラにスパイス・ガールの拳を叩き込んでやりたい。ミスタが持っている亀の方から、連続的に笑い声が聞こえた。くそ、むかつく。ポルナレフ、テメェさっさとあの世へ行きやがれ、このくそが。いつまでもこの世にへばり付いてんじゃあねぇ。
「あなたと彼が一緒に住む際は、責任を持ってパッショーネが全面的にバックアップをします。ご安心ください」
なにがご安心ください、だ。どうせバックアップの費用は、私に引きずられながら伸びている男の口座から引き落とされるんじゃない。
結局、あれよあれよという間に事は運び、新築の家が出来上がった。やたらと金がかかっていそうなのが余計に腹が立つ。それでも家具などを新しい家に運び込んでいる際、彼がやたらと張り切っていたので、私はなにも言えなかった。ジョルノに遊ばれたのはむかつくが、まぁ一緒に住むぐらいは別にいいか。これで少しは、彼もアルコールの力を借りなくても私と普通に会話ができるようにはなるだろう。
父親と一緒に住むことになったと母に報告するために、今度彼と一緒に墓参りに行こう。そう思った。
END
トリッシュとかスパイス・ガールの口の悪さが大好きです。
ハイエナ可愛いよ、ハイエナ。
ああやってなつけば可愛さも倍増でしょうね。うらやまし。
しかしハイエナは意外とでかかった。
ふだんテレビでみるハイエナってライオンとかと並んでるせいか小さくみえるけど、人間と並ぶとけっこう大きいんですね。
じゃあライオンとかはどれだけ大きいんだという話。
やっぱかなりでかいのか。
一度でいいから大型肉食動物と触れ合ってみたいです。頬をひっぱりたい。にゅ~んって。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2119637
これって低い方も高い方も同じ人が歌ってるんですか?すごい。
最初、男の人が高い声を出してるんだと思ってたけど、逆だったんですね。こんなふうに高い声も低い声も出たら楽しいだろうなぁ。羨ましい。
ちなみにメローネの髪の色は銀か薄い緑色派だったりします。
久しぶりに本気で聖戦のイベリア隠しトラックのパスを探してます。もう自力とか無理です。
自力で解いてる人なんなの?陛下か離散の預言者から神託でも受けてるの?そんなふうに思ってしまいます。
どこも第三の扉までパスは乗ってるけど、深遠の詩のパスが見つからない・・・。もうイベリアが発売して半年以上経つのにまだ隠しトラックが聴けないなんて・・・!
深遠の詩の答えはなんでしょうか。知っている方がいらっしゃいましたら教えてくださると嬉しいです。せめてヒントだけでも・・・。
ロマンの方は結局、隠しトラックは3つだったんでしょうか。3つ目と思われる朝夜の違うver?は聴いたけど。アナザーロマンミックス?
あれはあれで好きです。
ところでSHキャラで格ゲーとか作ったら楽しそうですよね。できなくはないと思うんだ。シャイたんとイヴェは仲が悪そうな感じ。緋い悪魔と冬の王子だし。
SHキャラがみんな本気で戦ったら誰が一番強いんでしょうか。一期の子達が無駄に強そうで怖い。
隠しキャラはもちろんじまんぐと陛下、あとピコ魔人(あらまりさんにあらず)
隠しステージはじまんぐの世界と陛下の寝室(何故)
ウルジャンはまだロマンの連載をしてるんでしょうか。
単行本が出たら欲しいような欲しくないような・・・。うん、イメージがね。見えざる腕は見たいけど。
そろそろバレンタインですが、14日に陛下が本家でなにかをくださると期待。
冬生まれなのに冬になるといつも体調を崩します。貧弱貧弱ゥ!
