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高校生早人×吉良です。
相変わらずなんだかんだで仲が良さそうな感じになりました。
全編通してシモネタなので注意。
リビングのソファに座りながら、吉良がつまらなそうに新聞を広げている。その真横に早人が座り、リモコンを手に持ちながら先ほどからテレビのチャンネルを回し続けていた。しのぶは今、リビングにはいない。夕食がすんでしばらくしてからバスルームに行ってしまった。遠くからは水の流れる音が聞こえてくる。
早人は小さく息を吐くと、たいして面白くもない番組しかやっていないテレビの電源を切った。リモコンをよく磨かれたテーブルの上に起き、横にいる吉良の方を見る。
「僕はさ、そこそこ女の子にはもてるんだ」
「・・・なんだ、いきなり」
なんの脈絡もない言葉に、吉良は新聞から顔をあげて相手を見る。自分もよく言われるが、早人もまた、なにを考えているのかわからない性格と顔をしている。こちらがいぶかしんでいるのが伝わったのか、早人はまぁ聞いてよ、と続けた。
「一ヶ月ぐらい前に、同じクラスの女の子から告白されたんだ。いつもは断るんだけど、可愛かったしなんとなく付き合いはじめた」
早人の通う高校はエスカレーター式で、中学校からの持ち上がり組がほとんどだが、きちんと受験を受けて遠くの中学校から入学してくる人間もいる。早人に告白をしてきた女もそうだった。彼女はS市に住んでいて、毎朝時間をかけてバスで登校している。
控えめな正確で、可愛らしい顔立ちの娘だった。真っ白な肌に、染めていない黒く長い髪がよく似合っていた。
「でね、まぁ僕達もいい歳だから、やることはやるんだよ」
「赤飯を炊いて欲しいのなら、私じゃなくてしのぶに言うんだな」
すでに新聞に視線を戻していた吉良はそっけなく言った。他人のシモ関係の話など、まったくといっていいほど興味がわかない。
「男に赤飯って、なんか違くない?ていうか、そうじゃなくてね」
一度言葉を切ると、早人は先ほどよりも深い溜め息をつく。その表情はどこか悩ましげだ。彼の顔だけを見るのならば、女にもてるというのはわからないでもない。事実、川尻浩作の仮面をかぶった吉良は会社でもなにかと女子社員にもてる。元の顔の時と変わらないぐらいに。正直、そういうのはわずらわしくてしょうがないのだが。
早人の母親であるしのぶもまた美人だ。その二人の血をひいているのだから、彼の顔がいいのは納得できる。ただ、性格の方はいいとは思えないが。
「できなかったんだよ・・・」
「ほう?」
「なんか全然、興奮できなくて、勃たなかったんだ」
再び新聞から顔を上げて、吉良は薄く笑う。
「なるほど、それでこの前顔に痣を作っていたのか。女に恥をかかせたんだ。当然の仕打だな」
彼の言っていることが全て事実なので、早人は言い返さない。
彼女の自宅で事に及ぼうとしていた。今夜は両親がいないからと、誘ってきたのは彼女の方だった。控えめな性格だと思っていた彼女がぞくりとするような艶やかな笑みを浮かべて誘ってきたのは以外だったが、早人はあまり深くは考えずに誘いに応じた。
早人のそれが反応しないと知った時の彼女の顔は、多分一生忘れないだろう。怒りや屈辱が入り混じった表情をしていた。早人は散々、口汚い言葉で罵られ、最後に拳で殴られた。女にしておくのは勿体無いぐらいの、いいパンチだった。結局そのあとにすぐに彼女の家から追い出され、あれから一言も口をきいていない。学校でも、無視され続けていた。別にそれほど好きだったわけではないのでいいのだが、それよりも彼女の控えめな性格というのが演技だったというのがショックだった。あとから聞いた話では、彼女は地元では有名な男好きだったらしい。女って怖い。そう思った。
「その歳で不能だなんて・・・不憫だな」
心底から哀れんでいるような声色と表情で言われ、早人は慌てる。
「怖いこといわないで。その子の前で勃たなかっただけで、今はなんともないよ」
「女相手に反応しないとなると、ゲイか?それとも普通のプレイでは反応しない特殊な性癖なのか?」
「・・・冗談」
「まぁどんな性癖だろうと、世間に気を使って生活をしていれば穏やかな日々を送れるから、安心するんだな」
「あんたが言うと生々しいからやめて・・・」
果たして自分は本当にそんな特殊な性癖なんてもっているのだろうか。本当の両親はいたって普通の趣向の持ち主だが――吉良に惚れているしのぶはどうかと思うが――ここ数年間、一緒に暮らしてきた男が男なだけに早人は気が気ではない。相手は殺人鬼なのだ。一緒にいる自分がなにかしらの影響を受けていても不思議ではない。まったくもって、不本意なことだが。
