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もて王を全部読み返したし亜門たんもブログをはじめたし某方の素敵な悠と丘イラストを見たしで今なら書けるッ!と思って悠丘を。
私にしては珍しく丘が悠を振り回してる感じです。
後ろ髪を片手で上げると白いうなじが覗いた。生え際を舌でなぞるようにして舐めると、相手はわずかに体を揺らす。しかしそれ以上の反応は見せなかった。なにをしてもあまり動じないのはいつものことだが、やはり面白いものを日々求めている身としてはつまらない。
どうしたものかとしばらく考える。そして一度丘の髪から手を離すと軽く目を瞑った。すると見る見るうちに、悠の体に変化がおとずれる。人間のものではない色の肌と鱗が浮かび上がり、目には見えないが口の中には細長い先の割れた舌と牙が生える。
「なんだ、いきなり」
悠を取り巻いている空気が変わったのに勘付いて、丘は振り向こうとした。だが背後から伸ばされた手で顎を捕らえられ、頭を動かすことができない。
「そのままでいろ」
言いながらやはり背後から顔を突き出してきた悠の鮮やかな色をした目と視線が合う。かと思えば、すぐに首を引っ込めてしまった。
なにをされるのかと顎を捕らえられながらも振り向こうとしてくる彼を抑えながら、悠はもう一度片方の手で丘の後ろ髪を上げる。そこに顔を近づけ、口を開くと今度は舌を出さずに牙をむき出しにした。そのまま丘のうなじに自らの牙の先端を突き立てる。
「・・・!」
まさか噛まれるとは思っていなかったのか、彼が息を呑んだのがわかった。後ろに回された丘の手が悠の服を引っ張りやめろという意思表示をする。しかしそれを無視して、悠はゆっくりと牙を丘の皮膚に埋め込んでいった。犬や猫の牙よりも先端が細く尖っているため、わりと簡単に埋まってゆく。痛くないはずがない。
皮膚が裂ける感覚に、丘は小さく痛みに呻く。血が流れ、服が汚れた。その段階になって、悠はようやく丘のうなじから顔を離す。噛み付いたところにぽっかりと小さな穴が二つ開いていた。多くはないがそれでも血が流れ続けている。
「お前はいつから吸血鬼になった」
捕らえていた顎も解放してやると、丘は片手で噛まれた所を押さえながら振り向きざまに言った。動揺が隠しきれていないのか、声が震えている。しかしそれもよく聞いていないとわからないほどで、思ったような反応が得られずに悠は内心で落胆する。
「別に吸血鬼になったつもりはない。だが八十一がそういうプレイを望むなら、血を飲んでやってもいい」
「誰がいつそんなプレイを望んだ」
「最近、牙の生え変わりの時期で歯茎がうずいてな」
「犬猫じゃないんだからそんなすぐばれる嘘をつくな」
軽く悠を睨んでから、丘は噛まれたところに当てていた手を目の前に持ってくる。そして見なければよかったと後悔した。怪我をしているので当然といえば当然なのだが、血が付いている。この分ではまだ傷口から血が流れていることだろう。
「傷口、舐めてやろうか」
「やってみろ、根性焼きするぞ」
「それだけで舐めていいのなら安いものだ」
「やめろ、変態」
迫ってくる悠を血が付いていない方の手で押し戻しながら、汚れた手を自分の服で拭う。どうせ血が流れて後ろの方も汚れているに違いないだろうから、これ以上汚れても同じだろう。
「傷が深いせいか、止まらないな」
結局、間界人の力には敵わず、悠に傷口を覗き込まれてしまった。
「八十一なら、すぐに傷が塞がると思ったのだが」
こちらの様子をうかがうような声色で言われ、丘は方眉を上げる。そしてなにもせずに離れていった悠を見た。いまだに間界人の姿のままで、毒々しい肌の色と鮮やかな目の色をしている。
「なにが言いたい?」
「お前も俺と同じナーガなんじゃないかと、思っているだけだ」
いくらドキ高の教師とはいえ、間界のことについて詳しすぎる。そのうえ、ナーガラージャやその階級までも知っていた。以前から丘が間界人なのではないかと疑っていたが、最近では更にその疑いが強くなっている。本人はいくら聞いても曖昧な言葉ではぐらかしているが。