某サイト様に素敵なミュウツー絵があったせいでミュウツー熱が再熱。ミュウツーは可愛すぎて涙が出る。
ニコニコでまたミュウツーの逆襲と我はここにありを見たいけど、ミュウツーが出ないシーンを見るのはめんどくさいというわがままっぷり。
というか、ポケモンさえ出てればいいよ。人間いらないよ(おま…)
コピーピカチューとかコピーニャースとかミュウにベタベタされて照れてるミュウツーが見たいです。ミュウツーは優しい子なのでよってくる子は突き放せないと思います。
でもミュウだけははガチで嫌いだといいです。というかミュウの愛が重すぎて疲弊してるというか・・・。妄想はつきません。
ミュウミュツ、気分が乗ったらまた書こう。
うしとら熱もまた上がってきてるので、下手したらハイパー人外タイムがくるかもわからんね。いや、多分こないけど。
タイトルにも書いたけど、ポケモン赤にはロコンが出ません。つまり私の嫁が出ません(キュウコン)
サンドも出ないのでやっぱり私の嫁が出ません(サンドパン)
なぜだ・・・orz
他の嫁達で慰める日々です。
続きは拍手お返事。
ポチポチサイレント拍手を押してくださっている方もありがとうございます!
いつまでも三人でいてほしかった・・・。
まだ私達が遠野へやってくるずっと前、十郎とかがりがうんと小さかった400年近くも前の話だ。その頃は人間達はまだほとんど私達が住みかにしていた山を荒らさず、時折荒らしたとしても少しこちらが手を出せばすぐに手を引いていた。今から考えれば、とても幸福だった。父母が残した古いが大きな屋敷があり、生い茂った草木があり、そしてなにより兄妹三人がそろっていた。
春になったばかりの頃。冬の間、眠っていた生命力が一気に解放される。この時期のやわらかい日差しと、青い草木の匂いが好きだった。屋敷の縁側で一人で陽なたぼっこをしていると、別室で昼寝をしていたはずの十郎とかがりが近くに寄ってくる。
「勝手にどこかへいかないでよ」
かがりと共に私を探していたらしい十郎は、眠た気な声で言った。
「あぁ、悪かったね」
幼いためまだうまく人間の姿に化けられない彼らは、カマイタチの姿のまま四本の足で危なげに歩く。その姿は肉親という欲目で見なくても大変可愛らしいと思う。かがりを産んでから両親はすぐに亡くなってしまったし、歳もわりと離れているせいもあって、私は兄というよりも父親のように彼らを育てていた。十郎とかがりも、私をよくしたってくれている。そんな彼らを可愛がるなという方が無理だった。
かがりが私の膝の上に乗り、十郎が肩によじ登ってくる。日の光とはまた違う心地良い温かさと、その重さを愛しいと思う。
「また大きくなったようだな」
かがりの小さな背中を撫でながら呟くように言う。かがりの毛は、産毛のようにやわらかい。気持ちいいのか、彼女はすっと目を細めて私の膝に顎を置いた。
「そのうち、兄貴よりも立派になるよ」
「それは楽しみだな」
自分も撫でてくれというように、鼻先を私の頬にすり寄せながら十郎が言った。もう片方の手で彼の頭を撫でてやる。
まだ普通のイタチと変わらないぐらいの大きさしかない十郎達は、当然もう成体の私から見ればずいぶんと小さい。そんな十郎が私よりも立派になるというのは、嬉しいと思う反面、兄として少し寂しい気もする。それでも無事に成長してくれさえすれば、私は幸せなのだが。私を育ててくれた父と母も、こんなふうに思っていたのだろうか。まだ伴侶もいないというのに、めっきり父親のようになってしまったな、と思った。しかしそれも不快ではない。十郎とかがりのことを思えば、心地良くも感じる。
「十郎もかがりも母上似のようだから、線の細い体付きになるかもしれないな」
嘘、と十郎が不満げな声を上げたので、私は小さく笑ってしまった。実際、私が十郎くらいの年齢の時は、彼よりももう少し体が大きかったような気がする。こればかりは遺伝なのでどうしようもない。