「試してみようか」
「なにをだ?」
「僕が本当に、そんな特殊な性癖をもっているのか」
詳しく説明を求めるような目で、吉良は血の繋がっていない息子を見る。
「僕の、舐めてみてくれる?」
さらりととんでもないことを言われ、吉良はめまいを感じた。どこを、なんて、そんなことは聞かない。聞きたくない。先ほどの会話の流れからなぜそこへ行ってしまうのか。いやそれよりも、なぜそこからはじめようとするのか。手を取ってきて欲しいと言われれば、いくらでも取ってきてやるが、こればかりはどうしようもない。
まさか早人は頭が悪いのではないかと思う。もしくは頭がおかしいのだ。まず真っ先に性癖を調べるために、自分の実父と同じ顔をした男にフェラをさせようとする息子がどれくらいいるというのだ。
「ダメかな?いつもあんたが誰かから取ってきた手を舐めてるみたいにしてくれればいいんだけど」
「美しい手と貴様の薄汚いアレを一緒にするな」
「いや、薄汚いは酷くない?」
あんたにもついてるものじゃん、と思ったが、半ば予想をしていた答えなので、早人はその言葉を呑みこむ。そして、お前の手ならいくらでも舐めてやるがな、という吉良の言葉は聞かなかったことにした。
「それで、どうするのさ。舐めてくれるの?」
「そのまま噛み千切ってもいいのなら舐めてやらんこともない」
「うわ、下品」
「どっちがだ」
早人の言葉があまりにも心外だったため、吉良は軽く相手を睨む。すると、早人はなにかを考えるような真面目な表情になった。何事かと思っていると、突然彼の手が伸びてきて、指先で顎をつかまれる。もう片方の手は自分の体を支えるように吉良の腿の上に置かれた。
ゆっくりと、早人の顔が近づいてくる。吉良の薄い唇に、早人の唇が重なった。互いに目を開いたまま、無表情に相手の瞳の中を覗き込む。なんの感情も、それぞれ浮かんでいないようだった。
やがて早人は舌を出して吉良の唇を軽く舐めてから離れていく。片手を吉良の腿の上に乗せたまま、彼の顎をとらえていた方の指で自分の唇を撫でた。
「どうしよう・・・凄くドキドキする」
「・・・・・・」
普段ほとんど顔色を変えない彼の顔が、興奮のためかわずかに赤らんでいた。
吉良がなにも言わずに相手を眺めていると、突然早人が立ち上がる。慌てた様子でリビングから出ていってしまった。階段を駆け登る足音が聞こえたかと思うと、すぐにバタンと扉の閉まる音。どうやら自室に駆け込んだらしい。
天井を見上げながら、吉良は今早人がしているであろうことを思って溜め息を吐く。先ほど彼が立ち上がる前に、彼のズボンの前が膨らんでいるのが目に入った。そうなってしまえば、やることなんて一つしかないだろう。手フェチの殺人鬼と、血が繋がっていないとはいえ父親に欲情する親子だなんて、まったく笑えない。どこで育て方を間違ったのだろうか。
「あら?早人はお部屋に戻っちゃったの?すぐにお風呂に入ってもらおうと思ったのに」
声のした方を見ると、いつの間に風呂から上がったのか、パジャマ姿のしのぶがいた。愛猫を腕に抱きながら、リビングを見渡している。早人と吉良のキスを見た様子はなさそうだった。
「仕方ないわね。呼びにいかなくっちゃ」
「待て、今はまずい」
早人の部屋に行くつもりでいるしのぶを見て、吉良は思わず口を開く。なにに対して興奮したのかはどうであれ、流石に同じ男として邪魔をするのは可哀想だった。
「まずい?あの子、部屋でなにかしているの?」
心底から不思議そうに尋ねられて、言葉に詰まってしまう。まさか自分とキスをして興奮したから自慰をしている可能性がある、なんて言えない。どうするかしばらく考えてから、吉良は開きっぱなしだった新聞を几帳面にたたむと、テレビのリモコンと同じようにテーブルの上に乗せた。ソファから立ち上がる。
「風呂には私が先に入ろう」
「そう?それならそれでいいけど」
彼女が自分の言葉を深く考えていないようで安心した。しのぶの脇を通り脱衣所へと向かう。
早人が自分をオカズにしていない事を祈りながら、この日はいつも以上に歯と顔をよく洗った。
END
こんな親子がいたら嫌すぎる。
吉良は潔癖症なので絶対にくわえてくれなさそう。
吉良が照れている姿がまったく想像できないのですが、私の妄想力が足りないんでしょうか。なんか驚いたり怒ったりすることはあっても、照れなさそうな感じがします。
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