「ずいぶんとこだわるな。俺が実界人だろうが間界人だろうが、どうだっていいだろう」
「どうでもよくない。とても大きな問題だ」
丘の血で汚れた方の手首をつかみ、その人差し指を口に含む。そのまま相手をうかがったが、相変わらず動じていない。こんな感情の起伏が浅いところを見ても、ナーガなんじゃないかと思ってしまう。
「実界人は脆いが、間界人は丈夫だ。多少のことをしても壊れない。それに、寿命がまったく違う。大きな問題だろう?」
「多少のことって、なにをするつもりなんだ」
「聞きたいか?」
「・・・いや、いい」
今度は怪我をさせない程度に、銜えている指を甘噛みする。
「それで、お前はどっちがいいんだ?俺が間界人なのがいいのか、実界人なのがいいのか」
悠の口から指を引き抜きながら、丘はどこか挑発するような口調で尋ねた。その問いに、悠は考える間もなく口を開く。
「もちろん、間界人の方がいいに決まっているだろう。実界人よりもはるかに一緒にいられる時間が多くなるからな」
真直ぐと丘を見つめながら、いつもの淡々としたものではなくどこか熱のこもった声で悠は言った。この男はこんなふうに喋れるのかと、丘ははじめて見る彼の一面に感心してしまう。だからといって、ほだされることはないのだが。
「じゃあ実界人ってことで」
立ち上がりながらもう一度、先ほど悠に噛まれたところに手を当てた。どうやら血は止まったようだ。しかし背中は血だらけだろうから、シャワーを浴びてこなければいけない。服はもう諦めて捨てることにする。
「待て、じゃあ、とはどういうことだ」
「どっちだっていいだろうが」
「よくないとさっき言ったはずだ」
「俺にしてみればどっちだっていいんだよ。それよりも付いてくんな、風呂に入ってくるんだから」
立ち上がってこちらを追いかけてこようとする悠に制止をかける。じとりと、納得がいかないような目で見据えられた。
「傷は治ったか?間界人なら、その程度の怪我ならすぐに治るだろう」
「血は止まった」
「見せてみろ」
「やだね」
「傷口がどこにあったかわからないぐらい、綺麗に治ったから?」
「さぁ、自分じゃ見えないところだからなんとも言えんな」
なおもなにか言いたげな悠を部屋に残して、丘は脱衣所へ向かう。そんな彼の背中を見送りながら、わからないな、と悠は小さく呟いた。もう何度もこのような問答を繰り返しているが、いまだに彼が間界人なのか実界人なのか判断が付かない。本当に実界人なのかもしれないし、間界人なのを隠しているだけかもしれない。だが彼が間界人だとしても、それを隠している理由もない。…いや、悠をからかって楽しんでいるという理由があった。
「いいだろう、ならば最後まで付き合ってやる」
実界人の姿に戻りながら言う。真実を知るまで、そして知ってからも、これまで以上に付きまとってやる。
そう決心しながら、とりあえず据え膳をそのままにしておくこともないと思い、悠は立ち上がって丘のあとを追った。
END
書いてないけど一応丘の家です。うちの悠は丘を構いたくてしょうがないのでしょっちゅう家に押しかけてます。
悠は噛むよ。なんの根拠もないけど。
噛むのは良い。ドキドキする。
そして悠の元の姿もドキドキします。蛇とか鱗とか大好きです。
いまだに私の中で丘の間界人疑惑があります。というかそうだったらいいな、と。
なにに対してもあの冷静な態度、悠と同じで丘もナーガでいいと思います。でもやっぱり実界人でも、間界人と実界人のハーフでもいい。
どう転んでも美味しいです。
もて王関係ないんですが、ジョジョの奇妙なファンタCMを見て盛大に噴いてしまいました。何度見てもブチャラティのところで笑ってしまう。
ボスは愛妻家。そしてシマシマの服のせいでラストのあたり縛られてるように見える。
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