「父上と母上は、どんな方だったの?」
ゆったりと顔を上げながら、やはりどこか眠た気な声でかがりが尋ねる。もう少しで眠りに落ちてしまいそうな様子だ。
「どちらも強くて、そしてやさしい方達だった」
やさしく、そして時には厳しく私を育ててくれた。そんな両親を、私は誰よりも尊敬している。鎌の使い方も、山での生き方も、人間との付き合い方も、なにもかも教わった。今度は私が、十郎とかがりに同じことを教えていくのだろう。
ふーん、と十郎が小さく呟く。彼の方を見れば、その瞳は遠くを見ているようだった。父母のことを考えているのだとすぐに気が付く。確かに十郎は、今よりももっと幼い頃に両親の腕に抱かれていたが、物心が付く前だったのでほとんど覚えていないのだろう。かがりにいたっては、まったく覚えていないに違いない。
「父上や母上がいないのは寂しいか?」
どうしてもそう尋ねる声が小さくなってしまう。私がどんなに十郎とかがりを愛していても、結局は父親になれないということを知っていた。
私の問いに、二人は一度視線を合わせる。そしてこちらを見ると、ふるふると首を左右に振った。
「そんなことないわ、雷信兄さん」
「まったく寂しくはない、ってのは嘘だけど、俺達には雷信兄貴がいるから」
あぁ、私は…。
「兄貴のことが大好きなんだ」
「えぇ。私達を愛してくれる兄さんが、誰よりも」
私は世界一、幸せな妖怪だ。
真直ぐに向けられる言葉に、思わず視界がにじむ。私は声が震えそうになるのをなんとかこらえながら、ようやく、そうか、と声をしぼりだした。
自分ばかりがこんなに幸せでいいのだろうかと考えてしまう。それほどまでに、私は今満たされている。
「ずっとこの山で静かに暮らせていけたらいいな」
「兄さん達と一緒にね」
「あぁ・・・」
なにがあっても、たとえ今住んでいる土地を人間や他の妖怪から追われるようなことがあっても、いつまでも三人でいられたらいい。ただそれだけを、強く願った。
しばらくすると二つの小さな寝息が聞こえてくる。二人とも眠ってしまったようだ。春の日差しは眠気を誘う。時折吹く穏やかな風が髪を揺らすのを感じながら、私は目蓋を閉じた。
ゆるく目蓋を開けて、私はぼんやりとした頭でここはどこだっただろうかと考える。ここは私達が暮らしていた山ではない。そこまで考えて、私はやっと自分は今遠野で暮らしているのだということを思い出す。夢を見ていたのだ。まだ十郎が生きていた頃の、幸福な夢。
頬に指を這わすと、指先がしっとりと濡れた。どうやら寝ながら泣いていたらしい。いい歳をして、と私は少し恥じた。春の日差しが濡れた頬と指先を照らす。
「起きたのね、兄さん」
横を見ると、私と同じように屋敷の縁側に腰を掛けたかがりがいた。どうやらずっとそこにいたらしい彼女は、泣いている私の方を心配そうに見ている。
「夢を見ていたんだ」
「夢?」
「あぁ。まだ幼かった頃のかがりと、そして十郎がいた」
「十郎兄さんが・・・」
哀しげにかがりが瞳を伏せる。だがすぐに私の方を見ると、急に人間の姿からカマイタチの姿に戻った。昔のように小さくはなく、人間の子供ほどの大きさだ。あの夢を見たあとなので、立派になったものだと感動してしまう。
流石にこの大きさではもう膝に乗ってくるのは無理で、その変わり顎だけを私の膝に乗せてきた。体はぺたんと床に付ける。
「どうしたんだ、急に」
「たまには昔みたいに甘えてもいいでしょう、雷信兄さん」
かがりの頭を撫でる。彼女の産毛のようにやわらかい毛は、今でも変わらない。膝から伝わる体温と重さを懐かしく思う。足りない肩の体温と重さを悲しく思う。私達の愛する十郎は、もうこの世にはいない。
「もう少ししたら、一緒に十郎の墓参りへ行こう」
「えぇ」
声を震わせて涙を流しながら言う私に、かがりは静かに頷いた。
END
雷信兄さんは兄というよりも父親的な立場だったらいいな、という話。
雷信兄さんが大好きです。
とりあえずオメメタァ!
久しぶりにブックオフに行ってきました。最近ずっと体調が悪くて本屋とか行けなかったので、たがが外れたようになんか買いあさってました。
うしとら26巻
からサー11~18巻
乙一の暗黒童話
にざかなのBB1~3巻
あとはツタヤでSBR10~11巻
BBは3巻までしかなかったです。普通の本屋でも売ってる所を見たことないから、仕方ないので注文します。
とりあえず地元の本屋はもうちょっと頑張ってマイナーな本を置いて欲しい。ドロヘドロを頼むから置いてください。毎回毎回注文とかきついんです。
暗黒童話を自分で買ったので、これで学校でわざわざ借りてこないですみます。潮崎さん可愛いよ、潮崎さん。菜深の記憶が戻る前は潮崎×菜深だけど、記憶が戻ったら菜深×潮崎です。出会った頃とまったく性格の違う菜深に潮崎さんはおろおろしてるといい。そんな彼を見て菜深は楽しんでるといい(私の脳内ではナチュラルに潮崎さん生存中)
本当は今日でうしとらが集め終わる予定だったんです。でも27巻以降が売ってなかったんです。この先どうやってうしとらを集めろと?本屋で普通においてるところ見たときないです。
今までコミック版で集めてから、今更文庫版は買いたくないし・・・。とりあえずもうちょっと探してみますが。
26巻で久しぶりにヒョウさんが活躍してて私歓喜!ヒョウさん可愛いよ、ヒョウさん。ふつくしいよ、エロスだよ。大好きすぎてもう駄目だ。
でもこの先のことを思うと切ない。うしおにしてもそうだけど。
こんな話でなんですが、うしとらは私好みの受けっ子は沢山いるのに、攻めキャラがいません。強いて言えばキリオぐらいです。うしおは槍verならいける。もっと攻めっ子を・・・!
ノーマルならとら×まゆこが好き。この二人はうしとらの癒しです。
続きは拍手お返事。サイレント拍手をしてくださっている方もありがとうございます!
トリディアが見たい。でももうボス受けならなんでもいい感じです。ボス受けが・・・ボス受けが足りない・・・!
ボスは普段は誰かに甘えなさそうというか、弱みとか一切見せなさそうだけど、一度甘え始めるとすごそう。
たぶん子供の時とか誰にも甘えずに生きてきたんだと思います。性格が歪んでたから。
だからその分大人になってから、これまでの分を取り戻すぐらいトリッシュに甘えてるといいよ。トリッシュも今まで父親に甘えられなかった分甘えてるといいよ。
でもそうなるためにはまず二人ともツンデレ要素をなんとかしなきゃいけない。二人ともツン期からデレ期に入るとすごそうですね。
やっぱり親子って良いと思います。魂レベルでお互いを受け入れあってればいいです。
世間はディアトリばっかりで俺涙目。
女の子攻めだっていいじゃないですか・・・。
高校生早人×吉良も見たいです。
もう自給自足は疲れたよ、パードレ(数ヶ月に一回ぐらい自給自足に疲れる時があります、気にしないであげてください)
バトンです。
これってまったく知らないが×なんでしょうか。それとも名前は知ってるけど詳しくは知らない、が×なんでしょうか。
とりあえず名前は知ってるけど詳しくは知らないを×にしておきます。
□■ルール■□ ?
見た人は絶対やること!絶対だから!
嘘つきはダメ!スルーはしないでください。
1つ追加していくこと!
疲れるのが嫌な人は見ないこと。
※ 知ってる。つか好き!=◎ 知ってる=○ 微妙=△ 知らない=x
●NARUTO--------------------------○
●D.Gray-man-----------------------○
●テニスの王子様 ---------------------○
●BLEACH ------------------------△
●ONE PIECE ----------------------○
●ガンダム -------------------------△
●ファイナルファンタジー ----------------×
●EVANGELION -------------------○
●ドラゴンクエスト ---------------------×
●BLACK CAT ---------------------×
●学園ヘブン -------------------------○
●ドラゴンボール ---------------------△
●北斗の拳 --------------------------×
●聖闘士星矢 -----------------------×
●ボボボーボ・ボーボボ -----------------×
●HUNTER×HUNTER -----------------×
●銀魂 ------------------------------○
●DEATH NOTE -------------------○
●魔人探偵脳噛ネウロ -----------------○
●ウテナ ----------------------------×
●アラレちゃん ------------------------○
●パタリロ ---------------------------○
●地獄少女 --------------------------×
●交響詩篇エウレカセブン ---------------×
●ゼノサーガ -------------------------△
●サイバーフォミュラ -------------------×
●ストリートファイター -------------------×
●かしまし ---------------------------×
●こいつら100%伝説 ------------------×
●スラムダンク ------------------------○
●名探偵コナン -----------------------○
●ツインシグナル ----------------------×
●GANTZ ----------------------------△
●ギャラリーフェイク --------------------×
●ローゼンメイデン --------------------○
●MONSTER -------------------------×
●幻想水滸伝 ------------------------×
●おおきく振りかぶって -----------------○
●RAVE -----------------------------△
●メダロット --------------------------×
●ヒカルの碁 -------------------------△
●機動戦艦ナデシコ -------------------△
●BLUE SEED ------------------------×
●覚悟のススメ -----------------------×
●トライガン(トライガン・マキシマム) --------×
●女神転生 --------------------------×
●Fate/stay night ---------------------×
●ハーメルンのバイオリン弾き ------------×
●ぷよぷよ ---------------------------△
●さよなら絶望先生 --------------------△
●バテン・カイトス ----------------------×
●ワイルドアームズ ---------------------×
●攻殻機動隊 -------------------------△
●ゾンビ屋れい子 ----------------------△
●ふしぎの海のナディア -----------------×
●ドカポン ----------------------------△
●こち亀 ----------------------------○
●ついでにとんちんかん -----------------×
●デビューマン ------------------------×
●ドロヘドロ --------------------------◎ 丹波社長は俺の嫁
●ガンスリンガーガール -----------------×
●寄生獣 ----------------------------×
●COWBOY BEBOP --------------------×
●ぴちぴちピッチ -----------------------×
●アルプス伝説 -----------------------×
●Oh!myダーリン ----------------------×
●人魚の森 --------------------------×
●アーシアン -------------------------×
●うまんが&ろまんが ------------------×
●僕と彼女の××× -------------------×
●ガンパレードマーチ -------------------×
●セラフィックフェザー -------------------×
●機動戦士ガンダムSEED --------------△
●SHUFFLE! --------------------------×
●聖剣伝説2 -------------------------×
●逆転裁判 --------------------------△
●マリア様がみてる --------------------×
●幽★遊★白書 -----------------------△
●テイルズ -------------------------○ 会長とエターニアだけなら◎
●LOVELESS -------------------------○
●鋼の錬金術師 -----------------------△
●AIR・GEAR --------------------------×
●おじゃる丸 --------------------------○
●鎧伝サムライトルーパー ----------------×
●ガラスの仮面 ------------------------×
●シュガシュガルーン -------------------×
●住めば都のコスモス荘 -----------------×
●ラブやん ----------------------------×
●最終兵器彼女 -----------------------×
●3×3EYES -------------------------×
●マテリアル・パズル --------------------×
●ストレンジプラス ----------------------×
●うる星やつら -------------------------○
●舞-HiME/舞乙-HiME ------------------×
●いばらの王 --------------------------×
●天使なんかじゃない --------------------×
●タッチ ------------------------------×
●恋文日和 ---------------------------×
●仏ゾーン ----------------------------×
●カードキャプターさくら ------------------○
●浦安鉄筋家族 ------------------------○
●KISS XXXX --------------------------×
●クピドの悪戯 -------------------------×
●封神演義 ---------------------------△
●SHADOW SKILL ----------------------×
●The Five Star Stories -----------------×
●ときめきトゥナイト ----------------------×
●BASARA ---------------------------×
●魔方陣グルグル ----------------------△
●天使な小生意気 ----------------------×
●毒姫 -------------------------------◎ 3巻が発売する目処はあるんでしょうか・・・
●GTO -------------------------------○
●すごいよマサルさん --------------------△
●からくりサーカス -----------------------◎ あるるかんは俺のry
●SAMURAI DEEPER KYO ----------------×
●天才料理少年味の助 -------------------×
●スパイラル~推理の絆~ ----------------△
●天上天下 ---------------------------△
●ハチミツとクローバー -------------------×
●KING OF BANDIT JING=王ドロボウJING ---○ 昔本を持ってたのに売ってしまった。物凄く後悔してます
●ベルセルク --------------------------×
●のだめカンタービレ --------------------×
●エアマスター -------------------------×
●伝説の頭 翔 ------------------------×
●遊戯王 -----------------------------×
●ダイの大冒険 ------------------------×
●NHKにようこそ -----------------------△
●範馬刃牙 ---------------------------×
●NANA -----------------------------×
●ARIA / AQUA ------------------------×
●苺ましまろ --------------------------×
●アタゴオル物語 -----------------------×
●ちょびっつ ---------------------------○ アニメと原作をちょっとずつ見ました。最後どうなったのかは知らない
●xxxHOLIC ---------------------------×
●ツバサ・クロニクル ---------------------△
●機動警察パトレイバー ------------------×
●超人R(あ~る) -----------------------×
●童夢 -------------------------------×
●ご近所物語 -------------------------×
●あひるの空 --------------------------×
●桜蘭高校ホスト部 --------------------×
●すきだからすき。 ----------------------×
●先輩と彼女 --------------------------×
●スプラウト ---------------------------×
●太陽は君に輝く -----------------------×
●ラグーンエンジン ----------------------×
●しゅごキャラ! -----------------------×
●キングダムハーツ ---------------------×
●ソウルイーター -----------------------×
●ハヤテのごとく! ----------------------△
●ゼーガベイン -------------------------×
●時をかける少女 -----------------------○
●赤ちゃんと僕 -------------------------×
●ブレイブストーリー -----------------------△ 映画の白い虎さん可愛いよね
●ゾンビローン -------------------------×
●ケロロ軍曹 --------------------------◎
●魔探偵ロキ --------------------------△
●神様家族 ----------------------------×
●涼風 -------------------------------×
●学園アリス --------------------------×
●うしおととら --------------------------◎
●真月譚月姫 --------------------------×
●MADLAX ---------------------------×
●涼宮ハルヒの憂鬱 ---------------------△
●らき☆すた---------------------------○
●ひぐらしのなく頃に---------------------○
●灼眼のシャナ-------------------------×
●ななついろ★ドロップス------------------×
●君と僕。-----------------------------×
●PEACEMAKER -----------------------×
●機動戦士ガンダムSEED DESTNY----------×
●小川とゆかいな斎藤たち-----------------×
●シャーマンキング----------------------○
●ラブ☆コン---------------------------×
●家庭教師ヒットマンREBORN!--------------○
●サルヤマっ!-------------------------×
●砂時計------------------------------×
●Miss--------------------------------×
●GALS!-----------------------------×
●朝も昼も夜も -------------------------×
●そんなんじゃねーよ---------------------×
●さくら前線----------------------------×
●歪みの国のアリス----------------------◎ グリフォンとおじさんが好き。猫も好き
●地球へ・・・----------------------------×
●ガンダム00---------------------------×
●セーラームーン------------------------△
●悩殺ジャンキー------------------------×
●るろうに剣心--------------------------○
●MELTY BLOOD------------------------×
●僕の初恋を君に捧ぐ--------------------×
●黒執事----------------------× これ最近有名だけど面白いんでしょうか。表紙の人がリボーンの骸にしか見えない
●レンタルマギカ----------------------×
●ラストブラスター----------------------×
●僕は妹に恋をする--------------------×
●狂想へヴン-------------------------×
●ぱにぽにだっしゅ!---------------------×
●ゼロの使い魔---------------------×
●フルーツバスケット----------------------×
●天使祝詞-----------------------×
●シューピアリア-------------------------×
●最遊記---------------------------○
●ドラえもん---------------------------○
●ジョジョの奇妙な冒険----------------◎
●殺し屋さん----------------◎ ←追加
相変わらずの私の守備範囲の狭さがうかがえますね。とりあえず毒姫だけは推薦しておきます。
ていうかもう三原ミツカズ作品は全部お勧めです。
ゾンビ屋はいつか見たいと思ってるんですが、売ってる所を見たことがありません。
追加は悩んで悩んで殺し屋さん。3巻マダー?
高校生早人×吉良です。
相変わらずなんだかんだで仲が良さそうな感じになりました。
全編通してシモネタなので注意。
リビングのソファに座りながら、吉良がつまらなそうに新聞を広げている。その真横に早人が座り、リモコンを手に持ちながら先ほどからテレビのチャンネルを回し続けていた。しのぶは今、リビングにはいない。夕食がすんでしばらくしてからバスルームに行ってしまった。遠くからは水の流れる音が聞こえてくる。
早人は小さく息を吐くと、たいして面白くもない番組しかやっていないテレビの電源を切った。リモコンをよく磨かれたテーブルの上に起き、横にいる吉良の方を見る。
「僕はさ、そこそこ女の子にはもてるんだ」
「・・・なんだ、いきなり」
なんの脈絡もない言葉に、吉良は新聞から顔をあげて相手を見る。自分もよく言われるが、早人もまた、なにを考えているのかわからない性格と顔をしている。こちらがいぶかしんでいるのが伝わったのか、早人はまぁ聞いてよ、と続けた。
「一ヶ月ぐらい前に、同じクラスの女の子から告白されたんだ。いつもは断るんだけど、可愛かったしなんとなく付き合いはじめた」
早人の通う高校はエスカレーター式で、中学校からの持ち上がり組がほとんどだが、きちんと受験を受けて遠くの中学校から入学してくる人間もいる。早人に告白をしてきた女もそうだった。彼女はS市に住んでいて、毎朝時間をかけてバスで登校している。
控えめな正確で、可愛らしい顔立ちの娘だった。真っ白な肌に、染めていない黒く長い髪がよく似合っていた。
「でね、まぁ僕達もいい歳だから、やることはやるんだよ」
「赤飯を炊いて欲しいのなら、私じゃなくてしのぶに言うんだな」
すでに新聞に視線を戻していた吉良はそっけなく言った。他人のシモ関係の話など、まったくといっていいほど興味がわかない。
「男に赤飯って、なんか違くない?ていうか、そうじゃなくてね」
一度言葉を切ると、早人は先ほどよりも深い溜め息をつく。その表情はどこか悩ましげだ。彼の顔だけを見るのならば、女にもてるというのはわからないでもない。事実、川尻浩作の仮面をかぶった吉良は会社でもなにかと女子社員にもてる。元の顔の時と変わらないぐらいに。正直、そういうのはわずらわしくてしょうがないのだが。
早人の母親であるしのぶもまた美人だ。その二人の血をひいているのだから、彼の顔がいいのは納得できる。ただ、性格の方はいいとは思えないが。
「できなかったんだよ・・・」
「ほう?」
「なんか全然、興奮できなくて、勃たなかったんだ」
再び新聞から顔を上げて、吉良は薄く笑う。
「なるほど、それでこの前顔に痣を作っていたのか。女に恥をかかせたんだ。当然の仕打だな」
彼の言っていることが全て事実なので、早人は言い返さない。
彼女の自宅で事に及ぼうとしていた。今夜は両親がいないからと、誘ってきたのは彼女の方だった。控えめな性格だと思っていた彼女がぞくりとするような艶やかな笑みを浮かべて誘ってきたのは以外だったが、早人はあまり深くは考えずに誘いに応じた。
早人のそれが反応しないと知った時の彼女の顔は、多分一生忘れないだろう。怒りや屈辱が入り混じった表情をしていた。早人は散々、口汚い言葉で罵られ、最後に拳で殴られた。女にしておくのは勿体無いぐらいの、いいパンチだった。結局そのあとにすぐに彼女の家から追い出され、あれから一言も口をきいていない。学校でも、無視され続けていた。別にそれほど好きだったわけではないのでいいのだが、それよりも彼女の控えめな性格というのが演技だったというのがショックだった。あとから聞いた話では、彼女は地元では有名な男好きだったらしい。女って怖い。そう思った。
「その歳で不能だなんて・・・不憫だな」
心底から哀れんでいるような声色と表情で言われ、早人は慌てる。
「怖いこといわないで。その子の前で勃たなかっただけで、今はなんともないよ」
「女相手に反応しないとなると、ゲイか?それとも普通のプレイでは反応しない特殊な性癖なのか?」
「・・・冗談」
「まぁどんな性癖だろうと、世間に気を使って生活をしていれば穏やかな日々を送れるから、安心するんだな」
「あんたが言うと生々しいからやめて・・・」
果たして自分は本当にそんな特殊な性癖なんてもっているのだろうか。本当の両親はいたって普通の趣向の持ち主だが――吉良に惚れているしのぶはどうかと思うが――ここ数年間、一緒に暮らしてきた男が男なだけに早人は気が気ではない。相手は殺人鬼なのだ。一緒にいる自分がなにかしらの影響を受けていても不思議ではない。まったくもって、不本意なことだが。
「試してみようか」
「なにをだ?」
「僕が本当に、そんな特殊な性癖をもっているのか」
詳しく説明を求めるような目で、吉良は血の繋がっていない息子を見る。
「僕の、舐めてみてくれる?」
さらりととんでもないことを言われ、吉良はめまいを感じた。どこを、なんて、そんなことは聞かない。聞きたくない。先ほどの会話の流れからなぜそこへ行ってしまうのか。いやそれよりも、なぜそこからはじめようとするのか。手を取ってきて欲しいと言われれば、いくらでも取ってきてやるが、こればかりはどうしようもない。
まさか早人は頭が悪いのではないかと思う。もしくは頭がおかしいのだ。まず真っ先に性癖を調べるために、自分の実父と同じ顔をした男にフェラをさせようとする息子がどれくらいいるというのだ。
「ダメかな?いつもあんたが誰かから取ってきた手を舐めてるみたいにしてくれればいいんだけど」
「美しい手と貴様の薄汚いアレを一緒にするな」
「いや、薄汚いは酷くない?」
あんたにもついてるものじゃん、と思ったが、半ば予想をしていた答えなので、早人はその言葉を呑みこむ。そして、お前の手ならいくらでも舐めてやるがな、という吉良の言葉は聞かなかったことにした。
「それで、どうするのさ。舐めてくれるの?」
「そのまま噛み千切ってもいいのなら舐めてやらんこともない」
「うわ、下品」
「どっちがだ」
早人の言葉があまりにも心外だったため、吉良は軽く相手を睨む。すると、早人はなにかを考えるような真面目な表情になった。何事かと思っていると、突然彼の手が伸びてきて、指先で顎をつかまれる。もう片方の手は自分の体を支えるように吉良の腿の上に置かれた。
ゆっくりと、早人の顔が近づいてくる。吉良の薄い唇に、早人の唇が重なった。互いに目を開いたまま、無表情に相手の瞳の中を覗き込む。なんの感情も、それぞれ浮かんでいないようだった。
やがて早人は舌を出して吉良の唇を軽く舐めてから離れていく。片手を吉良の腿の上に乗せたまま、彼の顎をとらえていた方の指で自分の唇を撫でた。
「どうしよう・・・凄くドキドキする」
「・・・・・・」
普段ほとんど顔色を変えない彼の顔が、興奮のためかわずかに赤らんでいた。
吉良がなにも言わずに相手を眺めていると、突然早人が立ち上がる。慌てた様子でリビングから出ていってしまった。階段を駆け登る足音が聞こえたかと思うと、すぐにバタンと扉の閉まる音。どうやら自室に駆け込んだらしい。
天井を見上げながら、吉良は今早人がしているであろうことを思って溜め息を吐く。先ほど彼が立ち上がる前に、彼のズボンの前が膨らんでいるのが目に入った。そうなってしまえば、やることなんて一つしかないだろう。手フェチの殺人鬼と、血が繋がっていないとはいえ父親に欲情する親子だなんて、まったく笑えない。どこで育て方を間違ったのだろうか。
「あら?早人はお部屋に戻っちゃったの?すぐにお風呂に入ってもらおうと思ったのに」
声のした方を見ると、いつの間に風呂から上がったのか、パジャマ姿のしのぶがいた。愛猫を腕に抱きながら、リビングを見渡している。早人と吉良のキスを見た様子はなさそうだった。
「仕方ないわね。呼びにいかなくっちゃ」
「待て、今はまずい」
早人の部屋に行くつもりでいるしのぶを見て、吉良は思わず口を開く。なにに対して興奮したのかはどうであれ、流石に同じ男として邪魔をするのは可哀想だった。
「まずい?あの子、部屋でなにかしているの?」
心底から不思議そうに尋ねられて、言葉に詰まってしまう。まさか自分とキスをして興奮したから自慰をしている可能性がある、なんて言えない。どうするかしばらく考えてから、吉良は開きっぱなしだった新聞を几帳面にたたむと、テレビのリモコンと同じようにテーブルの上に乗せた。ソファから立ち上がる。
「風呂には私が先に入ろう」
「そう?それならそれでいいけど」
彼女が自分の言葉を深く考えていないようで安心した。しのぶの脇を通り脱衣所へと向かう。
早人が自分をオカズにしていない事を祈りながら、この日はいつも以上に歯と顔をよく洗った。
END
こんな親子がいたら嫌すぎる。
吉良は潔癖症なので絶対にくわえてくれなさそう。
吉良が照れている姿がまったく想像できないのですが、私の妄想力が足りないんでしょうか。なんか驚いたり怒ったりすることはあっても、照れなさそうな感じがします。
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